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破獄 吉村昭 1983年
「賊軍の昭和史」で半藤一利は、北海道は言わば隠れ家で、龍馬の実家も釧路に渡り、秩父事件の井上伝蔵も北見に隠れたと。屯田兵は長州の回し者で札幌や旭川など適地に駐屯し、民間が奥地をあてがわれ、森林伐採、開墾をしたと。北海道の軍人や官吏には屯田兵の家系が多いと。
「国道者」で佐藤健太郎は、国道333号は網走監獄のルーツで囚人による突貫工事によって開かれたそうだ。路肩には無縁仏が埋まっている、通ったら手を合わせたらと。「破獄」によれば、明治24年に囚人一千人以上がかりだされ、四か月で完工させるも、二百人弱が亡くなり、残りの人は病気となってしまい、ほぼ全滅であったと。
吉村昭の1971年の「逃亡」のモデルとなった人物と北海道史家との共著「雪の墓標」では、昭和19年、死刑判決を受けた兵が霞ケ浦航空隊の営倉から脱走し、北海道軍事用鉱物採掘現場などのタコ部屋に潜伏し、厳冬下の過酷な労働環境に、監禁監視・逃亡虐待に加担するようになったことが明かされていた。戦後、贖罪に努め、亡骸への慰霊がなされていた。
1971年の「総員起し」に収録されていた「海の棺」では、海軍将校が溺れる兵に刀を振るって生き延びた暴挙、怒る北海道漁民が描かれていた。1977年の「羆嵐」では、北海道開拓民の過酷な自然との格闘が描かれていた。
「破獄」は、青森、秋田、網走、札幌、東京などが舞台となるが、極寒が覆いかぶさるような展開であった。「破獄」が1983年に発表されるまでに発表されていた吉村昭の小説を凝縮したかのような各種の時代の要素が描かれていると思えた。
対峙した人々の死闘と最後に訪れる安寧が描かれていたが、そこには戦前戦中の窒息と息継ぎに喘いだ日本人の姿が、籠められているようにも思えた。
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Last updated
Feb 4, 2016 01:25:45 PM
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