混沌と灼熱の大地インドで私が見たものは!!??
ワシのインド紀行・その5
休日,インドの片田舎町ジャムシェドプールでの仕事を終え,明日はカルカッタに戻ろうという時,現地の企業代表が,観光に誘ってくれた。
「野生の象を見に行かないか?」
「象??」
いや,象は,もういやというほど動物園で見てきたが,そういえば、
野生の象は見たことが無い!!
アフリカとかに出張に行けば,もう野生の宝庫だから,いろいろ見る機会があるだろう。
実際、私の会社で,アフリカのサバンナに出張というのは何度もあった。私は無いけど。
「イエス!サンキュー!!アイルゴー」
ということで,二つ返事で,彼の誘いに乗った私であった。
で、しばらくすると,彼が運転手を従えて,ジープに乗ってきたのだ。
後ろの荷台に人が4人くらい乗れるやつだ。
しかし,インドの道は,日本のように舗装されていない!!
舗装らしい舗装をしているところもあるが,ましてや田舎町では,言うまでもなく,ガタゴト道である。
ひぇえーーー、これに乗っていくのか・・
しかも、ゲストハウスの近くに野生の象が出るスポットは,まず思い当たらなかった。
「これで,どのくらい時間がかかるの?」
英語で,ハウメニータイムウイハウ゛トゥジエレファントスポットバイジスカー?である。
「ツリー・アワーズ」
「はあ??」
「ツリー」
スリーということである。
3時間!!!
ぎょええーー!!!
この車で,それもでこぼこ道を荷台に乗って3時間かよ!!
しかし,向こうは,そんなことは気にも止めてないし,どちらかというと休日返上で,我々を接待してくれるわけなのである。
ここで,断るというのは野暮なもの・・
「オッケー、グッド!!」
と,心にも無い賛辞を述べて,ジープに乗り込む。
車が走り出すと,見慣れたジャムシェドプールの町の風景が,だんだんと寂しいものに変わっていく。
ブロオオーーーオオーー!!
ガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンーーーーーーー!!
ケツがいたい。
同行の士が,うとうとし始めて,荷台座席から転がり落ちる。
それでも、インド人は笑いながら,どんどんでこぼこ道路を突き抜けていく。
そして,どんどん道は悪くなっていく。
ガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンガタンゴトンガタゴトガタゴトガタンガタンーーーーーーー!!
そんなうちに、でかい河が見えてきた。
ジープは,その橋を渡り,
「休憩しよう」
と,代表の提案。
車を降りて,ケツをさする。
降りて立ってた方が,楽である。
辺りを見回すと,実はすごい人だかりである。
300人くらいの人たち。
大人,男、女,子供・・
カルカッタのような乞食の集団ではない。
現地人の集落という感じであるが,川縁には家らしい家は見えない。
木と木の間に板を差し渡したり,板ならましな方で木を組み合わせた上に葉っぱの屋根を乗っけたりしている,小屋とも呼べないような代物にみんな住んでいるようである。
子供は,かわいい顔をして寄ってくる。
かわいいねえ,とばかりに,こっちは記念写真を撮る。
代表は,しっしっと,寄ってくる子供を追っ払う。
確かに,相手をするときりがなくなるのである。
運転手が,ポットから紅茶を出してくれた。
暑いのに,熱い紅茶なのである。
まあ,インドでアイスティーを望むのが間違っているのであるが。
それでも水分の補給にはなるので,飲む。
あめえーーー!!
インドはすごく辛いものとすごく甘いものと極端である。
「さあ,いこう!」
代表が立ち上がる。
「もう半分だ!!!」
ぐわあああぁぁぁーーーー!!!!!
まだ,半分しか来てないのかよ!!!
果たして,象にあえるのか!!??
(つづくーーーっ!!!)