後泊の宿は
レースの後に向かった宿は,全国的にも有名な秋田県は玉川温泉。田沢湖から4,50分で到着。まず本家本元のこちらで日帰り入浴し,宿泊予約している新玉川温泉に移動する作戦。10年以上前に上司と一度日帰りで入った私に対し,初体験のビア子。温泉二段を自認するのなら,ここは浴びておくべきお湯なのだ。塩酸を主成分とするpH1.05(日本で一番pHの数値が低い)の強酸性泉が毎分9,000リットル湧出する。単一の湧出口からの湧出量としては日本一を誇る。これが泉質としての特徴。様々な効能があるこのお湯。その中で,宿としては謳っていないが,昔から悪性腫瘍(がん)に効くことでかなり有名になっている。(今年2月、岩盤浴場で表層雪崩が発生,死者が出たことでもニュースになった。)何週間も長期滞在してじっくり静養する方も多く,実際今回も全国津々浦々の自動車ナンバーが見受けられた。大浴場は待合室を含め,かなりの混雑。木のぬくもりを感じ雰囲気のある浴場は,天井が高く歴史を感じさせる。源泉98度と高温のため,首だけを出す箱蒸し風呂や蒸気サウナも設置されている。打たせ湯や寝湯などいろいろ楽しめる。しかし注目すべきはお湯そのものなのだ。かけ湯して,空いている「源泉50%」と表記がある浴槽に入る。少しだけ湯の花が浮いているのがわかる。いい湯加減だと思っていると,ピリピリピリ・・・。 ・・・ん!?数日前に掻きむしったのか,ちょっとしたキズにお湯がしみる。同時にレースの際に短パンで擦れた内ももがヒリヒリし始めた!擦れないよう事前にケアしていたし,レース後には全く痛みもなかったのに。効くんだなぁ,くらいに構えていた私。今後は「源泉100%」へ。こちらはかなりの混雑。客同士の会話はなく,老齢者を中心に浴槽へ身を沈めている。隙間を見つけてそろっと入る。38~9度でかなりぬるい。しばらくすると顔が歪んでくる。ピリピリがビリビリとなってきたよ! イテ,イテ,イテテテ思わず声を出している私。昔入った時にはピリピリくらいで済んだはずだが,擦れている肌には刺激が強すぎる。恐るべし強酸性泉。肌に刺激が強すぎるからぬる目にしているのが後でわかった。一通りの浴槽を回り,かなり薄めて飲む酸っぱい飲泉を味わう。ビア子も同様にレースで擦れた数か所が痛んだようで,その湯のチカラに感心していた。2キロほど離れた新玉川温泉にチェックイン。200室を超える大箱ホテルのこちらは,観光バス,路線バスなどからバンバン客が下りてくる。不況とは言え,集まるところには集まるんだね~部屋に置いてある宿泊約款にはこの特殊な温泉に入る心得がビッシリ書かれている。ある意味危険なお湯についての注意書きである。例えば,温泉でよくやる肌をさする行為は刺激が強すぎるのでやってはいけない,浴場を出る際は必ずかけ湯して成分を洗い流すこと,などなど。いくつもの間違いに気づいた後,夕食前にこちらのお風呂にも足を運ぶ。お風呂の作りといい,泉質といい,玉川温泉とほぼ同じと言っていい。太い柱に湯屋の情緒を感じる。こちらでも遠慮なくイテテテ言わせていただいた。食事は夕食,朝食ともにビュッフェ方式。豪華とは言わないが,キノコや山菜など山の宿らしい料理が並ぶのはむしろ我々向き。生ビールの後は,秋田の地酒5種飲み比べセットへ。酒に合う肴と共に,純米から大吟醸までの各種をあれこれ言いながらも美味しく味わった。翌日チェックアウトするまでに5回温泉に沈んだが,浸かった際の内ももの痛みは徐々に増しているような。ミミズ腫れっぽく膨れてきたよ。治っているんじゃなくて,悪化してる?(笑)ま,これも旅の経験ってことで。この玉川温泉。その中で感じたのは,温泉という名の癒しを遥かに超越した,治癒を信じる悲壮感とも言える「本気」だったのかも知れない。※今回デジカメを忘れたので,興味のある方は宿HPをご覧下さい。========================【月曜】お休み【火曜】筋肉痛が残り,お休み