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じゃくの音楽日記帳

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2017.10.28
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カテゴリ:きらクラ!
BGM選手権10月22日のお題は、夏目漱石の「こころ」からでした。

文学とは疎遠な僕ですが、漱石は例外的に、若い頃にいろいろと読みました。なかでも「こころ」には、強いインパクトを受けました。

このBGMには、バッハのマタイ受難曲第二部のアルトのアリア「憐み給え、我が神よ」をあててみました。親友を裏切り自殺に追いやったことに取返しのつかない後悔をひとり抱えて生きる先生が、私にあるとき話します。「平生はみんな善人なんです、少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。」そして先生はやがて自ら死を選びます。

僕にはこの先生と、イエスの弟子ペテロやユダが重なり合って思えます。キリストに忠誠だったペテロは、いざというときに3度キリストを否認する。それがキリストの予言通りだったことを悟ったペテロは、激しく泣きます。ユダは、イエスをお金で売り、それを後悔して自ら死を選びます。。。

アリア「憐み給え、我が神よ」は、ペテロの否認の直後に歌われ、人間の性を露わにし、漱石の問いかけるテーマを照らし出してくれるように思います。

このアリアをタルコフスキーが遺作「サクリファイス」で用いたこと、それをみた武満徹が語ったこと等については、以前の記事「きらクラ!第232回 マタイ受難曲とキース・ジャレット(2017年4月16日放送分)」に書きました。

さて朗読と音楽をあわせてみると、歌声はやはり朗読とぶつかるので、器楽のみによる演奏にしました。ヨハンセンという人による室内楽編曲版がなかなか良いです。アルトのパートをトランペットが歌っています。しかし動画サイトにはないようですので、似たような雰囲気の器楽編曲版をあげておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=PNVUClx7BD0
これはベルリンカメラ―タによるヴァイオリン、チェロと弦楽合奏による演奏です。アルトのパートをチェロが奏でます。





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Last updated  2017.10.29 02:44:15
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