記憶力に関わるミネラル
■■■■■■■■■■■■■■■■■「記憶力に関わる新しいミネラル」■■■■■■■■■■■■■■■■■こんにちは!!『最善の健康』をお届けします。気温が上がったり下がったり過ごしにくい日々ですが、皆さん体調には十分に気をつけて下さいね!年末年始に向かい、受験生は追い込みの時期だと思います。勉強にはスタミナも必要ですし、脳への栄養ケアも必須です。脳というとDHAやビタミンB群、レシチンのイメージがあると思いますが、今日は学習能力にとってもう一つ欠かせない栄養素を紹介します。亜鉛が脳細胞の間の情報伝達に重要な役割をもち、記憶の形成に関与しているということを米国のデューク大学メディカルセンターの生物神経学部の学部長James O. McNamara MD氏らが突き止め、Neuron誌9月号に掲載されています。亜鉛は約300の酵素反応に携わり、身体の隅々にまで大きな影響力をもっていながらも日本人に欠乏が目立つミネラルです。亜鉛不足はインスリンホルモン合成の低下、肌荒れ、抜け毛、味覚障害、成長障害、精子の生産能力の低下うつ傾向等々多方面に影響を及ぼしますが、最新の研究によって学習力や記憶力にも悪影響があることがわかりました。亜鉛は脳細胞に存在していて、情報伝達に関与し、伝達効率を高める働きがあることが発見されたのです。亜鉛の最高濃度は、学習と記憶を司る脳領域の海馬の神経細胞でみられ「今回の発見は、長年の論争に終止符をうつ」とJames O. McNamara MD氏はコメントし「我々は、亜鉛が海馬の2つの重要な神経細胞群の間の情報伝達効率の制御に重要な役割をもつことを明らかにしました」と発言しています。50年以上前に脳の神経細胞の小胞と呼ばれる部分に高濃度の亜鉛が存在していることが発見されましたが、亜鉛の役割については長年議論の的となっていました。シナプスの伝達効率の変化は、記憶や学習に重要な役割を持つと考えられていて伝達効率が高い状態で維持されることを「長期増強」と呼びます。今回の研究では、神経細胞の亜鉛が長期増強に必要であることを発見しました。研究チームは、素早く選択的に亜鉛と結合する新しい化合物を作り、これを使用することで情報伝達の強化を止めました。ネズミの神経細胞の小胞から亜鉛を取り除いて研究を行った結果、情報伝達の強化が阻まれることを確認しました。「亜鉛のサプリメントは一般に市販されており、うつを含む幾つかの脳障害の予防と治療にために役立つと考えられていますが、これらのサプリメントが脳内の亜鉛の量を修正するか、神経細胞間の情報伝達効率を向上させるかどうかは分かっていません。望ましい亜鉛濃度と亜鉛の経口摂取の作用はまだ明らかではない」とJames O. McNamara MD氏はコメントしています。とくに亜鉛は男の子の思春期の発達に欠かせない栄養素であり、不足することで性器の発達が未発達になってしまう等の成長障害を引き起こします。亜鉛はケラチンの合成に必要不可欠であるため毛髪の健康にも欠かせないミネラルですが、欠乏すると爪に白い斑点が見られるようになります。牡蠣は亜鉛を断トツに含んでいます。今の時期、牡蠣は旬ですので積極的に食べるようにしましょう☆ポテトチップスやカップ麺に含まれるポリリン酸やパンなどの穀類の成分フィチン酸が亜鉛を体外に排泄してしまうため、洋食中心でこれらを多く摂取している十代に多く見られます。勉強を頑張るためには本人の机に向かう努力+脳に栄養を十分に与える食事を用意するお母さんの協力が成績の大きな決定打になると思います。進学塾に話を聞いていると、生徒の間食はお菓子が中心で、ファーストフードやコンビニの揚げ物を食べて来る生徒も多いらしく、それでは飽和脂肪酸過多で脳細胞の神経伝達が逆に低下してしまいます。全国のお母さんには食事が成績に与える影響を認識した上で成績について叱って欲しいなぁと個人的に思う日々です。亜鉛は近年日本人に不足が心配されていて、とくに糖尿病患者や透析患者は亜鉛欠乏からくる味覚障害等が大きな問題であり、糖尿病患者の認知能力の低下にも亜鉛欠乏が関わっている可能性が大きいことを今回の研究は示唆しています。記憶力や学習能力は21世紀「才能」ではなく「作るもの」ですね(^-^)vby momo