ぜんちゃんの風に吹かれた日々

昨日夕方突然カツジくんからＭ町で久しぶりに集まろうと電話が入った。
ミキオちゃんにも連絡済み都合いいのでどうかなと云った。
いつも彼らは突然に連絡を寄こしては怒涛のように段取りを組む。
「ねえ…どうだい？何か用事ある？」
別に予定はなかったが少し部屋でのんびりしたい気持ちがあった。
「じゃ、後で迎えにいくから」
ちょっと待ってよ。Ｍ町からどう帰ってくればいいわけ？
「おれんちに泊まれば良いよ。じゃ！後で」
昨日の夜はキリキリに冷え込んだ。
何にもこんなに寒い夜に集まらなくてもいいのにと迎えに来たカツジくんにボクはぼやいた。
Ｋ町はここ数年にない５０センチを超える積雪があった。
除雪機で除けられた雪の固まりがガジガジに凍っていた。

再会に先ずは乾杯。遅れてきたミキオちゃんはおもむろに云った。
「今年はいい年にしような！」
それぞれ置かれている状況が違っていてもそんなに思ったほどに物事は上手くはいかないものだ。
「絶対にいい年になるって…」
ボクは半分自分に言い聞かせるように云った。

彼らとは高校時代からの友だちで実に不思議なバランスを保ち続けている。
会わないときは２年も会わなかったりする。
しかし突然連絡を寄こして怒涛のように段取りは組まれ「まあ一先ず乾杯」という按排になるのだ。
余計な詮索など一切ないし、大体おバカな話しをしているが真面目な話題や相談事は真剣だ。
お互いに本気で言い合いするがある一定の距離だけは保っているのだ。
酸いも甘いも体験してきた彼らときっとこれからも妙なバランスを保ちながら続いてゆくに違いない。
ただ彼らが老後に備えて海外に移住する計画を立てている。
そのヴィジョンは明らかに自分のヴィジョンと異なるのだ。
あと何年こんな関係を保てるのか分からないが国内ならともかく海外では少し寂しい気がする。

ボクら三人の共通点に食のこだわりがある。
ボクとカツジくんは第一に魚。
ミキオちゃんはとにかく肉。
しかし昨日、ミキオちゃんは今までで脱帽した魚の話しをした。
それは土佐で食べた「カツオのたたき」らしい。
何かのテレビの番組で見たことがある。
カツオの皮の部分だけをあぶるのだ。そして熱いまま食するのだ。
ミキオちゃんはこの世で一番美味しいのは「豚肉のしょうが焼き」で毎日食べたいと興奮しながら語りだした。
そりゃボクだって「豚肉のしょうが焼き」は好きだよ。
しかし毎日はキツイな。
で、この世で一番好きなものって何だろうと考えてみる。
毎日食べてもいいもの…。
「てんぷらうどん」もしくは「天ざる」待てよ、大事な好物を忘れているようだ。
あっ、オムレツだ！オムレツなら毎日食べてもいいな。

アップルパイにコーラというミキオちゃん。
ボクは絶対に「じゃがりこ」にコーラだ。
そして「かりんとう」に牛乳。もしくは温かい牛乳に森永ソフトキャラメル。

しかしまたどうでもいい食べ物の話しになっちまった。
続きはまた明日にするか…。