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テーマ:特撮について喋ろう♪(4720)
カテゴリ:特撮趣味
本編に収録されているエピソードには、奇星伝にまつわる話はなく極めてオーソドックス なエピソードが中心だと思います。 先の本文でも触れましたが、通常エピソードとは言え、ハードなシナリオも多く見られ、 当初から普通の子供番組とは一線を画していたような雰囲気があります。 とは言え、まだまだ始まったばかりなので、さくっとご紹介していきます。 #6「戦場の森をかける小さな命」 →若葉山の山中にて、森が荒らされているとの情報を得た伊賀電。 早速現場に赴くが、焼け跡や小動物用の罠が散乱していたりと、想像以上にひどい状況 であった。 元森林警備隊員として、自然や動植物を愛する伊賀電は、マドーの罠であると忠告する リリィの制止を振り切り、更に山の奥深くへと探索を続ける。 ところへ、案の定マドーの罠にかかって消息を絶つ伊賀電。リリィの救援要請に、 ギャバン隊長こと一条寺烈が現場に捜索へ向かう。 伊賀電は電波を通さない特殊な檻の中に監禁されており、コンバットスーツに赤射蒸着 できない状態であったのだ。 やっぱりギャバンこと大葉健二氏は納まって指示を与える役目よりも、現場にいた方が しっくりきますねw でもコンバットスーツの着用はナシです。いい意味で出し惜しみをしたからこそ終盤 での値打ちが上がるってもんです。 あとクライムバスターの機能解説みたいなナレーションが入って、用途に応じて色々な ビームを使い分け可能、とのことですが、少なくとも今回のシーンにおいてはあまり 意味はなかったと思います。ビジュアル的にも大差ないし、設定自体ウヤムヤになった っぽいですね。 オール山ロケでお手軽観があり、シナリオ的にも大したエピソードではありません。 #7「鏡の中に浮かぶ私は誰れ!?」 →深夜、悪夢にうなされる少女。夢うつつの状態で外に飛び出した少女は、深夜パトロール 中の伊賀電の車の前で意識を失ってしまう。 少女の家と思しき洋館に運び込み、家人に話を聞くと、ここ最近頻繁に夢遊病が起こって いるという。一抹の不安を抱えながらも落ち着いた少女を残して帰途につく。 その翌日、真昼の繁華街に、昨夜の少女らしき人物が、まったく違う派手な格好で歩く 姿を見かける伊賀電。 その様子に只ならぬものを感じ、少女が入ったディスコまで跡をつけるが、説得空しく 逃げられてしまう。 その足で少女の家に向かう、すると、何事もない様子で少女が学校から帰宅してきた。 それとなく今日の行動を質すが、はぐらかされてしまう…。 少女は超能力者で、マドーの手先とすべく、ダブルビーストが取り憑いていたのだ。 慢性的人材不足に悩むマドーは、#5と同じような作戦を展開する。 この後の取り憑かれた少女と伊賀電の格闘シーンは「ポルターガイスト」、急に恐ろしい 口調になるなどの演出は明らかに「エクソシスト」のそれであり、ダブルビーストの デザインも「エイリアン」に酷似しています。 本編での洋館はそれなりに雰囲気もあり、表題の鏡の描写など、ゾッとするものもある のですが、少女の母親役が洋館の女主人というより、年齢的にも家政婦のオバハン といった方がしっくりくる貧相ぶりに、セリフのない執事だか何だかわからない オッサンも同様で、もうちょっとマシなキャスティングができなかったものかと惜しまれ ます。 最終的にはシャリバンがダブルビーストを倒したら少女の超能力もなくなって一件落着 のナレーションで締めるのですが、結局少女の超能力に関する描写は皆無でした。 本エピソードに限らず、ホラー系の映画をリスペクトしたシーンは数多く、制作コンセ プトをうかがうことができます。 #8「泥の河は甦える カムバックサーモン」 →採石場のような所をジャージ姿でジョギングする伊賀電。その様子を物陰から窺う少年 と少女。 干潟のような場所で、無数の魚の死骸を発見する伊賀電。ところへ、無人のダンプカー がいきなり襲い掛かる! 冒頭のこのシーンはスピルバーグの処女作「激突!」か、カルト映画「ザ・カー」を 髣髴とさせます。無人の車が音もなく襲い掛かるシーンは迫力がありますね。 何とかやり過ごした伊賀電に対し、少年は河を汚すダンプの仲間だろうと詰ります。 ・・・って言うかその前のダンプと伊賀電の様子を見ていれば誤解のしようもないと思う のだが。 伊賀電は干上がった河の成分を持ち帰り、分析したところ高濃度のダイオキシンが含まれ ていることが判明する。 