4月24日のキラクラは、静岡県の、気分はいつもト長調さん(お名前を良く耳にする方です)から、熊本の方々への応援のメッセージと音楽(元気が出る音楽として、ショスタコーヴィチのジャズ組曲第2番からの1曲)で始まりました。熊本の町が教えてくれた「できないことがあるのは仕方ないけれど、できることは懸命にやりなさい」が、一番大切にしている座右の銘だということでした。ふかわさんもそれを受けて、全国に音楽を届ける仕事をしていて、基本的には自分に与えられた仕事をまっとうする、その奥に、聴いている方のいろいろな気持ち・状況を想像しながら発信している、とお話されていました。
きらクラDONの正解曲は、ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」から「狩人の合唱」でした。
今回も様々なお便りが紹介されました。小学校の時ヴァイオリンの発表会で好きなフレーズを思わず繰り返してしまった方、「魔弾のいて」と読んでいた方(星座は「しゃしゅ座」ではなくて「いて座」なので、無理もないです。魔弾が当たってイテッ!?)、12年前の新潟県中越地震で被災したときこの曲に励まされたというアマチュアホルン吹きの方、47年前のクラス対抗の合唱コンクールで男子クラスとしてみんなで頑張った、本番当日、校庭をうろついていたおとなしい秋田犬をつかまえてステージに上がったという方、などなど。(犬のくだりは、ふかわさんと真理さんは意味が良くわからなかったようです。狩りの歌なので猟犬をイメージしての演出だったと思われます。犬も歩けば合唱コンにあたる。しかし舞台上で吠えなくて良かった。)
来たる5月8日母の日の放送は、ソプラノの林美智子さんがゲストとして登場されるというアナウンスがありました。林さんは二児の母でもあり、真理さんの最初の産休のときに、ピンチヒッターとして一度登場されているということです。僕はこの放送は聴いてなかったですが、真理さんが仰るには、ふかわさんが林さんに求婚していた(^^)ということです。
ベルトミューという作曲家の、フルートとハープのための「五つのニュアンス」が紹介されました。素敵な曲で、ふかわさんがかなりやられていました。
先週のひょっこりクラシックつながりで、サティのジムノペディが、1963年のルイマル監督の映画「鬼火」でも使われていたというお便りがありました。続いて今週のひょっこりクラシックは、メリル・ストリープのファンの方から、映画「めぐり合う時間たち」で使われていた曲を、曲名はわからないがかけてほしいというお便りで、リヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」から「眠りにつくとき」がかかりました。BGMとして流れたのではなくて、映画の中で家の中のラジオから流れたということでした。
メンバー紹介は、カバレフスキーの組曲「道化師」から、運動会の定番曲「ギャロップ」以外のメンバーが紹介されました。
今年はシェイクスピアの没後400年ということで、(1616年4月23日生まれだそうです)シェイクスピア祭りを提案するお便りもありました。
BGM選手権、今回のお題は、茂木健一郎の「カラヤン 音楽が脳を育てる」でした。3枠採用。
バルトーク 管弦楽のための協奏曲から第四楽章「中断された間奏曲」(さくらいまさとさん)
ニールセン 交響曲第3番「広がり」冒頭(町中の庭師 ケッフェル196bさん)
ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲から第18変奏(みこさん)
ベストはラフマニノフでした。
ベスト選びにあたって、ラフマニノフの曲に対するふかわさんと真理さんのくい違いが面白かったです。ふかわさん、「この音楽は懐が深くて、いろんな世界観に合うけれど・・・」「(自分は)へそ曲がりですから」「この曲は、もう、殿堂入りと言うか・・・」
対して真理さん「でも、普遍的なものに対して普遍的な音楽がついて、素晴らしい説得力を持って心に届く。」
このラフマニノフの曲は、記念すべき第1回BGM選手権のベストをとっています。このときのお題はふかわさんのエッセイ「風とマシュマロの国」からの一節でした。ふかわさんが感動してこの曲を選んだときのことは、良く覚えています。あれから4年、BGM選手権も91回を重ねてきて、ふかわさんの今の心境はわかる気がします。
