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2006年08月01日
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カテゴリ:映画
”4歳と14歳で生きようと思った・・・火垂るの墓”



原作は野坂昭如、死んだ妹にこうしてあげればよかったと後悔の念で書き上げた

私小説であり、それをアレンジしてジブリがアニメ化、1988年に公開された作品。

時は戦時中、舞台は神戸、米軍の空襲を受け母を失ったふたりの兄妹は叔母さんの元へ

身を寄せるが、お国のために働こうとしない清太に対し叔母は徐々に厳しくあたり始め

る。 まだ4歳の節子は母に会いたいと夜泣きするが、それにも腹を立て、みなしご二

人を預かる煩わしさを叔母は露骨にふたりにあてつけるのであった。

叔母の態度に我慢できず家を出ることに決めたふたりは池の近くの壕を新しい家にして

購入した鍋や七輪を持ち込み、縛られない気ままな生活を始める。

母が残した貯金を下ろし、食料を買い、先行きの見えない生活をリードする清太、そん

なある日、夜中に捕った蛍の死骸を埋めようとする節子が清太の「なにしとんねん」と

いう問いかけに、「お墓つくってんねん、お母ちゃんもお墓に入ってんねんやろ」と答

える。  清太は一言も母の死を節子には話していないはずなのになぜ?!

節子はこう続ける、「うち、おばちゃんに聞いてん、お母ちゃんもう死にはって、お墓

の中にいてんねんて」・・・その瞬間、清太は我慢して我慢して我慢していた涙が一気に

溢れ出るのであった・・・

貯金も少なくなり、清太は農家のおじさんにあの家に帰れと諭されるが、それを嫌がり

泥棒を始める、彼に海軍さんの息子の面影はなく、また節子はこの頃から栄養失調の

症状が出始めてしまう。米軍の空襲が始まると家に忍び込み火事場泥棒を続ける清太。

盗んだものを売ったお金で食料を買い、歩くこともままならない節子に滋養をつけさ

せようとするがもはや手遅れだった・・・・。

少なくなった貯金を下ろしにきた清太は、そこで大日本帝国が無条件降伏したことを知

る、連合艦隊は壊滅、父は戦死した。 清太は最後の望みをここで失ってしまう。

天界と地上界の間を行ったり来たりしていた消え入りそうな節子の魂は兄を待ち続けて

いた、目もうつろで意識もはっきりしない節子。 清太が米と卵を買ってきて戻ってく

ると、節子はそそっと泥団子を差し出した。 「兄ちゃん、どうぞ」「なんや、節子」

「ごはんや、おから炊いたのあげましょうね、どうぞ、おあがり・・・食べへんの?」

清太はすいかを取り出しススッと一切れ、節子の口に運んであげると、「おいしい」と

節子はか細い声で少し笑みを浮かべて兄に答えた。 そして最後に節子は、


兄ちゃん、おおきに・・・



これが節子の最後の言葉だった。 終戦後、疎開先から無事に帰ってきた裕福な家庭が

蓄音機で「はにゅうの宿」をかける、その眼下で清太は4年という短い生涯をかけてい

った妹節子の遺体を荼毘に付すのだった。 



毎年夏、それも敗戦日が近づくとテレビ放映される「火垂るの墓」は慶次にとってかな

り難解な作品である。 この作品は何を語りたいのか? 反戦映画なのか? 

清太が節子を殺してしまったとはいえないのか、この時代にカルピスを飲める裕福な

家庭の息子では生き抜く力は望めないのか・・・とはいっても14歳では無理か。

米軍の空襲が問題なのか、いや、それも違うな。 おばさん?! 厳しくて厭味な人

ではあるが、戦時中はどこも誰も余裕がないものだ、そこまで問い詰める人物でも

あるまいて。。。

結局、子供の目から見れば、大人が勝手にはじめた戦争に巻き込まれ翻弄されたという

ことなのではないか、親を奪われ、家を失い、財産も奪い去る戦争を憎む気持ちは忘れ

てはいけないのだ、この映画からは、そんなメッセージを感じる慶次であった。

この映画を観た方、どんな感想を持ちましたか?


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小説編は、節子の最期が残酷です


火垂るの墓  火垂るの墓  サクマドロップスサクマドロップス


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最終更新日  2006年08月02日 00時12分21秒
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