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2005年09月10日
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カテゴリ:記憶の宝箱


メインの仕事を終え、インドの田舎町、ジャムシェドプールを後にして、
          
          
再び、舞台はカルカッタへ・・
          
          
          
          
ワシのインド紀行・その9
          
カルカッタ追撃篇1

          
          
          
          
列車は寝台車。

一等車である。

これも、向こうの代表らがとってくれた。

一等車だと、つまり長旅を寝転がって行ける。

2段ベッドが二つ並んだみたいな個室である。

時々、チャイの販売サービスがある。

チャイと言うと、何かおしゃれなミルクティーと思うだろうが、結局は牛乳で紅茶を煮立て、砂糖をたっぷり入れた甘ーい飲み物。

そんなおしゃれなもんじゃないのである、本場のチャイは。

それでも、サービスが来ると、安いしうれしいから頼んでしまう。

いつかの洗濯屋と同じで、頼んでやると彼らも助かるわけであるから。

まあ、チップみたいなもんだ。

一等車は、なんとシャワーがトイレについている。

しかし、いわば、木造の掘建て小屋の便所みたいなところに、シャワーがなぜかついているという感じ。

こんなところで、裸になって、シャワー浴びるやつがいるのだろうか?

・・と、思ってしまう。


二等車だと、ちょうど、昔の日本の田舎の特急みたいな座席で、ある程度ふかふかしている。

三等車もある。

三等車は、木の椅子である。

ごつごつして、長旅にはつらい。

しかし、一番混んでいる。

みんな三等車しか使わない。



ジャムシェドプールから、4時間乗ると、インド第3の都市カルカッタに到着する。

駅は、大きく、暗い。

まあ、日本みたいに煌々と照明が明るい駅も、少ないのではあるが。

列車は、田舎の風景からいつの間にか、町っぽい景色になり、駅が近づくと、貨物列車が車窓に見えてくる。

では、とばかりに、そろそろ、荷物をがちゃがちゃと降ろして、床に並べる。

一行では持ちきれないほど荷物があるのだが、まあ、駅には迎えが来ているはずだし、昔の東京駅にあったようなポーター、「赤帽」みたいなのが、たくさんいるから、ひとつ何キロあろうが、10円で、運んでくれる。

しかし、そういう荷物をたくさん持った景気のいい客を見つける為に、彼らは命をかけて、一等車に飛び込んで来るのだ。

命をかけて・・

そう・・・


駅についてから、ホームの上で、客を見つけるのでは遅いのだ。

駅に列車が着いてから、車内に飛び込んで、客を捜す・・・


いや・・・


実は、それでも遅いのである。



駅のホームに車両が入り込んできてから、列車に飛び乗って、車内で客を捜す!



いやいや・・


それでも、遅いのである。

それじゃあ、客はつかめない。



な、なんと・・



列車が、カルカッタの駅につく前に、もっと手前から、ポーターたちは列車に飛び乗って来るのである。



ポーターだからって、別にホテルのポーターみたいな格好をしているわけではない。

そこら辺の乞食に毛が生えた程度の、ごく普通の格好をしたおっさん達が、個室のドアを開けて、



「荷物はありますか!!?ひとつ1ルピー!」

と、声をかけてくる。


おいおい、こいつら、まだ駅についてないのに、どこから、わいてきたんだあ!!??

じゃ、これとこれと、これね・・・

指示して、大きなジュラルミンのケースを持たせてやる。


「さんきゅー!」

上客だ!と大喜びで、荷物を持とうとする彼らに、意外な出来事が待っている。

「??????

!?!?!?

!!!!!!ーーーっ!!」



重いのである。

実は、私たちの荷物は非常に重い!!


普通の旅行者のスーツケースだと思ったら大間違いなのである。

(あまり重いときには、よく飛行機に乗る場合、エクセスと言って荷物重量超過料金をとられるのだが、最高20万円位払うこともある。しかし、そういう場合は、負けろ、と言って、けんかすれば、大体値切れる)


へへへ・・


にやりとするポーター。

「重いだろ」

こっちもにやりとしてやる。

「大丈夫!」


さて、ポーターに重い荷物を持たせ、カルカッタの長いホームを歩いて、改札口を出て、最初に日本から着いたときに、案内してくれた現地人が迎えにきていた。

「いやあ、ひさしぶり!!」

「ジャムシェドプールはどうだった?」

「うまくいったよ、ありがとう」


とか、片言の英語で会話する。

しかし、我々は、ずーっとポーターから目を離さない。

ちょっとした荷物だったら、パッと持ち逃げ・・なんてことも十分あり得るのだ。

しかし、さすがに、重量級のケースである。

そんなことは、出来るはずもない。

もちろん、ポーターどもが、全部が全部そういうインチキ野郎というわけではない。

でも、インドでは「人を見たら、泥棒と思え」を地で行く世界なんである。

ま、ポーターさん、そういう悪い人ではなかった。よかった、よかった。

ん?

ポーターさん、荷物をクルマに積んで、何やら現地語で、迎えの連中と話し始めた。

迎えの人間は、クビを横に振り(つまり肯定の意味)、5ルピーをポーターに渡した。

「もう、渡したよ、料金は」

あわてて迎えに説明した私。

迎えの男は、にっこりとして、

「いやね、あんまり重いから、もう少しチップをくれないかというんで、確かに、これは重いからね」

というわけで、結構、現地人同士なら、甘いんだな、という気もした。

しかし、それは間違いだということに、後日気づくんであるが・・


さて、

「今日は夜も遅いし疲れただろ。ホテルでゆっくり休んでくれ。明日は、カルカッタを案内してやるよ」


迎えの男が運転しながら、脇見して、我々に話しかけてきた。

おいおい、前を見て運転してくれよ。

とはいえ、彼は、脇見しながら、クラクションを鳴らすことは忘れていなかったのである。

(^_^;



さて、明日は、カルカッタの町の観光である。



(つづく)





仕事、してるのかよーーー!!!?








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Last updated  2005年09月10日 19時18分00秒
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