1月18日(日) この日は天神町にある三田天満神社と深田にある五大力菩薩を歩いた。
天神町は江戸時代には三田九鬼藩の陣屋(1国1城令の為、お城は無い)が置かれて、その周りには
武家屋敷があったと思われる。
以前、夫婦でこの辺をウオ-キング.武家屋敷跡と思しき地域の発掘調査が行われていた。
今わ埋め戻されて有馬高校の実習農地になって三田天満神社の明神鳥居前道路に接している。
三田天満神社の明神鳥居
逆光なのでやや斜に構えて、瀬田橋や武庫川の方向も景色に取り込んだ鳥居。
この神社は歴史があるのと九鬼藩九鬼家の神社として続いたので、町民の敬愛も厚かったものと
思われる。その証拠が鳥居に刻まれた年代とか、寄進者の名前、鳥居の数などに伺える。
その一例
元禄13年庚辰(かのえたつ)と読める彫り物が門柱にある鳥居(1728年)
庚辰(かのえたつ)の字は読みづらいが、元禄13がハッキリしている。
ここが江戸時代の正門であろう(2012.01.10の写真)
入るとすぐに隋身門がある。寺の仁王門に対抗して発展したと言われている。
今回は境内から外へでる側からのご紹介です。 1714年竣工
隋身門はもともと隋身(前面)と仏教の仁王さんの像が神仏混交の時代は置かれていたので
この門にもその構造がハッキリと見える。(後ろ半分が仏側だったが今は物置)
従って今は随身さんだけである。
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三田天満神社が正面に見えるが、このブログではその手前、左右にある三田市内で最古の
石の狛犬さんが今日のブログの主役の一つ。
向かって右側 (神社は、神様側からその位置を言うので、向かって右は、神様の左だ)
阿形狛犬 口を開けている
向かって左
吽形狛犬 口を閉じている上に角がある(今は折れていて分かりづらい)
角の位置を示す折れた跡
昔はほぼすべての吽形狛犬には角があったが、次第に無い狛犬が主流になって来た
ので、ここに限らず角を折り取る風潮が感じられます。
元々発祥の地中国では、向かって右はライオン(獅子)を置き、左側が中国で創造された
狛犬を置いた。それには角もあったと思われる
狛犬には角が在り、伝承された日本でも次第のこの伝承が廃れるまでは狛犬さんの
獅子-狛犬(角有)が守られていたが、現在は両方ともに角の無い形式へ変わった。
ここの前足が長くて真直ぐな形式は、三田市内の他の狛犬にも多いらしいが、足の彫刻
が難しいので、前足だけ彫りやすい当地の別の石で出来ているとの情報もある。
今回は、石の狛犬について、話を横に広げずに神社の建物の中、ガラスの箱の保存された
木彫りの狛犬について触れたい。
資料:三田の狛犬(上) 15ペ-ジ 写真の引用
大変古い狛犬で、資料的価値も高いと思われるが、
(1) 虫などによる破壊が進み、其のままでは保存が出来ないので、現在は
塗料的なものにより塗装している。
下の写真がそれです。古い木の造りを想像してきて、肌色の一対を見て(@_@;)
(2) 足裏に墨書された文字はかすれて判読不可能だったので、年代の特定が出来ない。
市内には、高売布神社の永仁5年(1297年銘の木質狛犬など文化的価値の高い
狛犬もあるが、その点この狛犬の年代が特定できないのは残念に思われた。
現在、この神社は、この貴重な木質狛犬を保存対策として塗料らしい物を塗布して
見るからに新品と見まがう姿に修正し、保護してガラスの容器に入れ安置している。
関係者一同、悩みに悩んだらしい。
塗料的な塗装で保護策を選んだ像
その阿形狛犬
脚立の無い状態で、コンデジの望遠による写真ですみません。
落下していた眼球も挿入されたすっきりしたお顔。
吽形狛犬
望遠で、逆光の中ながら、頭上の角もはっきり見えます。
鎌倉時代以降の吽形には角がある狛犬の形式が保たれている。
尚また、塗料の塗布にもかかわらずガラス容器に置かれている理由は、これだけの
保存対策をしても虫の害対策として十分でないことを恐れたものと思われる。
今回、これらの情報はこの神社の神主さんに頂きました。
あくまで木質の姿で保存したいというお気持ちが関係者に強かったらしいが、対策なし
に保存できるという見通しが立たなかった…苦渋の結論だったようです。
※ 市内の石の狛犬でさえ掛けた部分もあるくらい保存が難しのが現状とのご指摘も
ありました。
この一連のお話をお聞きするまでは、このツルツルで綺麗な狛犬について、理解に
苦しみましたが、神主さんの情報から木質狛犬に関してその保存がどれだけ困難な
物であるのかが分かり、やむを得ない処置だと理解できました。
吽形狛犬の背中と尻尾の形状
阿形のお顔(例)の形状と頭髪も含めてその毛、独特ですね
長い間青森県から九州まで狛犬に出合うとその写真を撮りつづけておりますが、
このお顔と髪の毛のカ-ル、形状が独特であり不思議でならなかった。
イヌにこんなのがるかな?
そこで神主さんにお尋ねしました。
獅子、ライオンをイメ-ジしての彫刻だとのご見解でした。
そう言われれば獅子の頭、顔に似ている。
※ 狛犬(獅子)の頭髪のカ-ル、流行による取捨、移行など思い浮かべております。
以上が三田天満神社の狛犬に関するお話でした。