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じゃくの音楽日記帳

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2020.04.16
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カテゴリ:きらクラ!
3月15日のきらクラは、滑り込み企画第2弾、日本人作曲家祭りでした。

☆最初に読まれたお便りは、前回の行進曲祭りに寄せて、北海道の小学校の先生(岬めぐりさん)からでした。真理さんの好きな曲で流れたシベリウスの組曲「カレリア」の第3曲は自分も大好き。自分のカレリアのイメージは、大雪原に春の日差しが降り注ぎ、雪どけ水が集まってだんだん川になっていく。中盤金管が入ってくるところでは、木々が芽吹きだし、これもだんだん勢いがついてくる。大自然が目を覚ましみんな生きていることを実感する、そんな感じ。北海道は全国に先駆けて臨時休校にはいったのでもうずっと子供たちに会えず、学校ってなんだろう、自分は何をしているのだろうと思う毎日が続くが、カレリアに励まされたような、背中を押されたような、次の出会いに向かってまた歩き出そうよと言われたような気がして思わず涙があふれた。

○日本人作曲家祭りの皮切りで読まれたお便りは、サンディギタリストことこやましんいちさん、自分にとっての一番の日本人作曲家は芥川也寸志さん。NHKの「音楽の広場」で黒柳徹子さんと司会をしていた。1986年、20代だった自分は仙台のギターサークルに所属していた。サークルの友人は第9を歌う県民の会合唱団にも所属し、当時芥川さんが音楽総監督だった仙台フィル(当時は宮城フィル)の第9の演奏会への参加を誘われた。参加は叶わなかったが観客席から芥川さんの指揮姿を見た。毎年第9を聴くたびに、あの優しい笑顔を思いだす。「絃楽のための三楽章“トリプティーク”」から第3楽章がかかりました。

☆きらクラDON。正解は、星野哲郎作詞、山本直純作曲、「男はつらいよ」主題歌でした。ニアピンの大親分として折に触れて登場してきた曲ですね。
○おりもとすなおさん、多くの日本人にとっては心のクラシック。60歳の還暦記念に最初で最後の投書をする。思い返せば6~7年前、ふと耳にしたバラエティ番組の時とは一味違う落ち着いた話しぶりのふかわさんと、温かく優しい語り口の真理さんとの息の合った掛け合いに引き込まれ、それからほぼ毎週聴いてきた。あまりにも居心地・聴き心地のいい番組だったので、いつまでも終わらないものと勝手に思い込んでいた。どんなものも永遠に続くものはないのだと残念に思うが、これまで一緒に時間を過ごしていただき幸せだった。
○ちーちゃんさん、4月から小学4年になる娘が学校の金管バンドクラブに入る。音楽を続けるコツは?と尋ねられた真理さん、「毎日ちょっとずつ楽器に触れるということですかね。いやにならないように。」
○くろさん、齢50にしてたまたま流れていたきらクラのBGM選手権に耳を奪われクラシックの面白さに初めて気づかされて5年。自分にとって画期的な番組。学校時代にこんな音楽の授業があったら良かった。
○きのした忠臣蔵さん、昨年まで高校教師だった。在職中は通勤の車の中で再放送を聴き運転しながらDONの正解を叫んだりしていた。今回初めてDONに回答する。
○下町のティンパニストさん、わたくし生まれは山国、育ちは東京葛飾柴又の隣町。不思議な縁を持ちましてこの地に根を下ろして早数十年。地元のアマオケで打楽器を担当している。子供たちがおなかにいるときも太鼓をたたき続け、練習・本番で通っているホールの裏の産婦人科で出産した。練習では子供をおぶってティンパニを叩いたこともあった。今では子供たちも大きくなり一緒に練習に連れて行くことはなくなったが、生まれも育ちも東京葛飾に誇りを持っている。私もこの地に育ててもらっている。きらクラが終わってしまうのは寂しいが寅さんのように何度でもひょっこり帰ってくれると信じている。 これを聞いたふかわさんが「子供をおぶってティンパニ」の語呂にはまってしまいました。真理さんも、楽器弾くおかあさんはみんなやっている。自分もおんぶして弾いてみたが、子どもが楽器のネックが気になるようで触ってしまい、揺れて全然弾けなかった。(ネックがネック。)
○博多の寅さん、クラシック音楽と寅さんの関係性がないように思われるかもしれないが、第41作「男はつらいよ寅二郎心の旅路」において、寅さんはオーストリアウィーンを訪ねていた、と。

