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カテゴリ:腹の立つこと
この前、ローマの老舗レストランが日本人からぼったくったのが話題になってました。二人分の会計約600ユーロにさらに100ユーロのチップを上乗せしたとか。ニュースの伝える店側の主張では生牡蠣やらイセエビやら高級なものをお食べになったわけだし、チップは了承を得ていただいたということだそうだ。また別のメディアでは店の言い分「ウェイターが勝手にチップを上乗せした」「5人分くらい注文した」とも。
店の格は上の中くらい。有名人も多く来たらしい。 もちろんレストランでの飲食の会計というのは飲んだワインによって大きく左右されるけど、この事件でのワインはたいしたものではなかったらしい。 実はこの二人の観光客の泊まったB&Bの経営者の日本人とイタリア人のカップルが、警察への被害届けを出すのを手伝ったそうなのだが、私は普段からなんとなくこの方のブログ(こちら)が好きで読んでいて、この事件はたまたまニュースになる前に知ったのだ。その後の日記には被害者ご本人もコメント欄に書き込みしている。 チップはサインしていない(クレジットカードでの支払い)そうだ。 この店がガイドブックには「良心的な値段」「予算50ユーロ」と紹介されているそうなのだ。ガイドブックが癒着してるのかも分からないので、実際の平均予算が気になるところだ。 この2人は、メニューは見ずに注文は店にお任せしたそうだ。この「おまかせ」の意味を店側が最大限に悪用して、大量の「高級食材」※を勝手に使いまくって押し付けている。 このお任せの成り行き、イタリアのニュースの伝え方だと、ウェイターが言葉巧みに「お任せください」とそういう方向に持って行ったらしい。逆に店の主張によると「それらの料理はメニューに載っており、お2人はすべて値段をチェックした後欲しいものを注文した」と。 私の推測では、「良心的な値段」とガイドブックに載っている老舗なばかりに信用して任せてしまったのではないかと。ここまで高級な海鮮料理にしたいという意向があったのかどうかは不明。 それにしても本当にメニューの値段に即した会計でここまで多額に?メニューにない物を持ってきて勝手な値段をつけたんじゃないかと思う。メニューにある料理だったのかそうでないのか、その辺の情報がどこにも載ってなくて不明だが。 ※たしかに海鮮なんて時価だし、「大きさ」「天然か養殖」「新鮮かそうでないか」で大きく変わるから値段なんてあってないようなもの。 しかし突然お任せといわれて「まってました」とばかりに用意していたものが最高級で、レア物で、新鮮だなんて、絶対ありえないし、大量に注文したという話も信じられない。 ご本人の書き込みによると、最初はどこにも訴えることは考えてなかったのが、宿の人に話したら、警察に行く運びになったとか。宿の人、許せなかったんでしょうね。お怒りの心情もブログから伺えました。 私も700ユーロも取られて泣き寝入りは考えられないと、一瞬思ったんだけど、結果としてこれに立ち向かうことはやはり困難を伴ったようだ。というのも警察に届けても受理されなくて、たらいまわしにされたり、その後2日間くらいつぶれたらしい。イタリア人と現地在住の日本人が付きそってもそんな難しいのだから、観光客だけだったらとても無理だったんじゃないだろうか。まあ在住ならたらいまわしと時間の遅さはは少なくとも慣れてはいるけど。 しかも依然同じ値段でカード会社に請求されているそうだ。 一番の得策はその場で「払わない」ってことか。 それにしても被害届けが受理されなくて警察署を3軒も周ったというからひどい。ニュースでは伝えられていないが、世に知らせるべき重大なポイントだと思う。警察は起訴が難しいと考えたのだろうか。お金のことだから財務警察Guardia di Finanzaに行ったほうが良かったのかも。イタリアにはこういうものがあって、詐欺とか脱税とかの金銭がらみの犯罪はこれが担当するのだ。 しかし事が大沙汰になってからも財務警察が出てくるどころか、起訴もされていない。しかも詐欺行為とは何の関係もない「衛生」上の理由で、日本で言う保健所(ASL)によって休店を命令されている。市長は「そんな店は絶対に閉めるべき」というコメントを出しているが、起訴は不可能と考えたうえでの計らいなのか。 ・・・この店の行為を犯罪だと訴えるのがそんなに難しいのか?イタリアの法律。 別の観点から言うと法律の網を潜り抜ける卑劣で悪徳なやりかたというべきか。 +++++ 夫の飲食店の立場として良識(というか常識)にもとづいた行動を見ていると: 初めての客に対してこっちから「メニューはお任せください」ということはない。 お任せされても、何を出すかは大体伝えておく。(常連客ならまあ「お楽しみ」で知らせないことも) お任せの場合、普通のメニューより値段が極端に跳ね上がるような高級食材は使わない。(特にそういう注文がない限り) 客がお任せするときは「fai tu」と言う(直訳「君がやりなさい」)。これは(常識の範囲で)メニューにないものでも何を持ってきてもいいよということ。自然とフルコースということになる。これを言われると客から多大に信頼されているというしるしなので店にとって非常に名誉なこと。初めてでお任せする人はめったにいないが、たまによほどいい噂を聞いたのか、頼まれることもある。 次はぼったくりへの対策について。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.07.18 18:10:13
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