カテゴリ:小説
『文学部唯野教授』(筒井康隆)と『インストール』(綿谷りさ)を読了。
『文学部唯野教授』は措いて、『インストール』は映画のほうを先に観ていた。 そのとき私は以下のようなレビューを書いた。 * 原作が純文学の、それも若い作家の、しかも女の、ということで、いやな予感はあったが、いやいやどうして、あの手この手で工夫をしているので、最悪の事態はまぬがれている。 可愛い上戸彩ちゃんともっと可愛い神木隆之介くんの2人を持ってきたところがミソで、逆をいえば、陰気で暗くブサイクな女と可愛げのないクソガキだったら、見られたものではないということだ。 若い娘っ子の「私って何?」などという甘ったれた悩みなんぞに付き合ってはいられない、そう思わせるところが作品力の弱さだ。 * もちろん原作の小説と映画なんてのは別物として見るべきであって、小説として優れているところがあるとしたら映画にはならない部分だ。 ということで映画がスカである分、却って小説には期待できるということもある。 それで、どうだったかというと、へえ~と感心してしまった。 17歳の幼さを幼さのままに破綻なく表現できていて、やっぱ凄いわ。 『イッツ・オンリー・トーク』(絲山秋子)が20代半ばの作品だが、妙に背伸びしているところが目について、幼さを悪い意味で感じさせているのとは好対照だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月01日 18時59分37秒
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