ふかわさん、「みなさんあの一瞬で(寅さんが)浮かぶわけですよね~。やはりあの曲がいかに皆の心にあり、偉大な存在かということです。」

☆さて、ニアピンの代名詞のような寅さんに、ニアピンがありました、しかも三つ!!ふかわさん、さんざんこれまでニアピンとして登場してきた男はつらいよのニアピンはどういうものなのか。ニアピンとして登場したそれぞれの曲自体は多分似てない。なのに良く登場するという、非常に気になるニアピン賞。

○1本目、小石川のほとりでさん。あえてニアピン狙い。池辺慎一郎作曲、独眼竜正宗。大河ドラマは名だたる邦人作曲家の力作が多い。隣で妻が、寅さんで送ればいいのにひねくれ者ね、と捨てゼリフを残してリビングを去った。→最初の音を伸ばす感じが似ていて、ふかわさんも「伸ばすところですーっと心をもっていかれるんでしょうか。伸ばす勇気というか、曲を作る人のセンスとかが反映されるんでしょうね。」 小石川のほとりでさんは、僕のあやふやな記憶ですが、以前200回記念放送のときにフィンジのエクローグをリクエストする素敵なお便りが読まれた方のような気がします。違っていたら申し訳ありません。このリクエストのことは​「きらクラ!祝い:200回!」​の記事に書きました。

○2本目、傾きメモリアルさん。ニアピンの王道に対してはニアピンでお答えするところに仁義を感じる。ニアピン祭りになるかもしれないが投稿する。古関裕而作曲、NHK「昼のいこい」のテーマ曲。昭和の後半に生を受け、平成・令和と生きてきた世代にとって、両曲とも良く煮えたおでんの大根のように心に沁みわたる味わい深いメロディ。→この曲も、始まりの長く伸ばすところがさらに絶妙でした。ふかわさんは、あ~~、なんか、もってかれました~!と感嘆の声をあげ、アンコール要求。真理さんも「ここですよね~!」と、お二人がかなり盛り上がりました。

○3本目、エルママさん。佐藤勝作曲、映画「幸せの黄色いハンカチ」から、「はためく黄色いハンカチ」。昨日、感動のラストシーンをテレビで見ていたら、はためくハンカチをみつめる高倉健のまっすぐな瞳のバックにこれが流れた。調べたら佐藤優作曲とある。山田洋次監督はこのDの音がお好き?→この3本目のニアピンは始まりの音の高さがお題と同じDで、かつその音の伸ばしがふわーーっとものすごく長くて、ふわかさんと真理さんは、もう感嘆と笑いの入り交ざった声をあげて絶賛状態。ふかわさん興奮しながら、「あの、あれ、トムとジェリーが崖を通過したときに、落下するまでの時間。滞空時間を感ずる。」と言って、ふたたびアンコール。ふかわさん「どちらも名曲。やっぱり監督の意向ってあるのかね。いや~。これだけで気持ちが持っていかれるわけですから。」真理さん「あると思います。もったいぶって、落とそうかみたいなね、一音のもつ力は大きい。」

○ここで、今日も快調さんのお便りが読まれました。まさかの出題に仰天した。仰天の寅、ではなくふーてんの寅さんが出てくるアレですね。実は2014年10月、オッフェンバックの天国と地獄の序曲のニアピンにこの曲を投稿して、ニアピン狙いはクラシック以外の曲でもいいのだという先鞭をつけたのは、昨年8月に亡くなった私の妻でした。そのときツィッターなどでは大激震が走った模様。我々は6年間でしたけれど、この番組のおかげでとても充実した日々を送れたことを心から感謝したいと思う。

・・・ブロ友の今日も快調さんご夫妻は、それぞれが独立してきらクラに熱心に投稿され、硬・軟両方向にわたりまばゆいばかりにご活躍されていました。なかでも寅さんをニアピンにデビューさせたことは、快調家族さんの偉大な功績のひとつで、以前ブログ記事​「いっぱいの感謝をこめて」​にも書かせていただきました。ニアピンには比較的冷たいふかわさんもこのときは絶賛し、「ステッカーをさしあげます」と仰っていました!

