きらクラ!夏休みのゆるゆるペースに油断していたら、なんともう番組が2回終わってしまいました!昔、学校の2学期が始まって、速いペースに気持ちと体が、なかなかついていかなかったときのようです。今更ながら前々回(8月30日放送)のきらクラ!の感想を書いておきます。
きらクラドン!の正解曲、幻想交響曲ですごいお便りがありました。大学オケでこの曲を演奏したときに、教会の鐘のような納得のいく響きを出すために、工学部の学生と協力して自分たちで手作りの鐘を作ったということでした! 研究を重ねた結果、直径20cm、長さ1.5メートルの筒状の鐘を作ったということです。普通のチューブラーベルよりもかなり太いですね。素晴らしいこだわりです。この音聴いてみたかったです。幻想の鐘は音程が二つあるので、長さの違う2本の鐘を作ったのだと思われます。その後このベルは、その大学オケが大事に所有して、今でも幻想や、音程があえば他の曲でも使用しているのでしょうか。それともどなたかが記念に家の中に吊り下げて保存し、ベルリオーズの命日に叩いているのでしょうか、そして家族から迷惑がられているのでしょうか、などといろいろ想像を膨らませて楽しくなりました。
以前テレビで、「名曲探偵アマデウス」で幻想をとりあげたときに、なかなか気合の入った鐘の映像を見た記憶がありましたので、今回久しぶりにその録画を見直しました。コバケン&日フィルの演奏会の映像で、教会の鐘楼にあるのと同じような、いわゆる普通の鐘の形をした鐘が、ステージ上に二つ鎮座していて、かなりの存在感があります。それも結構大きくて、ダース・ベイダーのヘルメットを一回りか二回り大きくしたぐらいの大きさでした。それがちゃんと上から吊り下げられていて、それを奏者がハンマー(多分木製)で鐘を外側からコーン、コーンと叩いていました。
さらに、もう記憶が定かでないのですが、いつかテレビの映像で、やはり同じような巨大な鐘を吊り下げて、しかも教会の鐘楼の鐘がひもを引っ張られて振り子のように大きく揺れて鳴るのと同じように、何かの方法で大きく揺らせて、鳴らせていたのを見たような記憶がおぼろげにあります。しかしこれはもしかしたら、先ほどのコバケン日フィルの映像の記憶が時間の経過とともに僕の頭の中で妄想的に肥大してしまったのかもしれません。だってこの方法だと鐘を内側からなんらかの物質で叩いて鳴らすことになり、それだと音を発するタイミングの調整がかなり難しいでしょうから。
いずれにせよこういう本物のような鐘を鳴らした音で、幻想とか、それからマーラーの復活とか、聴いてみたいと思います。
脱線しますがマーラーの復活の鐘でこれまでに僕が聴いたベストの音色は、2007年にインバルがフィルハーモニア管を振って東京芸術劇場でマーラー選集をやったときです。このときは、たった1週間のうちに10番アダージョ、1番、2番、5番、9番などを1回ずつ演奏するという「暴挙」で、その演奏は、全体に荒く雑で、あまり感心しなかったのですが、2番の鐘だけは素晴らしかったです。チューブラーベルで、色は珍しく濃い茶色で、太さは遠目にはよくわかりませんでしたが特別にすごく太いということはなかったです。そして長さが、すごく長かったのです。すごく高い雛壇の上にベルと奏者が乗って、ベルの下端は雛壇の手前にぶら下げて、ずっと下まで長く垂れさがっていました。この鐘の音色は、教会の鐘楼の鐘の音を彷彿させる、深く暖かい音色で、これには感動しました。これフィルハーモニア管の所有する鐘なのだろうと思います。その後このオケが再び来日して別の指揮者(だれか忘れましたが)と復活をやったときに、またあの長い鐘の音が聴ける!と楽しみにして行ったら、このときのベルを使わず、短い(というか普通の長さの)チューブラーベルだったので、がっかりしたこともありました。
いつか復活で、教会の鐘楼のような巨大な鐘がガラ~ンゴロ~ンと響き渡る演奏を聴いてみたいと、夢みています。
鐘で熱くなってしまいました。えーっと、きらクラの記事でした。
続く中トロコーナーでは、お寿司屋さんのカウンターに座ってひたすら中トロを頼むという想像にふかわさんの異常な興奮ぶりが面白かったですね。「ふかわずし」は「こだまずし」には語感上とてもかなわない、とも嘆いていらっしゃいました。もし「ふかがわずし」だったら江戸前のおいしいイメージがわいたのに、ふかわさん残念でした。いずれ中トロ祭りが行われるかもしれないとのことでした。そこでもしスクリャービンがかかれば、「ビントロ」になります。
あたまはどーれの正解曲は、チャイコフスキーの1812年でした。この曲のユニークな楽しい演奏に接したことがあります。2011年12月の、スウィングル・シンガーズによるアカペラのコンサートです。このブログに以前書いたので、そこから抜き出しておきます。元記事は、こちらです。
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プログラム後半にはチャイコフスキーの1812年をやりました。アカペラでこういう曲をやるというのは「超絶技巧を示すため」みたいな感じがして、あまり進んで聴きたいとは思わないで聴いていましたが、面白かったのは、大砲のところです。オケでやるときは、大砲の打ち鳴らしたときの「ドーン」という発射音になりますよね。それが、この人たちは、発射音ではなくて、発射された大砲の玉が、近くに迫ってきて着弾する「ヒューーーーードーン!」という擬音を出すんです、これが繰り返されるので、聞いていて思わず笑ってしまいました。
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そしてBGM選手権。山村暮鳥の「蚊」にマーラ―の交響曲第4番、プロコフィエフのスキタイ組曲、ファリャの「恋は魔術師」、そしてショパンのノクターン嬰ハ短調、遺作。ベストはレニーシカさんのマーラーでした。見事です。
鐘やら大砲やらのあと、最後は、夏の終わりのこだまっちセレクトで、コントラバスのゲーリー・カーによる「故郷の人々」でした。しみじみとした味わいで、迫る秋をひしひしと感じたひとときでした。