この第18変奏は、本当に名曲で、いろいろなシーンに合いますね。以前、このブログに少し書きましたたので、そこから転載します。『(この曲は)ウィキペディアによると7つの映画に使われているということです。その中で僕が見たのは1980年の「Somewhere in Time (ある日どこかで)」。タイムトラベルのラブロマンスもので、実に効果的に音楽が使われていて、映像も美しくせつなく、大好きな映画です。』
元記事はこちらです。
http://plaza.rakuten.co.jp/jyak3/diary/201212310000/
それから今回ウィキペディアを再確認したら、この曲はなんとアニメ「こち亀」(「こちら葛飾区亀有公園前派出所」)の第223話「両さん禁酒命令」でも使われているそうです。イメージのギャップが大きすぎます。怖いもの見たさに見てみたいけど、見ない方が幸せでしょう、きっと。
ところで今回のBGM選手権のお題の本を、いーともさんが、読んで記事に紹介してくれています。
こちらです。「しゃくやんカラヤン」。
http://kiracladays.blog.fc2.com/blog-entry-1196.html
これによると、かなりのカラヤンファンである茂木さんによる、カラヤンを絶賛する本ということです。番組ではカラヤンへの言及が一言もなかったですが、著者の意図を汲むという観点から、BGMの一枠くらいはカラヤンの演奏をあてても良かったかと思います。あるいはいーともさんが仰るように、せめて番組内で一言カラヤンに触れていただいたら、良かったと思います。
勝手に名付け親の出題あり:モーツァルト ピアノ協奏曲第23番から第二楽章
BGM選手権の出題あり:落語「寿限無」 きらクラ!スペシャル・バージョン
「寿限無」は、ふかわさんと真理さんのかけあいのテンポの緩急や、声のトーンの変化がダイナミックで、最高でした。真理さんは、番組当初の棒読み状態から、別人のような迫真の語り口で、もはや玄人の技、素晴らしいです。
ふかわさんと真理さんの、今週の好きな曲。
○真理さん:バッハのゴールドベルク変奏曲からアリア、グールドの最後の録音(←*5月4日に、この記事の最後に追記・訂正しました)。余震が続く中で眠れない方々が、少しでも眠れるように、という願いからの選曲ということでした。
○ふかわさん:ベートーヴェンの悲愴から第二楽章、フレディ・ケンプ。これは沁みました。このあとふかわさんが、言葉を一つ一つ考えて選びながら、被災された方々に、少しでも重みを軽減できれば、いつか音楽が心地良いものとして届くような日常になってほしい、というお話、じーんとしました。
このあとに熊本県の方からのお便りが読まれ、最後に仙台市のsatotakaさんからのお便りが読まれました。東日本大震災で被災され、その悲惨な状況で携帯で聴いたエルガーのニムロッドから希望を得て前向きな気持ちになれたこと、この曲はsatotakaさんともうお一方が、BGM選手権・小説「おやすみラフマニノフ」でベストを獲得した曲であること。そしてsatotakaさんは、この小説の中の『戦争や天災にあっている人々に、音楽を渇望する人がたった一人でもいるのなら、奏でるべきだ』という主人公の言葉を引用し、熊本で被災されている方々にこの曲を送ります、ということでした。そしてエルガーのニムロッドが流れました。
番組を聴いているみんなの気持ちが、この音楽でひとつになったと思います。
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*5月4日追記:2度目のゴールドベルク変奏曲のスタジオ録音は、グールドの最後の録音ではありませんでしたので、訂正します。以下Wikipediaから引用しておきます。
”最後のピアノ録音は、リヒャルト・シュトラウス「ピアノ・ソナタOp.5」(録音日時1982年7月2日及び9月1-3日)であり、その後同年9月8日にはリヒャルト・ワーグナーのジークフリート牧歌をトロント交響楽団の指揮によって録音しており、グールドはスタジオ録音においてピアノ奏者としてではなく、指揮者として人生を終えている。”
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89