全然進まない、2016年に聴いたコンサートのまとめの続きを書きます。
その3、マーラー・ブルックナー以外のオケものです。
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1/ 9 大植英次&日フィル ドヴォルザーク S9ほか みなとみらい
1/15 ハーディング&新日フィル ブリテン 戦争レクイエム トリフォニー
4/ 9 マリナー&アカデミー室内管 プロコフィエフ/RVW/ベートーヴェン オペラシティ
4/14 下野&読響 フィンジ 「霊魂不滅の啓示」ほか サントリー
4/16 ノット&東響 リゲティ/パーセル/R.シュトラウス オペラシティ
5/14 大植英次&東響 チャイコフスキー S4ほか 府中の森芸術劇場
5/30 テミルカーノフ&ペテルブルク ショスタコーヴィチ S5ほか サントリー
6/ 2 同上 ショスタコ―ヴィチ S7 サントリー
6/ 9 大野和士&都響 スクリャービン S4ほか サントリー
8/26 武満徹 「ジェモー」ほか サントリー
8/30 サーリアホ オーケストラ作品集 サントリー
9/26 ロジェストヴェンスキー&読響 ショスタコーヴィチ S10ほか サントリー
10/15 ノット&東響,諏訪内晶子 ベートーヴェンVnC, S5 サントリー
11/ 2 ブロムシュテット&バンベルク響,ファウスト ベートーヴェンVnC, S5 サントリー
12/ 5 ヤルヴィ&ドイツカンマーPO,樫本大真 ベートーヴェンVnC, シューマンS3 オペラシティ
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最初の3つ以外は独立した記事を書いていませんので駆け足で振り返りたいと思いますが、それすらもなかなか書き進まないので、とりあえず上半期分として6月までの演奏会について書きます。
4月の読響はフィンジの代表作の一つ、「霊魂不滅の啓示」。滅多に演奏されない超貴重な機会で、初めて生体験ができました。意欲的なプログラムをいろいろやっていただいた下野さんが読響を振る機会が減っていくのが残念ですが、益々ご活躍されることとおもいます。
同じく4月のノット&東響は、やはりプログラミングの妙が光る、リゲティ、パーセル、R.シュトラウスという、時空を超えた胸がときめくようなものでした。パーセルは、舞台上にオケが乗り、2階オルガン下のブロックの左端にヴィオラダガンバが何台か並び、空間的にも良い効果を上げていました。R.シュトラウスのツァラトゥストラも目の覚めるような鮮やかな鮮やかなサウンドで、ノット東響のコンビの充実ぶりをまざまざと感じたひとときでした。
5,6月はテミルカーノフ&サンクト=ペテルブルクによる鉄壁のショスタコ2連発、たっぷりショスタコの音楽に浸って大満足でした。
6月の大野&都響によるスクリャービンの「法悦の詩」。大好きな曲ですが、あまり頻繁には演奏されないので貴重な機会でした。僕はこの曲のラストで延々と打ち鳴らされる鐘にかなりの思い入れがありまして、ここをどんな音でどんな風に慣らしてくれるかにこだわっています。2012年7月の秋山&東響のときは、バケツ程の大きさの鐘で、チーン、キーンと高い刺激的な音で、失望が大きかったです。終わってから片付けているオケの方に尋ねたら、楽器レンタル屋さんから借りた鐘と言うことでした。次の時はもっと重く深い響きの得られる巨大な鐘を使ってもらいたいと思いました。さて今回はどうだったかと言うと、やはり大きめとは言えバケツ大位の鐘で、高音成分が耳にきつい音で、興醒めしてしまいました。終演後に舞台の近くに行って、後片付けしている奏者さんにお尋ねしたところ、これはレンタルではなくオケの保有している楽器と言うことでした。もっと巨大な鐘を使って欲しいと言う思いは満たされませんでした。バケツ大ではスクリャービンが怒るのではないかなぁ。
僕は「法悦の詩」を、アバド&ボストン響のレコードでなれ親しみました。この演奏の鐘が、巨大な梵鐘を打ち鳴らしているかのような、重く奥深い、原始的なエネルギーをもって丹田にずーんと響いてくる何とも素晴らしいサウンドで、フルオケの響きとともに、感動の渦に飲み込まれるようでした。この演奏で実際にどんな鐘を使ったのかは知りませんが、このサウンドで刷り込まれてしまった僕としては、いつかこのような音で打ち鳴らされる鐘とともに訪れる圧倒的なクライマックスを、生体験したいものです。