番組が間もなく幕を閉じようというこのときに、今やニアピン大親分となった寅さんがDONのお題として登場し、それに沢山の熱い回答と3本の傑作ニアピンが寄せられたわけです。きっと快調家族さんも上からにこにこと見ていらしたことと思います。

○きらクラDON今回の当選者は、たらこの騎士団さん。毎朝お弁当作りながら聴き続けてもう何年。冬の寒い朝も夏のうだるような暑い日も、まだ家族が起きてこない台所で一人過ごす時間はラジオだけが友だった。お弁当は小学校から始まり、その息子ももう大学生。大学受験では一度目は桜は咲かず、二度目の今年は荒れて、精神的にまいったことも。結局第一志望ではないが、息子は春から新しい学校生活をスタートさせる。巣立つ息子のスーツケースにあの噂のご自愛ステッカーを貼って送り出したいと密かに思っている。人生いつも正解ばかりじゃない。息子はこれから沢山もっといろいろな経験をするでしょう。遠く離れた大学生活ではお弁当に思いを込めてあげることはできないが、代わりに思いをスーツケースにこめて送り出したい。

☆ここから次々に日本人作曲家のお便りが読まれていきました。
○ヴァイオリン弾きのリポーターさん:伊福部昭。自分の住んでいる北海道十勝の音更町(おとふけちょう)は、伊福部昭先生が育った町。ここに2017年秋、音更町伊福部昭記念ジュニアオーケストラが設立された。初心者の小中学生が頑張り、ついに昨年1月、SF交響ファンタジー第一番を抜粋で演奏することができた。一生懸命演奏する子供たちに胸が熱くなった。いつか所属するアマオケで演奏したい。

○ラブアゲインさん:菅野光亮。ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」。映画「砂の器」で親子二人が放浪するシーンでの使われた方が印象的だった。家の庭いじりをしながらきらクラを聴いて日曜午後の時間を過ごすのがここ1年日課だった。ふかわさん、「このドラマは何ヴァージョンかあるかもしれない。映像と音楽とでずーっと長時間魅せるところがある。(この音楽は)かなりウェイト大きいですよ、この作品にとって。」

○ゴジラさん:林光。その昔職場の先輩に誘われ、林先生の曲を演奏する音楽サークルに入った。モーツァルトの魔笛の和訳やオペラ、交響曲を作っている。子供向けの可愛らしい曲も多く、演奏していてとても楽しかった。一度共演もさせていただきとても感激した。偶然にも昨年このときのメンバーと同じ職場となり、25年ぶりにミニコンサートを開催することができた。次はまた25年後ね、と別れた。本当に実現するとは思えないが、音楽がいつも私たちをつないでくれると信じている。オペラ「森は生きている」から、「森は生きている。」をリクエストする。(林光さんは1937年生2012年没、主な作品にヴィォラ協奏曲「悲歌」、オペラ「吾輩は猫である」があるそうです。)

○チャイコ持ちさん:黛敏郎さんの文楽。初めて聴いたのは、宮田大君のリサイタルだった。チェロ一本でこれほどの世界観を生み出せるのかと興奮した。日本初のチェロ曲として鳥の歌のようになればいいな。いつか真理さんのチェロで聴きたい。真理さん、1960年代の作曲だが、80年代90年代の海外のコンクールでも良く演奏されて今や世界的な曲。子供の頃は日曜日の朝、独特なマイクの持ち方が印象的だった。(「題名のない音楽会」ですね。僕はほとんど見ませんでした。)

○あちゃミュージックさん:伊藤康秀、「あんこまパン」。声楽を勉強している高校生で、ソルフェージュを習っている先生が、変拍子の曲でも怖がらずに楽しんでやってほしいという思いを込めて1年間の授業の最後の教材として選んでくれた。その先生の先生伊藤康秀さん。コミカルな歌詞と短調なのに何故か明るく感じるリズミカルな曲をとても気に入っている。(以前2018年3月11日にリスナーさんからのリクエストで第Ⅰ楽章がかかったそうです。)

○すだひでたかさん:外山雄三作曲「管弦楽のためのラプソディ」。20年ほど前、所属していたアマオケで演奏した。クライマックスである八木節へとなだれこむ口火を切る拍子木のソロがある。打楽器奏者が何人もいたにもかかわらず、なぜかトロンボーン吹きの自分が拍子木を叩くことになった。演奏会前日のステージリハーサルで、練習の時と同じ様に椅子に座ったまま叩いたところ、すぐ前に座っていたファゴット奏者から「音が耳に突き刺さる」とのクレームがあり、指揮者のアイデァで立って演奏することになった。そして本番、フルートの奏でる信濃追分が終わると僕はおもむろに立ち上がり、雛壇の最上段の中央で仁王立ちしてこのソロを演奏した。今でもこの曲を聴くと雛壇最上段から見渡したステージや客席の様子が目に浮かぶ。

