カテゴリ:きらクラ!
今度のBGM選手権のお題は、山上路夫「あゝ人生に涙あり」、水戸黄門の主題歌の歌詞でした。選手権とは話がずれてしまいますが、ちょっと書いてみます。
かつて水戸黄門といえば、あの主題歌の歌詞とメロディもさることながら、伴奏の金管の和音のリズムの刻みが、僕にとっては極めて印象的でした。 シベリウスのフィンランディアで、ゆっくりした序奏が終わり、金管の重々しい和音の刻みが入ってきますね、あれとすごく似ていると思ったことありませんか? 少年時代の僕は、水戸黄門のテレビを見ることはほとんどなかったけれど、テレビから流れてくる水戸黄門の主題歌を聞くとフィンランディアを思い起こし、フィンランディアを聴くと水戸黄門を思い出していました。あのリズムを通じて、少年の脳には水戸黄門とフィンランディアが両者不可分のものとして刻まれてしまったのでした。 それで今回、お題を聞いたときに懐かしくなって、あらためて両者をしっかり聞き比べてみようと思って、水戸黄門の主題歌を動画サイトで検索してみました。最初に出てきた動画がこれでした。 皆様ご存知と思いますが、始まって少ししての、金管のリズムの刻み部分が、これです。 https://www.youtube.com/watch?v=azJC0EpfWfM#t=0m18s かたや、こちらフィンランディアの該当部分です。遅いテンポだと良いので、カラヤンのを引っ張ってきてあります。 https://www.youtube.com/watch?v=StJ9PHU8C8g#t=3m33s わたくし絶対音感がないので、今回両方並べて聞くまでわからなかったですが、なんと両者とも同じキー! ピアノで調べてみると、どうもハ短調のようです。もっともうちのピアノはもう長いこと調律してないので(^^;)、くるってるかもしれないと思って、念のためフィンランディアの楽譜を調べてみました。第74小節、練習番号D、アレグロモデラートに変わったところで登場していて、確かにハ短調の主和音でした。 金管で、同じ音高、同じような和音で、似たようなリズム、似たような雰囲気。かつての「どこ似て」コーナーで登場しているのかもしれないですね。 ただし、さらに調べてみると、水戸黄門の主題歌には、いくつかのキーがあるということを知りました。本来がハ短調なのかどうかはわかりませんでしたが、ネットで楽譜を見てみてもハ短調ですので、きっとハ短調がもともとだったのだろう、と勝手に思い込むことにしました。 さて、それで本来なら寄り道はこのくらいにしておいて、BGM選手権に真面目にとりかからなければいけませんでした。 BGM選手権で、このようなポピュラーな歌ものが出されるときの趣旨は、慣れ親しんだ曲を敢えて切り離し、歌詞にまったく新たな音楽をふる、ということは重々承知しています。でも、新しい音楽を探すのはもちろんのこと、慣れ親しんだ曲を切り離すこと自体にもエネルギーが必要ですよね。この頃やや疲れ気味で、BGM選手権に真剣に取り組む気持ちが不足しております。もうこの金管のリズムの刻みが頭から離れなくなりました。 チャッ、チャチャチャチャッ、チャチャチャチャッ、チャチャチャチャチャチャチャチャチャ。 そこで今回は、異端の方向で決めました。フィンランディアのこの部分を、そのまま出してしまいました。もはやBGM選手権じゃなくて、「どこ似て」、あるいは「中トロドンのニアピン」みたいな選曲なので、採用は絶対ないけど、いいんです。 きっと今日の水戸での公開収録では、この歌詞にふざわしい、美しく感動的な音楽がいろいろとかかったことでしょう。来週の放送が楽しみです。 自分でも思います。異端な聴き方、異端聴。いやいや、破綻聴でしたか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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