「朝の読書」の普及のために(1)
<「朝の読書」の普及のために(2010)>報告者:Twist1.テーマ<「朝の読書」を普及させるために>2.テーマ設定の理由 読書は、学生たちの思考を深め、学力を伸ばすと同時に心を育てる上でとても重要な活動である。また、学生たちの学力向上と心を育てる問題は、教員たちの永遠の課題でもある。 昨今の教育の現場においても「朝の読書運動」が普及していく中で、数多くの成果の声があがっている。(全国での実施校は2010年現在で、23,000校を超える) そこで、私は「朝の読書」を実施して来た様々な学校の実践例を分析し、自身が6年間行って来た読書指導ととともに先攻研究と照らし合わせながら、今後、民族学校で「朝の読書」と読書環境づくりを整えるための問題を研究することにした。3.研究目的 1、「朝の読書」の導入によって提起される問題点、2、日本語授業でのサポート、3、図書室運営の効果的な方法について考察する。4.仮説 「朝の読書」を正常化させるためには、日本語(※作注)教員だけが動くのではなく、学校全体の協力のもとで「朝の読書」がなされなければならない。また、日本語授業でのサポートとしての読書指導、図書室を正常運営するなど、読書環境づくりに取り組むことが、学生たちの著しい成長へとつながるだろう。5.研究期間と対象 2004~2010年度 中学1、2、3年生6-1 序論 研究論文「読書指導の経験と、学習との関連性について(2006年)」では、2004年度以降の自身の読書指導の具体例を挙げながら、教員による読書奨励というかたちが、生徒たちの自発的な読書活動へと結びついたときに、少なからぬ効果をもたらし、生徒たちの学力向上にも結びつくと論じ、その経験について叙述した。 課題としては、教員の読書指導に対する共通理解から「年間読書計画」を作成・実施し、日本語教育での位置づけを強める上での研究を進める必要性を挙げ、さらに教員自身が、読書することの重要性を指摘した。一方、民族教育の現場では、日本語教員数の不足や、一人が多科目の授業を受け持つことによって、少なくない教員が授業研究のための読書時間を十分に確保できていないという問題があった。 そこで私は、中級部の日本語授業と教員の資質向上をサポートする、中級部日本語教員のためのブックリストを作成した(「中級部日本語教員のための推薦図書目録の作成(2008年)」)。 ところが、1、「年間読書計画」の作成・実施、2、教員自身の読書実行という課題は、いまだ根本的に解消されておらず、各学校によっても実状は様々である。※作注、このレポートは民族学校においての現状をもとに作られたものです。日本の方が読まれる場合は、「日本語」=「(日本学校における)国語」と読みかえて下さい。