○午後のおっちゃんさん:同曲。国連でも演奏されたこの曲は外せない。賑やかな部分よりも、中間部の静かな追分節のところが好き。そこに独特の情緒を感じ、勝手に外山節だと思っている。たとえば吉田拓郎さんの曲にやはり独特な雰囲気を感じるのと似ている。若い頃反核平和コンサートで合唱団員として外山さんの指揮で歌ったことがあり、その精密なタクトも忘れられない。岩城宏之指揮、N響の演奏で全曲がかかりました。真理さん、「日本人の血が騒ぐ。」

外山雄三作曲「管弦楽のためのラプソディ」は、僕は以前BGM選手権に投稿しました。そのときに、ここの拍子木のあと八木節が始まる直前に、「ハッ!」という掛け声が入いる演奏と入らない演奏があることを発見しました。そのあたりのことはこちらの記事​「きらクラBGM選手権:泉京太郎と外山雄三と伊福部昭」​に書きました。

○バスキーさん:冨田勲。映画音楽を作曲者自身がクラシックの演奏会用の曲にアレンジすることがある。まだシンセサイザーを操る前の冨田勲がテレビアニメ用に作曲した曲をアレンジした、子どものための交響詩「ジャングル大帝」が一押し。ふかわさん、「番組では月の光をかけた。あそこに冨田さんの世界観がぎゅっとつまっていた。1970年代頃からシンセサイザー。私の兄の部屋にも謎の機械があって、なんでこれは白い鍵盤をおしても音が鳴らないんだろう、と気になっていた。ゲームをやっているとき、知らず知らずのうちにそこに腰を下ろしていた。カバーがかぶせてあってわからなくて。馬鹿野郎!みたいに兄から怒られた。

○ものくさ太郎さん:尾高久忠作曲、フルート協奏曲の第二楽章。陰鬱な冬を思わせる曲想で始まり、春の足音が聞こえて来る。やさしく温かい春の光に満たされたと思ったそのとき、突然春の嵐。あぁ気分が落ち込むなとへこんでいると、再び春の足音が。と季節の移り変わりを感じさせる。東洋的で少し神秘的なところがいかにも邦人作曲家らしい一曲のように感じる。温かい春の到来が待ち遠しいこの季節に是非ラジオで聴いてみたい。(尾高さんの母方祖父が渋澤栄一さんだそうです。)

○団塊おやじさん:同曲。最初で最後のリクエスト。もう何十年も昔のことで番組名も出演者名もすっかり忘れてしまったが、きらクラの何代も先輩の番組で放送されたのが耳に残っている。いままで西洋の曲ばかり聴いていたのが恥ずかしくなったというコメントがあったと記憶している。第二楽章のゆったりとした調べが郷愁を誘う。 真理さん、同じ尾高さんのチェロ協奏曲があり、弾いたときにフルート協奏曲と似たパッセージ、と思いながら聴いた。

○らららんヴィオラさん:日本人作曲家と言えば、湯浅譲二さんを外せない。武満徹と同世代で親交があり、ほとんど独学というのも武満徹と同じ。長くアメリカで活躍されていて、オーケストラの繊細かつ豊穣な響きとエネルギーのうねりが素晴らしい。どの曲も魅力的で選ぶのに迷うが、初演を聴いたメシアンから高く評価された「芭蕉の情景」から第3曲をお願いしたい。松尾芭蕉の「名月や 門(かど)に指し来る 潮頭(しおがしら)」という俳句をタイトルとした作品。

湯浅譲二さんの音楽は大好きです。放送の後でWikipediaを見てみたら、福島県に育ち、芸術愛好家だった父の影響で幼時より音楽に親しみ、上京し、慶應大学医学部に入学。当時は外科医志望であり作曲は趣味とするつもりだったが東京で日本の現代音楽の状況を知るうちに「このぐらいなら自分でもできる」と思うようになり、医学部教養課程を中退して作曲の道に進む。ですって!「このぐらいなら」というのが凄いですね。

