BGM選手権、今回の出題は、スティーブンソン作「積木の町」でした。お題は、番組ホームページの「お題はこちら」に載っています。以前、スティーブンソンの「僕の国」のお題がありました。男の子の秘密基地についての話でしたね。今度のは、積木で、宮殿やら船やらと町を作るというお話です。
7月19日の放送(出題の回)では、番組前半のメンバー紹介のコーナーで、シューマンの子供の情景のメンバーが紹介されました。そして、番組後半にこのお題が出題されたわけです。この流れから、シューマンの音楽が自然に思い浮かんだ方は多いのではないでしょうか。この出題は、そのようなサブリミナル誘導効果(?)を計算してのこだまっちさんの罠なのでしょうか。たとえ罠だとしても、こんな素敵な罠ならば、進んではまっても良いような気もしました。
そこでシューマンの「子供の情景」の他の曲や、「子供のためのアルバム」の曲をいろいろ聴いて、なかなか良いものもありました。しかしこの際ですから、お題の文章に合わせて何か「積木らしさ」を感じる音楽が良いかなと思い、シューマン以外をあてることにしました。
それで投稿したのは、金管アンサンブルの曲でした。フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの演奏した、ルネサンス時代のドイツの作曲家ミハエル・プレトリウスの、「金管のためのテルプシコーレ舞曲集」(ピーター・リーヴ編)から、第6曲「ブーレ」です。金管アンサンブルと太鼓による古風な音楽が、まるでおとぎ話のおもちゃの町の中にいるかのような雰囲気を出してくれます。
僕の持っているのは、「ピアノとフォルテのソナタ/P・J・B・E・ルネサンス名演集」というCDです。CDのジャケットです。
動画サイトではこのCDの演奏は聴けませんが、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの他のテイク(ライブ録音)が聴けます。
https://www.youtube.com/watch?v=0845X3oXLLk&list=PLDrz-902HHb-EAUwPLBF5MR3GRF7U8_Ox
です。これの12分36秒からが、僕の投稿した曲です。トランペットを吹き始めるのが、若かりしフィリップ・ジョーンズです。この動画の演奏は、CDの演奏よりもテンポがやや速めなので、音楽が始まったらすぐ朗読開始すると、「もう飽いちやつた、もう止さう。」のところで曲調がちょっと変わって、よい感じです。よろしければ聴いてみてください。
今回も、ひとつ多く4枠の採用でした。どれも、なんとも素晴らしいBGMでした。僕の投稿は見事にボツになりました。
しかし、しかし。
BGM選手権の終わった直後に静かにかかりはじめた音楽に、僕は釘づけになりました。マーラーの5番からアダージェット。しかも、あとにわかったことには、嬉しいことにバーンスタイン&ウィーンフィルの演奏でした。
この番組でマーラーの音楽がひとつの楽章まるごと放送されたのは、僕の知る限り、きらクラドン!で同じこの5番のアダージェットがかかった時以来、2回目でしょうか。
ゆっくりとしたテンポによるバーンスタインのマーラー5番アダージェットは、本当に美しく、魂が洗われるような感動のひとときで、傷ついた僕の心は、救われ、癒されました。
さらにダメ押しのように、その後にかかり始めた「勝手に名付け親」のお題が、スクリャービンのピアノ協奏曲第二楽章ではありませんか!スクリャービン初期の、ショパンの影響の濃い、ロマン色たっぷりの、僕の非常に好きな曲です。マーラーと、スクリャービン、このふたつの美しい音楽に、癒しのエネルギーをたっぷりもらえて、元気になった僕でした。ありがとうございます。