きらクラ!BGM選手権、今度のお題は中島敦の「文字禍」でした。
お題は番組ホームページの「お題はこちら」に載っています。
中島敦といえば、以前「山月記」がお題となりましたね。
このときに放送された曲のなかで、個人的に鮮烈な印象で残っているのが、
レブエルタスのセンセマヤでした。
さて「文字禍」は、調べたところ、古代アッシリアを舞台にした物語です。文字霊の有無の調査を命じられた老博士が、ゲシュタルト崩壊の体験によって文字霊の存在を悟り、さらなる調査によって文字霊の人間への悪影響を明らかにしていき、最後には悲劇で幕を閉じる、という強烈なお話でした。今回もまた素晴らしいBGMの数々が登場しました!
今回も、前回と同様に一つ増枠で4枠の採用でした。
1枠目は、ばけがくやさんの、ハチャトゥリヤンの「少年時代の画集」から「エチュード」は、ピアノの短い音の規則的な連なりと文章とに、驚くべき抽象的な調和の美しさがありました!2枠目は、らいぞうさんの、芥川也寸志の「チェロとオーケストラのためのコンチェルト・オスティナート」で、謎めいた不気味さがひたひたとせまる音楽で、今後の悲劇的な展開が暗示されて、背筋がぞわぞわしました。3枠目、じゃっくあまのさんの、メシアンの歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」から第3幕 第7景 「聖痕」は、文字霊の存在を悟ったところの音楽の宗教的神秘的な世界への切り替わりが鮮やかでした。ここまででもうすでに、信じがたいほどのいハイレベルな戦いです。そして4枠目は、にじに夢中さんの、ショパンのワルツ イ短調 作品34-2。やや翳りを帯びた有名なメロディが、一転してピアノのなシンプルな音色で流れました。にじ(二児?二時?)に夢中さんのコメント、「文字霊がダンスを踊っているような」という感性が僕にとってはとても新鮮でした。真理さんも「意表をつくような」、と仰っていました。
ふかわさんももうまったくベストを選べなくなってしまい、こだまっちさんに判断をゆだねました!僕の知る限りではこんなこと初めでです。その結果こだまっちさんの選択で、4枠目のショパンがベストとなりました。いやぁなんともすごい戦いでした。
さらにその先にも、もうひとつのおまけがありました。BGM選手権の終わったすぐあとに番組で流れたのが、カゼッラ作曲の、「“コンチェルト・ロマーノ”から 第1楽章」 という曲でした。これ、なかなか不気味な雰囲気の曲で、お題の文章に相当ぴったりあう音楽でした。これ、「こだまっちセレクション」に違いないと思います。
これまでにも時々、BGM選手権の終わったすぐあとに、お題の文章ととてもあう音楽が流れることが時々ありました。たとえば宮沢賢治のセロ弾きゴーシェのときのサンサーンスか誰かのチェロ協奏曲。それからクリスマスキャロルのあとのラターの合唱曲。これらの絶妙な選曲は、こだまっちさんが、ご自分の選曲をひそかに流しているのであろうことは間違いありません。それを個人的に「こだまっちセレクション」と勝手に呼んで、それを聴くのも楽しみの一つとしています。同じように思っている方は多いと思います。
いやぁ堪能しました。僕は今回のお題に、ラヴェルの曲を投稿した(ラヴェル祭りとは何の関係もありません)のですが、あっけなく沈没でした。
いつものように自分の投稿した曲を書きたいのですが、積み重なった仕事と、いよいよ締切が迫ったラヴェル祭りの投稿準備(汗)に忙殺されていますので、今回はこれでひとまずやめておきます。