○薩摩はやとちり:湯山昭作曲。薩摩正作詞、歌曲「電話」。以前からきらクラで紹介したいと思っていたがリクエストを先延ばしにしてしまっていた。ニュースなどで後ろ向きな言葉に触れてこころがすさむ今日この頃だが、自分はそんなとき面白い曲を聴くことで険しい空気から解き放たれる。この曲が皆さまに笑える瞬間を与えてくれることをお祈りする。娘の湯山玲子さんが以前ゲストで登場しました。(湯山昭さんは1932年神奈川県平塚市に生まれた。高浜虚子を父に持つ作曲家・音楽教育家の池内友次郎に師事。「雨降りクマの子」に代表される多数の子供の歌があり広く愛唱されているそうです。) ○リッチねこさん:平尾貴四男。自分で実際に演奏した曲で一番良かったと思うのが、平尾貴四男の管楽五重奏曲。わずか46年の生涯。この曲は昭和25年の作曲で、日本的なメロディとフランスで学んだ楽器法が生かされたとても魅力的な作品。この方の弟子に冨田勲がいる。 日本人の和が感じられるものから、西洋音楽と並んでも違和感ないのもある。幅広い。

○友人オーランディさん:吉松隆。以前リクエストして美しく散ってしまった邦人作品がある。吉松隆の交響曲第2番「地球(テラ)にて」から第3楽章「雅歌(ガカ)・・・南からの」。打楽器大活躍のアフリカンの曲。それまで現代の邦人作品というと不気味な不協和音にすっきりしない終わり方をするものばかりだと思いこんでいたが、これを聴いた瞬間目から鱗、とコンタクトレンズが落ちた。第3楽章が全部流れました。ふかわさん、「2013年11月に番組にいらしてくれた。BGM選手権に、いつもにもまして緊張感が漂って、何を選ぶかなぁみたいな。よしまつりだみたいに、私もはしゃいでいた。」

☆BGM選手権 梶井基次郎の「檸檬」の一節。これは2014年2月に出題されましたが、BGM選手権史上唯一べストBGMが出なかったのでした。番組が終わる前にもう一度、ただし日本人作曲家の縛りで、という出題でした 4枠採用。

○ピアノの上の眠り猫さん、橋本國彦作曲、「三枚絵」から「夜曲」。ピアノのひんやりした音楽がレモンを握った感覚に通ずるようで素敵でした。ふかわさん「足並みがそろっている。」真理さん「テンポ感がね。」
○となしちさん、吉松隆作曲、ファゴット協奏曲「一角獣回路」から第2楽章「ヴィンタ―バイアス」。宙に漂うファゴットの浮遊感が素晴らしいです。ふかわさん大いに感じ入り、「深夜ふとラジオをつけてこれが流れて来たらやばいね、これ。やばいという言葉しか浮かばなくて申し訳ないですけれど。やばいよこれは。吉松先生にも聴いていただきたい」。
○ぽっちゃりまんぼさん、武満徹作曲、「水の曲」。無機質で実験的な音楽の中に入れたらと。水の滴る音を電気的に表現した音楽でした。ふかわさん「いやいやいや、これもう眠れなくなる、逆に。異次元の世界に誘われる。もってかれました。大変なことが起きております」。
○糠に釘いれたら味まろやかさん、保科洋作曲、「風紋」。吹奏楽の、風の広がりを感じるスケールの大きな音楽でした。ふかわさん、「これはこれで、別の世界観が。世の中の目まぐるしく変わる移り変わりと対照的な心情というか。社会とのコントラストみたいな。動きが世の中のような。面白い。」

もう全員ベストでいいのではとお二人で言いながらも、断腸の思いで決めたベストは、真理さんの推す(武満作品?)とふかわさんとで意見が分かれたようでしたが、吉松隆のファゴット協奏曲でした。 日本人作曲家に絞ったことが功を奏したんじゃないか。 真理さん「あとやっぱりふかわさんの朗読が、今とまた全然違います。」ふかわさん「暗いヤツだねぇ、あの人。陰鬱なやろうですね。良くあんな奴と毎週毎週ラジオ番組できましたね、そこが凄いですよ。」と真理さんを讃えていました(^^)。

☆突然にヨハン・シュトラウス二世の「春の声」が流れて、次回番組の発表がありました。きらクラ滑り込み企画第3弾、BGM選手権祭り。全176回のBGM選手権の中からもう一度聴きたいと思う作品を大募集。それから久々のカルミナ・ブラーナ選手権も行うと発表がありました。そして以前の作品として、「新郎新婦入場」が流されました。2017年の作品でした。これ強烈に覚えています、衝撃の傑作でした(^^)。

