前回につづいて、今回は整音に使うピッカーについて。
ピッカーがどういう工具なのかは以前紹介したので、こちら↓をご覧いただくとして、
http://plaza.rakuten.co.jp/jppiano/diary/200509260001/
今回は3種類のピッカーを購入した。
まず、最初はこの小型のピッカー。僕の仲間内ではアウスグライヒ・ナーデル(Ausgleichnadel)と呼んでいる。仕上げ用のピッカーである。アップライトピアノの場合、仕上げはアクションをピアノに取り付けた状態で行うので、このような小型のものが必要になる。
今までも小型ピッカーは持っていたが、ひとつはハンマー下側に入りにくく、もうひとつは板状のもので、下側には入り込めるが1本針のみで、多く針を入れたい時には手間がかかった。
この小型ピッカーは写真のように柄と先の部分を急な角度で折り曲げることができる。これにより、ハンマー下側に難なく針入れをすることができるのだ。
つづいて、普通の大きさのピッカーだが、普通は先端に針を3本差し込むようになっているが、これは5本挿しである。僕はノイズ除去のための頂点付近の浅針と、グランドピアノのシフト踏み込み時の音作りに使うつもりで購入した。しかし、ためしに硬いハンマーに深く針を入れるたが、意外に針を入れやすい。
感覚的には普通の3本挿しのピッカーと針の入りやすさはあまり変わりない。
だから普通の感覚で挿していくと、思っているより針が効いてしまう。
次高音のノイズ除去で頂点付近の肩の凝りをやわらげるのに結構有効な気がした。
これは、柄の形などは上の写真とほぼ同じものだが、針の並び方が二列になっている。
もちろんできるだけ少ないストローク回数で多く針を入れるのが目的ではあるが、これも普通のピッカーと比べて針が入りにくいのでは、と思っていた。
ところが、むしろ打点が平面状に並ぶことによりインパクトの瞬間ピッカーがぶれにくくなっている気がした。とても安定感がある。針もすっと奥まで入る。
針の効き具合は5本挿しほど即効ではなく、やんわりしている。
このように、試してみた感想を書いたがまだ使いだしたばかりで、確かなことは言えない。これから使っているうちにいろいろわかってくることもあると思う。でも、総じて良い買い物が出来たのではないかと思った。