このブログでもしばしば狛犬の紹介記事をアップしておりますが、その多くはウオ-キングコ-スに狛犬が置かれている、或いは夫婦で旅行した先の観光施設に神社・仏閣があるなどにより、手軽にその狛犬撮影の時間が取れるので、自然と狛犬のアップが多くなっていると言ってもよさどうです。
勿論、他の方々は狛犬に関心を示さないので、私が変わっている、へんな趣味人であることに変わりはありませんが・・・
さて
前にもご紹介いたしましたが、この狛犬に関しては、優れた研究者がいらっしゃいます。
1. 上杉千郷氏
大正12年生まれ、総理府事務官、法務大臣秘書官などを経て現在学校法人皇學
館理事長
岐阜県飛騨古川祭り資料館に狛犬館を併設。
狛犬学の権威者
2. その著書
日本全国獅子・狛犬ものがたり
3. 私がこれまで出合った狛犬は、この上杉千郷氏がその著書で取り上げているような
素晴らしい狛犬はなく、その情報に基く狛犬の観察は今後できるかもしれないと言っ
た程度です。
何故なら京都御所だったり、上賀茂神社の本殿内部だったりで、旅人がぶらりと行
って目に触れたり触ったり、写真撮影をさせてもらえる機会は非常に乏しい可能性
があります。
4. そんな中で、今回偶然神戸市の生田神社と湊川神社に参拝できる機会に恵まれま
した。
上杉千郷氏がその著「日本全国獅子・狛犬ものがたり」でご紹介されている狛犬が
生田神社にあると思い込んで4月14日、人間ドックの帰り道、勇躍立ち寄り、2対
有りました狛犬の内、ブロンズの狛犬がそれに当たるであろうと思い、喜んで撮影
いたしました。
結論としてはこの狛犬は、後藤光行氏の彫刻になるものでした。
5. ついで17日(土)、JR神戸駅近くの湊川神社へ参拝致しました。
合計6対12個の狛犬が設置されている事が分りました。
ここもブロンズの狛犬は、朝雲氏の彫刻による物でした。
しかしながら、この狛犬学の権威者がご紹介されている狛犬、即ち、著名な彫刻家
平櫛田中(明治5年~昭和54年、1872~1979)の作品は、狛犬の古典的な設置
場所である本殿のご神体の近くに置かれている為に、一般にはお目にかかれない
ものでした。
神官のご好意で本殿のある場所までご入室を許可して頂き、目に触れる事はでき
ましたが、ここでその写真の公開は遠慮すべき物と思われます。
古典的な、(鎌倉時代的な-私の推測ですが)木彫り手法の製作物とのことでした
6. -1 狛犬は平安時代に、京都御所の紫宸殿のある場所に描かれていた物が、現存
最古の狛犬らしい。先ずは絵でした。
-2 それが神社などの中で、木彫りとなり、しかも狛犬には角がある。
-3 やがて、神社の中から表へ出るようになり、木彫りから石造、焼き物、金属など
素材もいろいろ現れたらしい。
同時に角が取れて行った。
4 今日我々が目に触れ、手で触れる物はこの神社などの境内などに設置された
石造、ブロンズ、焼き物などが普通で、三田市内といえども神社の本殿内部に
おかれている木彫りの狛犬は、目に触れるのがなかなか難しいようです。
長野県のある方のHP(或いはブログ)を拝見すると、長野県だけでも狛犬は1000対ぐらい有るだろうと指摘されているように、
先ず
(1) いたるところにあること
(2) その形状が実にさまざまである事。
(3) 石造の場合でも、その生産地は、関西や愛知、福井県、松江、広島ほかで作ら
れており、ブロンズの場合は、著名な彫刻家の作品である場合が普通のようです。
また、焼き物は先日、或いは?としてご紹介させてもらった古伊万里焼赤絵の狛犬
や備前焼など室外の狛犬を観察できるだけでも幸せ一杯と感じております。
4. 江戸時代、北前船が北海道の昆布などを関西に運んだ帰りにこの狛犬を福井県か
ら東北などへ運んだと言われておりますが、今の運送業と同じように帰り便の高度
活用の一つかと思えば面白いですね。
三田市高齢者大学院の”郷土史”コ-スの中に、この三田の狛犬学が組み込まれていると聞いておりますので、いずれ”私の狛犬学”もいまよりは精度が上がるものと思います。
それまでは、とにもかくにも実物に出来るだけ触れる機会を多く持ちたいと思っている次第です。