ずっと記事を書いていて、頭がもうろうとしてきましたが、がんばってもう少し書きます。
コンスタンチン・リフシッツ ピアノリサイタル
バッハ フーガの技法 全曲
3月15日 紀尾井ホール
フーガの技法全曲という、なかなかないプログラムをやってくれたリフシッツ。
2010年12月にもゴールドベルグ変奏曲のリサイタルがあり、非常に楽しみにしていたのですが、やむを得ない事情で行けませんでした。
それだけに今回のフーガの技法はとても聴きたかった演奏会でした。
リフシッツは作品への敬意に満ちた、深々とした演奏を聞かせてくれました。
本当に全編にわたって、期待にたがわず、内面に深く沈潜していくバッハを聞かせてくれました。
B-A-C-Hの主題が出てきてほどなく中断する、最後の未完のフーガ。大バッハ絶筆の瞬間のこの中断も、音楽がぼつっと切れるのではなく、深い余韻をたたえた終わり方でした。そのあとの、コラール「われら悩みの極みにありて」BWV608aの曲も、僕はとても好きなのですが、この一音一音を慈しみ、大切に弾くリフシッツの音楽に、大きな感銘を受けました。
リフシッツのバッハ、すばらしい。