BGM選手権、12月10日のお題は、石川啄木の「悲しき玩具」冒頭部分でした。
いつもにも増して、いろいろな角度からのBGMがありのお題だと思います。僕は、強い寂寥感を基調に、なつかしさをブレンドしたような音楽をあてたいと思いました。選んだのは、吉松隆さんの、「夢色モビール」作品 58 です。ピアノの分散和音で始まる音楽が、寂寥感を際立たせ、後半から入ってくるハーモニカが、なんともいえない郷愁の念をにじませ、魂の放浪を続ける作者の胸の内を現すように思いました。
原曲は、ハープと弦楽四重奏とサックスだそうです。ハープをピアノに代えたものや、サックスをチェロなどの他のメロディー楽器に代えたものなど、さまざまなアレンジがあるようです。このお題にいいなと思ったのは、崎元譲さんのハーモニカと、ピアノと弦楽による演奏です。ピアノの音色が寂寥感に合い、ハーモニカ独特の味わいに魅力を感じました。動画サイトではこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=SNDxk-G4hwU
下の写真の左側が、「夢色モビール」のおさめられた、崎元譲さんのハーモニカによる吉松隆作品集「忘れっぽい天使」のCDジャケットです。
それから右側は、向山佳絵子さんのチェロによる「白い風景」のCDジャケットで、こちらには、チェロとハープと弦楽による「夢色モビール」がおさめられています。こちらも素敵です。余談ですがこのCDのタイトルとなっている吉松隆さんの「白い風景」は、以前どなたかがBGM選手権で採用されてました。美しい曲です。