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(ある梅雨の記憶・その2)
土砂降りの雨の中で、私が相合い傘を差し出した女子高生は、満員のバスの中で、何を思ったのか・・
こっちは、体を離そうとしたのに、向こうから体をくっつけて来たのだった。
熱い車内で香るはずの無い麝香の香り・・
ああ?
こ、この娘は、オレに気があるのかしらん!!??
しかし、ちらと、女子高生の顔を見ると、申し訳なさそう。
こういう時って、あまり、相手の顔をまともに見ることが出来ない私。
しかし、ふと気づくと、女子高生が元々立っていた位置あたりには、すげえスケベそうなデブで白い肌のオッサンが立っているではないか。
(夏だから、薄着でみっともないのなんのって・・)
人を外見で判断してはいけないが、まず最初の判断基準は外見であることは否めない。
満員電車でも、前から言っている通り、白ブタのオッサンにくっつくよりも、色白のOLさんにくっつかれた方が幸せな私。
この法則は、そのときの女子高生にも当てはまったわけであろう。
ましてや、梅雨時のじめじめした暑い車内(当時バスに冷房はなかった)
彼女だって、何で、わざわざ、きたないオッサンに好んで近づこうか。
まあ、すくなくとも、あのオッサンなら、まだ、私の方がくっつくならましというわけだったようである。(ちなみにあくまでも推測です)
そして、こっちもお互い様。
もし立場が逆で、あんなオッサンにくっつかれるより、女の子に寄り添われた方が気分はいい。
あえて、これが、逆の立場だったら、まあ、こちらから女の子に近づくことはしない。
泣く泣く女性にくっつかないように努力するだろう。
(ちなみに、今現在では、私の立場は、避けられたオッサン側のポジションに変わってしまったわけであるけど)
と、気分のよさを味わう間もなく、次のバス停で、どっと人が降りた。
ああ、ここに行くために、みんな乗っていたのね。てな感じ。
バスの混み方は、普通に空間が出来るくらいになり、自然と彼女と私の差は広がった。
しかし、何となく女子高生は、こちらの方をちらちらと気にしているようではある。
こんな時、若くて照れ屋だった時代の私は、やはり、視線を合わせるのを避けていた。
そんなうちに、バスは私の降りる停留所に到着した。
彼女は、まだ乗っている。
おりる瞬間に、女子高生の私に何か言いたげな視線を感じながら、後ろ髪を引くいきおいで、バスは走り去って行った。
一瞬、そんな気配を感じながら、家路に急いだのである。
まあ、こんなこともあるというわけで、あの場で、傘をさしだしてよかったのか、なんだか、自分でもちょっと恥ずかしかったかなと思ったものである。
しかし、些細な出来事ではある。
私の頭の中からは、そんな相合い傘の親切の記憶は、あっという間に消え去り、二度と思い出すことは無かったのである。
ある出来事が起きるまでは・・・・
(つづく)
※このあと、彼女と再会することは、予想されるでしょうが、それが・・
次回、未成年お断り・・