更に詳しく調査すべく、少年の元を訪ねるとあっさり誤解は解け、あまつさえダンプの 基地を知っていると言う。 基地に潜入する伊賀電、そこはやはりマドーの秘密基地であった。 地球侵略を狙う組織が何故悪徳産廃業者みたいな真似をしているのかは謎です。 ともかく、防毒マスクを装着した作業員に扮したまではよかったのですが、何故か しっかりバレている様子。しかも案内してくれた少年が人質となっている。 まんまと罠に伊賀電を捕らえることに成功したマドーはドクビーストに命じて毒ガス 攻撃を浴びせて絶体絶命・・・のはずが、防毒マスクを装着していた為に致命傷とはならず、 逆に罠から逃げられてしまう。何というツメの甘さw 表題は交通事故で亡くなった少年の父と、放流した鮭が汚染によって帰ってこれなく なることを嘆いたものであるが、汚染以前に鮭が来るような河ではないのはご愛嬌。 #9「ビックリハウスは幻夢町0番地」 →深夜、寝つきの悪い次郎少年が何気なく窓の外を覗くと、お化け屋敷と呼ばれている 向かいの家から怪しげな一団が出入りしているのを目撃する。 大人たちが誰も信じてくれない中、子供達だけで相談していたところを通りがかった 伊賀電が、その屋敷の持ち主である謎の老人に問い質すも、はぐらかされてしまう。 疑念を抱く伊賀電だったが、それ以上の証拠もないので動けない。 ところへ港にて大量の偽札が発見され、リリィと共に調査に急行する伊賀電。 首尾よく付近の偽札工場を壊滅させるが、その抵抗の少なさに作為的なものを感じる。 偽札で主な企業を買収して日本を経済的に実質支配しようというマドーの作戦は、国策 で偽札を作っている某国に通じるものがある。 そうか、某国の発想自体が特撮界の悪の組織に近いのだと思うと妙に納得。 伊賀電がにらんだ通り、港の工場はダミーで、件のお化け屋敷が本物の偽札工場で あったというオチ。 シナリオ展開の順番として、先にダミーの件を持ってこなかったのに違和感。 これでは事件が起こる前からオチが読めてしまいます。 本作に登場する「キャッシュビースト」は、それまでの怪物のデザイン傾向と異なり、 デフォルメが強調されている。 子供番組のものにしては怖すぎる故の軌道修正かとも思ったが、それにしては早すぎる ようにも思うので多分気のせいだろう。 #10「幻夢城-東京 エキスプレスの影を追え」 →大山小次郎が遂に撮影に成功し、雑誌に掲載されたUFOの写真は、マドーの戦闘機の ものであった。 大山小次郎が開発?したUFOをキャッチして自動でシャッターを切れるという装置で 撮影されたそれは、何故か5秒間しかフィルムに残されていなかった。 マドーは秘密裡に新型兵器”マドー砲”の開発を進めており、その資材搬入に使用して いた戦闘機だったが、バリアの故障で5秒間だけ姿が見えてしまったとドクターポルター は説明する。不手際を詰るガイラー将軍は、とにかく完成を急がせることを主張するが、 魔王サイコは慎重策を採り、取り合えず大山小次郎のUFO追跡撮影装置の破壊を命じた。 小次郎ごときが開発したシロモノでマドーの壮大な計画が露見するというのも情けない 話ではあるが、その機材購入の為に田舎の母親に金を出してもらっているという小次郎 はもっと情けない。 ところで前作「宇宙刑事ギャバン」ではアパート暮らしであったはずの小次郎だが、 本作では瀟洒なマンション住まいにグレードアップしている。基本的に定収入がなさそう なのにこの生活の変化は何に因るものなのだろうか? 雑誌掲載後、動きを潜めるマドーをおびき出して航路の壊滅を狙う伊賀電は、小次郎の 写真が掲載された雑誌社に乗り込み、撮影場所が東京ではなく、何処か別の場所だと 主張する。 どう考えてもバレバレなのだが、雑誌社に潜入していたミス・アクマ1・2はあっさり 引っかかり、シャリバンは東京とは別の場所に関心を向けていると報告。これに何の 疑いも挟まない魔王サイコ以下は、直ちに資材搬入を再開する。 小次郎のUFO追跡装置でマドー砲開発現場を確定した伊賀電は、まんまとその破壊に 成功する。 余談だが本編に登場する魔怪人が、「ユーホー」ビーストなのは如何なものかと。 せめて「ユーフォー」ぐらいにしておいて欲しいですw ※次回『宇宙刑事シャリバンVol.2』(DISC-3 #11~#15)に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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