カテゴリ:言葉(言語)・文字関連
瀬戸内寂聴訳『源氏物語』を読んでいて、こんな一文がありました。
<<源氏の院も深く感動なさったあまり…中略…この上なく風流な音楽の夜となりました。…中略…美しい声の限りを尽くして歌い、やがて調子が呂(りょ)から律(りつ)に変わってのどかになります>> という文言がありました。 この ”『呂(りょ)』から『律(りつ)』に変わって” の部分で、私たちが日常的に使っている『呂律(ろれつ)』という言葉は、このような和の音楽のことから派生している言葉なのだと知ることになった。 この『呂律』という言葉は、舌がもつれて上手く話せないことを「ろれつがまわらない」と言う。 この言葉は、雅楽からきた言葉だとされています。 それはこうです・・・、 <<雅楽には2つの音階があって、それぞれ『呂(りょ)』と『律(りつ)』と呼ばれている。雅楽はこれに基づいて演奏されることになっているが、その音階を間違えてしまうと拙いことになってしまいます。この状態のことを「呂律(りょりつ)が回らない」というようになって、それが時代とともに「呂律(ろれつ)が回らない」と変化した>> のです。 また一説には、<<『呂(りょ)』から『律(りつ)』は、仏教音楽の『声明(しょうみょう)』と呼ばれる音階のこと。『呂』と『律』の表現が上手く出来ないことを「呂律(りょりつ)がまわっていない」と言われていた。調子が外れた状態という意味で、「呂律(ろれつ)が回らない」と言われるようになった>> と、こんな説もありました。 時々ですが、呂律の回っていないおしゃべりのおじさんを見かけることがありますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.10.22 00:10:14
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