9月11日放送のきらクラは、ふかわさんの前回(9月4日)のお話に反応して、「ふーまんありがとう、夏にふたをしてくれて。ダニーボーイ大好きです」というお便りから始まりました。僕としても「夏にピリオドを打つ」はあまりしっくりせず、一方で「夏にふたをする」は、また来年の夏にふたを開けるにつながって、季節がめぐる感じがして好きだったので、うれしいお便りでした。
次に、やはり前回の、春夏秋冬にそれぞれの言葉をあてようという話題に関して、冬の言葉として「冬は“装い”が似合うのでは」というお便りがありました。
続いて、東京芸術大学の“芸祭”を見に行き、御神輿の完成度の高さと盛り上がりにびっくりしたというお便りが読まれました。真理さんも、御神輿のクオリティがすごく、美術作品だったとお話をされてましたが、真理さんご自身は、なにせ秋はコンクールで時間がなくてあまりお祭りには参加しなかったということでした。
最初の音楽は、リクエストで、カヴァレリア・ルスティカーナから開幕の合唱「オレンジの花はかおり」がかかりました。秋の花なのかと思って調べたら、春の花でした。
ここでふかわさんが、「冬だけの言葉を見つけた」、と嬉しそうに「冬支度」「冬将軍」を披露しました。しかし真理さんの反応はきびしく、「語呂が悪い」と指摘されていました。
きらクラDONは、ストラヴィンスキーの「プルチネルラ」序曲でした。なかなか曲名が出てこないので、手足をじたばたさせて、はいアンダースローのポーズ、広げた手のひらの上にプルチネルラが乗っていた、という手品のようなお便りがありました。それから、プルチネルラをマンドリン・アンサンブルで演奏したいがオケ版の楽譜からアレンジをしなくては、と長年思っていたところ、NHK-FMでこの曲の原曲がドメニコ・ガロのトリオソナタ第一番であることを知り、原曲の楽譜を入手し、アレンジ不要となり、念願かなって教会のクリスマスコンサートで演奏できた、というお便りがありました。この曲を昔大学オケでやって、オケの後輩とその後結婚し、生まれた娘が、大学オケを満喫して来春卒業する、というお便りもありました。
ニアピンがありました。ビゼーのアルルの女第一組曲よりメヌエットでしたが、それほど似ておらず、ステッカーはなしでした。この第一組曲のメヌエットは、以前、有名なアルルの女第二組曲メヌエットがきらクラDONでかかったときに、ちょっと紹介されていました。
さて8月28日の放送でリクエストがあった「アフリカにまつわるクラシック」、リスナーさんから集まった曲がいくつか紹介されました。
○ブラック・マーラーと呼ばれているというサミュエル・コールリッジ・テイラー作曲の「アフリカの民謡による交響的変奏曲」作品63」
○石原忠興作曲の、「ウィンドオーケストラのためのムーブメント2 “サバンナ”」。
○ヴァン・マッコイ作曲、岩井直溥編曲「アフリカン・シンフォニー」。これ、ノリノリで元気がでる曲で、気に入りました!
アフリカ関連から引き続き、「ここ好き」のコーナーになり、サン・サーンス作曲「ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 作品103エジプト風から 第2楽章」。サン・サーンスはアフリカが好きでアフリカを題材にした曲を書いているということでした。しかし、ここ好きの箇所は、お便りには「長調部分が終わろうとするところのピアノソロ」とありましたが、番組でかかったのは短調部分が終わるところだったような??
