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三田のいのしし 見て歩き日記

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2010年06月08日
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いろいろあっても大半の狛犬さんは、通常蹲踞(そんきょ)の姿勢と言われる腰を落として前足をしっかりと踏みしめている姿勢であります。
生田神社ブロンズ右
神戸市 生田神社 ブロンズ製 ご本殿に向かった右側 通常 獅子

これに対して、逆に後ろ足と尻尾を上げて今にも飛び掛らんかの姿勢の狛犬の事を「かまえ」型と表現されているようです。
(上杉千郷氏 日本全国獅子・狛犬ものがたり88ペ-ジ)
出雲型との表現もあります。

四万十町のかまえ型
高知県高岡郡四万十町奈路の神社で出遭った「かまえ型の狛犬
松江市からここまで運ばれた物か別の所で作られたものかは不明ですが、同型と思われます。

この特異な狛犬に最初に出合ったのは、鳥取県東伯郡湯梨葉町(旧当郷町宮内754)倭文(しとり)神社でした。
その特異な狛犬がこれ;
しとり神社の狛犬
倭文(しとり)神社のかまえ型の狛犬


「獅子・狛犬」の内の獅子で、ご本殿に向かって右側に据付けられているが、後ろ足もさることながら尻尾を中天高く突き上げている姿が特異ですね。
後でも触れることになるはずですが、1995年平成7年8月13日から15日までお盆休みの形で休暇を取り、鳥取県と島根県へ夫婦で出かけた際に、わが国の成り立ちに関して様々な役割を果たしたであろうこの地方の遺物として、こんな特異な形の狛犬に出合う事になりました。
なお、この倭文(しとり)神社という変わった名前の神社はあちこちにあるそうで、それぞれに狛犬も据付けられていると思われますが、この特異な狛犬は旧東郷町の倭文神社にのみあるのかもしれません。

このかまえ型の狛犬について、印象を強く深めたのが松江市も城山稲荷神社の狛犬でした。
ここには石造のキツネの狛犬(上杉千郷氏)が沢山並んでいて、かのラフカジオハ-ン小泉八雲が最も愛した物であったそうですが、この城山稲荷神社にもかまえ型の狛犬がありました。
城山稲荷神社の狛犬右
松江城内 城山稲荷神社の獅子。狛犬の内 獅子

城山稲荷神社の狛犬左
平成7年8月14日 城山稲荷神社の狛犬  左の狛犬と思われます。


我々がこの日、松江城を訪れた際、この城山稲荷神社は、たしか解体修理中で参詣できませんでしたが、東郷町の倭文(しとり)神社のかまえ型の狛犬だけでも吃驚していたのに、ここでも尻尾ながら『怒髪天を突く』と言うような文学的な表現がピッタリの狛犬にであって、一層印象が深くなりました。

しかしながら、こんな特異な狛犬さんであっても、その後長い間、如何なる形の狛犬にも出遭う機会が乏しかったので、忘れるともなく忘れておりました。
つまり紙焼き写真として長い間アルバムの中で眠っておりました。
今回スキャナ-で眠りを覚ましましたので吃驚して何でやねん・・・と呟いている感じですね。

こんな特異な形の狛犬が成立した理由についての考察:
なんてえらそうな語り口ですが、これも上杉千郷氏の著書からの受け売りでして
1.  松江でしか採れない来待石(きまちいし)と言う軟らかな砂岩で造られているのが特
     徴だそうであります。
2.  江戸時代北前船で各地に運ばれ、又それに倣った狛犬のあったのではないかと
     上杉先生は推察しておられます。
3.  来待石で造られているからと言ってすべてがかまえ型かと言うと、島根県の八重が
     垣神社の狛犬は出雲型ではなく、大変古いそうですから、ある時から出雲型といわ
     れるようなかまえ型が出現し、評判となって流布したものと思われます。
     (後半は私の推測です)

城山稲荷神社のキツネの狛犬
キツネの狛犬
キツネの狛犬の1例

兎も角、鳥取県から島根県を旅すると、関西ではお目にかかれないような様々の物に出会い、どうしてこのようなものが出来たのか、その場では解明できないものの非常に興味をそそられる体験でした。

旧当郷町の倭文神社は私の記憶では、とある岡の上にあり交通も至便とはいえないでしょうが、松江市の松江城内 城山稲荷神社の狛犬さんは、散歩中に出合えることも考えられますので、キツネの狛犬と併せてご覧いただく事をお勧めします。


かまえ型の狛犬に出遭った旅の想い出
1995年(平成7年)、阪神淡路大震災の年、8月12日から15日(終戦記念日)間で鳥取県と島根県の1部を旅行致しました。
今から15年前になります。

1. 六十歳を過ぎておりこの年の9月20日で退職と言う時期であった事
2. この年の5月18日に胃癌の手術で2/3胃を切除手術を受けており、向こう1年間はア
    ルコ-ルは絶対禁止の体で療養中の体でした。
    余談ですが、後年手術前に77kgあった体が57kgまで痩せましたが、この頃はやく
    70kgで手術後とは言えまだまだ体力があったことが日誌からも伺えます。
こんな身辺状況の中で歩き回りました。

私は車の運転を致しませんが,家内が車を運転したの療養中でも旅ができたものとおもいます。
中国自動車道の山崎のインタ-を降りて、国道29号線を鳥取へ向かう事から始め、若桜(わかさ)、国府を経て鳥取市に宿泊する事からのスタ-トですが、
国府はかって今で言えば同地の県庁所在地みたいなもので、大変歴史の古い地域でもあり、宇部神社に参詣いたしました。
ここの狛犬さんは獅子・狛犬の内、狛犬の御腹に子犬を抱え込んでいる珍しい形ではありますが、全体としては普通の狛犬さんが据付けられておりました。

平成7年8月15日に安来市の足立美術館をいう今では日本一の庭園として有名の所の見学などで旅を締めくくり無事帰宅出来ました。

今回このかまえ型の狛犬をブログへ紹介するに際して、当時の日誌を引っ張り出して読みながら書いておりますが、
8月14日が月曜日で当日の為替が東京で、93円48銭~51銭との事で、ユ-ロはありませんでしたが、当時も結構円高であったことが分りました。






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最終更新日  2010年06月08日 20時29分52秒
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