○ここで清瀬保二作曲、「日本祭礼舞曲」から第1楽章が流されました。この曲には何の説明もありませんでした。真理さんとふかわさんの選んだ曲の直前でしたし、「祭り」の音楽でしたから、もしかしたらこだまっちさんのかけたい邦人作曲家作品だったのかもしれません(根拠は全くありません)。

○真理さんの選んだ曲、藤倉大作曲、「Dolphins(version for 2 cellos)」 もともとはヴィオラ2本のための曲だったのを、真理さんがリサイタルにあたって2本のチェロのために書いて欲しいと藤倉さんにお願いして、藤倉さんに書いてもらったそうです。多分8-9年くらい前にリサイタルで弾いたものを、そのままLive Recordingとして、藤倉さんがCDの中に入れてくださった、ということです。ふかわさん、檸檬にも合う、と。

○ふかわさんの選んだ曲、武満徹・作詞作曲、「小さな空」。ふかわさん、申し上げることは何もないが、ただひとつ言うとすれば、この曲を聴くと、日本人として生まれてきて良かったなぁとさえ感じる。

○弥生太郎さん、ジャパコン祭り、私はこの日が来るのをずっと待ち焦がれていた。67歳になるが、実は50年以上にわたってジャパコンファン。好きな作曲家も作品も数え上げたらきりがないくらい。その中から1曲一番好きなのを選べと言うのはショパン大好き人間に好きなショパンの曲を1曲だけ選べと言うようなものでかなりつらいものがある。自分も好きで人に薦めてすぐに共感してもらえ、しかもおそらくこの番組に一度も出ていない曲はなんだろうかと考え続けた。その結果是非番組で流してもらいたい曲、團伊玖磨さんの、交響組曲「シルクロード」、第1楽章「綺想」。シンフォニスト團伊玖磨の面目躍如たる音楽でした。

○カバゴリラさん:平吉毅州(ひらよし たけくに)。良く○○ロスなどと言う言葉を聴くたびに、まさか好きな番組が終わる位で大袈裟だと半分馬鹿にしていた私だが、きらクラ終了と知ったあの日から心にぽっかりと穴が開いたよう。ああこれがロスというものなのねと実感している。平吉毅州を紹介する。「踏まれた猫の逆襲」や「赤い月と小人の踊り」など、可愛らしいピアノ小品が沢山あり、どれをとっても素敵な作品ばかり。なんといっても一番有名なのは、合唱「気球に乗ってどこまでも」。小学生のときに学校の音楽会で学年合唱のピアノ伴奏に選ばれ、初めてこの曲を弾いたとき、なんと素敵な曲と感動したのを覚えている。前奏のシンコペーションや通奏低音のお洒落な和音やリズムの連続に、こんなかっこいい曲あるんだなと弾きながら嬉しさが止まりませんでした。残念ながら平吉先生は亡くなってしまったが、この曲はずっとずっと大好きな曲。

○ブリキよりト短調、楓よりイ長調さんより、滝廉太郎作曲「花」のリクエストがありました。この歌は、組歌「四季」の中の1曲なのだそうです。千住明の編曲による神谷百子さんによるマリンバソロの演奏がかかりました。先週に引き続き、絶妙なクールダウンの音楽が、心に優しく深く染み入りました。

○ふかわさん、「檸檬がすっきりした。すっきりレモン、飲み物なのかグミ状なのか、新発売。逆に、前回どんなラインナップだったんだろうか、個人的にとても気になる。多分、私の蟲の居所という説もある。」 真理さん、「あの朗読を聞くと、もしかしてふかわさん落ち込んでいた時なのかな。」 ふかわさん「基本ああいう精神状態ですけど。やっぱり日本の言葉、日本人が朗読し、日本人の作曲したものがフィットした、結集した。」

もしもいずれどこかで特設きらクラレストランが開かれたら、「きらクラ丼」、「中トロ丼」、「すっきりレモン ジャパコンしぼり」は必須メニューですね。

☆最後のラジネコール、14名中8名が番組終了関連ラジネでした。それをピックアップしておきます。ノー、だめ、終わっちゃだめさん、きらクラに出会えて幸せでしたさん、きらクラ終わりおっとーつらいよさん、きらクラ三昧希望しますさん、きらクラ感謝さん、きらクラインのつぼさん、きらクラ復活祈念協会会長さん、きらクラが心の癒しでしたさん。





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Last updated  2020.04.16 00:52:39
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