はじクラです。プロコフィエフの組曲「キージェ中尉」から「ロマンス」を原曲とする、スティングの歌による「ラシアンズ」がかかりました。これは聴きごたえのある歌でした。
引き続きスティングで、今度はダウランドの音楽を、スティングとカラマーゾフが編曲・演奏したものが紹介されました。2006年に出たアルバム「Songs from the labyrinth」から、リュート二重奏による「ウィロビー卿ご帰館」、そしてスティングの歌、カラマーゾフのリュートによる「In Darkness Let Me Dwell(暗闇に私を住まわせて)」。このスティングの歌は圧巻で、 非常に感動しました。
ところでこの「In Darkness Let Me Dwell」 と言えば、これがそのままアルバムタイトルとなっている、僕の愛聴するCDがあります。ECM NEW SERIES から1999年に出たダウランドの歌曲集で、ジョン・ポッターさんというテノールが歌っています。歌も素晴らしいし、またその伴奏楽器が、リュート、バロックヴァイオリンの他、ダブルベース、ソプラノサックス、バスクラリネットという布陣なのです!ダウランドの音楽に内在する現代性を、鮮やかに照らし出した素晴らしい演奏となっています。
ジョン・ポッターさんしかりスティングしかり、このような優れた演奏を聴くと、ダウランドの音楽の、現代性というか、時代を超えた普遍性を強く感じます。ダウランドの音楽は本当に素晴らしい。
このあともうひとつ、はじクラ投稿がありました。なんと、8月28日のゲストでおいでになったピアニート公爵からの投稿!でした。公爵らしい緻密でマニアックでわかりやすい文章で、ボロディンの「ダッタン人の踊り」を原曲とする、菅野よう子作曲、坂本真綾Featuring、スティーブ・コンテによる「The Garden of Everything 〜電気ロケットに君をつれて〜」が紹介されました。なんとお洒落な音楽!ボロディンのメロディが対旋律として使われ、それがあまりにもぴったりとはまっているので、最初聴いたときはまったくわかりませんでした。録音したものを聴いてもわからず、もう一度聴きなおして、ようやくわかりました。ピアニート公爵、すばらしいセンスです!
勝手に名付け親は、ルクレールの、「音楽の気晴らし」第1集 ニ長調からサラバンドでした。ルクレールの音楽は独特の品があって、好きです。6名採用でした。
名月に魅せられ 名月に見入る人々 (すずもとさちこさん)
自分に聴かせる子守唄 (孫なし爺さんさん)
それでも私は歩み続ける いつかあなたに会える日まで (みほっぺさん)
お父さんは千鳥足 (平塚のハイカラさん)
消えゆく我が家 (晩酌にはパン食さん)
絹のすじ雲 (ぱーかすちょんさん)←ブロ友さんです、おめでとうございます!
ベストは、真理さんが率先して選んだ「消えゆく我が家」でした。近頃真理さんが、積極的な姿勢ですね。
ここで1曲、ルクレール路線を受け継ぐような、ビーバー作曲の「パッサカリア ト短調」が、エンリコ・オノフリさんのバロックヴァイオリンで流れました。オノフリさんはこの秋来日して各地で演奏会が行われます。
熊本地震に被災された方からのお便りで、カセットテープのインレタの話、地震で数百本を失ったなどなどの話がありました。
○真理さんの好きな曲:タレガ作曲「涙」。秋に似合う、とても美しい曲です。
○ふかわさんの好きな曲:フォスター作曲、湯浅譲二編曲「故郷の人々」。ふかわさん曰く、郷愁の「愁」の字は何故か秋の心と書く、と。
最後の音楽は、バッハ作曲「パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825から プレリュード、クラント」、フランチェスコ・トリスターノのピアノ。
福島公開収録を楽しみにしていたのに、風邪で参加できなかった、今回は新潟の収録にうかがう、というお便りで放送が終わりました。公開収録ではふかわさんの演奏もあるようです!
ところで最後に真理さんが、「今週は、(ふかわさんが)遠藤さんと3回呼んだ、距離を感ずる」とぽつりとつぶやきました。ふかわさんはとぼけていましたね。どうしてそんな風に呼んだのか、録音を聴き直したところ、その理由がわかりました。今回の番組でも、最初の方では、ふかわさんは普通に「真理さん」と2回呼びかけています。そのふかわさんの呼び方が変わったのは、真理さんが「冬支度」「冬将軍」に厳しい評価をしたのちです。このあと確かに3回、「遠藤さん」と呼んでいます。(マッコイのところ、名付け親の「自分に聴かせる子守歌」のところ、最後のところです。)
つまり真理さんの厳しい評価にふかわさんがへそを曲げてしまい、あるいはいじけてしまったのだと思われます(^^;)。これを先週のサティのジュトゥブのフランス語の話題になぞっていえば、親しい呼び方のtu(テュ)から親しくない呼び方のvous(ブ)に変わってしまったのです!いわゆるブーいんぐ(^^;)?ふかわさん、次回は気を取り直して、ブからテュにもどして、真理さんと仲良くしてくださいね~。