65歳の実母を泣かせてしまいました。
今年1月ごろでしたか。65歳になる実母から長い手紙をもらった。 実母は、二人目の啓吾が生まれ、夏からちょこちょこ遊びに来ており、その際に気になったことを手紙にしたためたらしい。 つまり、手紙の内容は、私の育児に対するダメ出し、な、わけよ。 (1)子供に冷たい牛乳は飲ませてはいけない。(2)弁当は、子供の嫌いなものも入れなさい。(3)「何食べたい?」と子供に献立を聞くな。(4)子供は8時に寝かせなさい。(5)中学の三者面談まで、子供の意見を聞く必要はない。 ・・・ま、ね、一理あるのもあれば、なんじゃそりゃ、というのもある。 この手紙を受け取り、私はショックで貧血を起こし、涙が止まらず二日間寝込んだ。 寝こむなんて大げさな・・・と思われる方もいると思うが、事実、動けなかった。泣くさくらを横目に「ごめんね」としか言えなかった。 そして、震える手で実家に電話をかけ、「どう?読んでくれた?」と満足げな実母に対し、「二度とこんな手紙よこすんじゃねぇ!不愉快だ!!そして、こんな手紙を書いてよこすくらいなら、二度と家に来るな!!!」と言い放った。 あれから、3ヶ月。どうしてあたしはあんなに過敏に反応してしまったのだろうか、とずっと考えていた。 ・・・原因は、実母の過干渉である。 思い起こせば、実母の過干渉を避けるため、一人目の出産でも里帰りしなかった。 実母の前では、決して、弱音や愚痴を吐いてはいけない。吐けば恐ろしいことになる。 私は、いつも完璧でなければならず、学生の頃は、「良い成績」を示し、結婚してからは、「きれいな家」、「手を抜かない料理」で日頃の生活を整え、さらに日々の生活の中で「資格取得」などを行い、がんばっている証拠を見せなければならない。 もちろん、私もそんなきちんとした暮らしは面倒なので、母親の前でしか演じないが、 勉強が大嫌いなため、高校は進学校に入学できたが、大学には行かず就職した。 社会人になってからは、誰もがあきれるくらい遊び倒した。仕事には行くが、夜遊び・酒・男など、(ギャンブルと法に触れること以外)かなりやりこみ、堕人間として暮らした。 親と同居している時が、一番荒れていた。両親は「絶対に許さない」と言っていたが、実家を飛び出し、一人暮らしを始めてから、生活が落ち着き、結婚して、私の精神状態はすっかり静かなものとなった。 今思えば、反動が出たのかなぁ・・・である。 今回も、そんな過干渉に対する反動。アナフィラキシーショック。しかも、育児で悩んでいるさなかの、私の育児に対するダメ出し。実母の過干渉に対する、私の過敏なアレルギー反応。 そんな結論が出たので、実母に報告してみることにした。 「突然だけど、あの手紙に対してあたしがなんであんなに怒ったのか、分かったよ」 理由をとうとうと述べていると・・・ 「グス、ズズッ」 ・・・電話口で、泣き声が! な!泣いてる!? 泣かせてしまったのか、高齢の母親を!? 「大丈夫?」 すると実母が言った。 「あたしがどんな気持ちで手紙書いたと思ってるの!!」「あんたが親になったとき、同じことすると思うわ!」「ありがたいと思いなさいよ!!」 実母は、反省して泣いているのではなく、怒って、くやしくて、泣いているのだ。 あたしの言いたいこと、全然、伝わってない(涙) わたしが、「お互いが、気持ちよく暮らしていくために、ちゃんと遠慮しようよ。」「口の出しすぎに気をつけようよ。」「あたしのこと、もっと信用して大丈夫だから、ほっといてよ」と、言うと、 と、きたもんだ!! だーかーら!!(そうだけど!)そうじゃないって!! 相談してるわけじゃないんだから、余計な意見を押し付けるんじゃねぇ!! いつも、会う前は「これから実母と会うんだから、何言われても、気にするな」と自分に言い聞かせてから会っている。 しかし、手紙はそういった心の準備をしていなかった。実母からの手紙という時点で、心の準備をしてから読めばよかった。心の準備を怠った私にも非はある。(手紙攻撃は初めてだった。) 実母との戦いはこれからも続いていくだろう。 愚痴りたいときに聞いてくれる、疲れたときに癒してくれるのが、実母の良さと世間ではよく聞くのだが。 実家に帰って「いっぱいしゃべってストレス発散」なんてありえません。 昔、ダンナが職場異動により「プチうつ」になった時、ちょっと実母にぼやいたら、実母はダンナの両親に勝手に電話をかけ、「お宅の息子さん、大変なことになっていますよ」と報告し、驚いたダンナの両親は仕事中の私を自宅に呼び出し、「病状を主治医の口から直接聞きたい」とごね、「主治医は守秘義務があるから無理」という私が言うとダンナの両親は、「それなら本人から主治医に連絡を取り、本人の了承を得たという確認の後、こちらに連絡してもらうように手配しろ」とごね、私はそれまでのいきさつをダンナに説明し、ダンナから「ふざけんな!!」と怒られ、主治医からは「もう少しで直りますよ」という診断結果に一同ほっとし、 私はダンナからの信頼を一気に失い、実母にはそういった話を一切しないと心に誓ったのでした。 だから、実母の前では、一切、弱音、愚痴を吐いてはいけません(涙) いつか、実母の干渉がありがたかったと思う日がくるのかもしれませんが、まだ、正直、ありがたいとは思えません。 上手に付き合っていきたいです。 ←長くなりました。手紙は速攻破って捨てました。育児にストレスは禁物ですから。