きらクラ!のBGM選手権で僕の投稿が放送されました!
2月15日のお題は、岡本太郎のお母さんであるという、岡本かの子の「愛よ愛」でした。
お題は、NHK-FM きらクラ!ホームページの「お題はこちら」に載っています。
http://www4.nhk.or.jp/kira/48/
僕の投稿は以下のとおりです。
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真理さんふかわさんこんにちは。BGM選手権、岡本かの子「愛よ愛」に応募します。歌人・小説家としての才能にあふれ、愛に生きた人生、という岡本かの子の生きざまから、すぐにグスタフ・マーラーの妻アルマ・マーラー=ウェルフェルを連想しました。アルマは、豊かな作曲の才能を持ちつつも夫マーラーから作曲を禁じられ、マーラーの他さまざまな芸術家と愛を結び、「わが愛の遍歴」なる本を残しました。そこで、かの子が夫との生き方を静かに回想する、さまざまな想いにあふれたこの文章のBGMには、アルマとの愛の葛藤から生まれたマーラー晩年の、交響曲第10番をあてはめてみました。クックによる補筆完成全曲版で第五楽章の途中をお願いします。(第五楽章が始まって2分と少し、第30小節からのソロ・フルートの少し前から音楽開始し、フルートが入ってほどなく朗読開始でお願いします。)
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かの子→アルマとの連想から、最初はアルマの作曲した歌曲の中から探したのですが、あう曲がなくて、それではマーラーで選ぼう、と思いました。若いときのアルマとマーラーの愛の始まりなら第五交響曲ですけど、年を経てからの回想、それも複雑な思いが錯綜したものですから、これは10番だと。
話はそれますが、10番といえばバルシャイは、自分で編曲したバルシャイ版を録音してますね。そのCD(バルシャイ指揮、ユンゲ・ドイチェ・フィル)は、5番と10番がカップリングされています。世の中の10番のCDで、5番とカップリングされているCDは、僕の知る限り他にありません。これ、すごいカップリングだと思います。アルマとの愛の出会い、アルマとの愛の葛藤とゆるし、ふたつのアルマ交響曲と言ってよい5番と10番を組み合わせたのは、バルシャイの慧眼です。
10番に話をもどして、最終楽章のフルートのくだりは、かなり以前NHK-FMの放送で、吉松隆さんが「マーラーの書いたもっとも美しい音楽のひとつ」と仰っていました。まったく同感です。フルートとそれに続く弦楽の部分は、3番をすぎ、6番を越え、9番を成したマーラーがたどり着いた、「マーラーの書いたもっとも美しい音楽」、と思っています。この音楽を使うというのは、畏れ多いような、ためらいがありましたが、ええい!と投稿してしまいました。マーラーファンの中には「ここを使うとはけしからん」とお思いの方も少なからずいらっしゃるかと思いますが、ご容赦をお願いできればと思います。
岡本夫妻の愛の営み。
マーラー夫妻の愛の営み。
よその人にはうかがいしれない、複雑な深みに思いを巡らします。
a performing version of the draft for the Tenth Symphony
prepared by Deryck Cooke