適当、テキトウ。
「適当」には 1.「もっともふさわしい」 2.「いいかげん」 という2つの異なった意味があります。この言葉はどうやら中国語由来のようです。日本に来てから2の意味がくっついたんですね。では、どうして「ふさわしい」ことが「いいかげん」なんでしょうか。どうもそこには「裁量」と「許容」といったものが関わっているような気がしてなりません。いや、根拠は特になく単なる思いつきですが。というわけで、検索で全国各地の方言の一部を拾ってみました。1と2に分けるのは、簡単なようでなかなか難しいことに気が付いたので、ひとまず分類無しで一覧にします。考察は後ほど。ところで、みなさんのところでは「適当」のこと、なんて言ってますか?山形【やんばい】 「いいあんばい」の短縮形でしょうか。goo辞書であんばいの(2)に「具合、調子、加減」とあります。宮城【いやんべん】これも多分「いいあんばい」の短縮形。【やんべくせ】「あんばい」+「くせ」。「くせ」は「~っぽい、みたいな」ということでしょうか茨城【いいくるけ】「いい」「(と)ころ」の「気(け)」?【あてずっぽ】あてずっぽうは「いいかげんな推量で行う」ことだそうです。【ごじゃっぺ】「~っぺ」は「いなかっぺ」のように使うので、「ごちゃごちゃ」な者?よくわかりません。【いきあたりばったり】ゆきあたりばったりと同じ。「一貫した計画や予定もなく、その場その場のなりゆきにまかせること。」静岡【なりき】ここでも「き」が出てきました。「なりゆき」の略でしょうか?山梨【ささらほうさら】 雑然、大変、メチャクチャ、やたらすごいなんていう意味で使ったりすることもあるようです。整頓しないで放り投げてある状態のことでしょうか?長野【いーかん】これも「いいかげん」の短縮形でしょうか。いいからかん→いっからかん→いっからげん となっていくにつれて「程度の甚だしさ」が強調されていくようです。 新潟【ちょちょらに】 悪い方の「適当」「いいかげん」の意味で使うようです。「ちょちょいと」やるから?石川【だいたい】漢字だと「大体」でしょうね。いーがに「いいかげん」の短縮形+「に」だと思います。富山【すかたんま】ここにしか出てきません。すかたんであれば、だまされたり、へまをしたりと、「間抜け」っぽい意味になるんですが、これはよくわかりません。 岐阜【たぁがぁ】 漢字だと「大概」でしょうね。【たあがたあが】繰り返し、上の強調表現。【ころ】漢字だと「頃」でしょうね。「頃合い」のことでしょうか?愛知【えーころかげん】「良い加減」に「頃」が挟まっています。【あんばよぅ】「あんばい」「よく」ですね。【だだくさ】漢字だと「駄沢山」。つまらないものがたくさんあり、大切にしないことのようです。滋賀【たいがい】 これも「大概」でしょうね。香川【あんじょ】 あんじょうの短縮形でしょうね。「味よく」から来ています。「うまく。具合よく」のこと。和歌山【あてすっぽ】またもやあてずっぽうがでてきました。「いいかげんな推量で行う」こと。愛媛【いいぐわい】「良い具合」ですね。 福岡【ようら】「良く」+「ら」?【うーばんげ】「うーばんげんなか 」で「気が利かない」ことになるようです。長崎【うーばんげか】 こちらも「うーばん」げ。悪い方の「いいかげん」です。宮崎【てげてげ】 「大概」×2でしょうね。鹿児島【てげてげ】 また「大概」×2。【ざっぺらっ】 「大まか」で「いいかげん」なこと。「雑」ぺら? 沖縄 【テーゲー】 これも「大概」。宮古弁【メカンゾー】 「目勘定」でしょうか。 いいかげんは漢字だと「好い加減」になるようです。1の意味だと「適度」「ほどほど」2の意味だと「無責任」「中途半端」「かなり・相当」。1だと「よい」2だと「いい」になるようです。砕けた言い方になると悪い意味になるんでしょうか。なりゆきは漢字だと「成り行き」。「物事が移り変わってゆく様子や過程」。「~に任せる」「~次第」のように使いますね。たいがいは漢字だと「大概」。引用すると「(名・形動)(1)大略。概略。あらまし。(2)ほとんど。大部分。大半。(3)一般的であること。ありふれていること。ふつう。(4)ふつうでないこと。はなはだしいこと。(副)(1)物事のだいたいのようすを表す語。たいてい。だいたい。(2)すっかり。いいかげん。」つづく。