『宇宙刑事シャリバンVol.5(DISC-10)』
足掛け1年半に亘って続けてきたシリーズも、漸く3分の2を消化できました。もう何度となく繰り返していますが、本作に収められているエピソードのほとんどは、そのまま編集して1本の作品にできそうな程完成度が高いと思います。むしろ本作のためにここまで書いてきた観もあるので、達成感と共にモチベーションが下がるのがアレなんですが、取りあえずキリのいいところまで続ける気はありますけど、ペースは更に落ちそうです。まずは本編のエピソードのご紹介。通常よりも少しは力が入っていますのでご確認下さい。#47「幸福をねがう兄と妹 火花散る正剣邪剣」→リュウイチ、レイコの兄妹は、登山の途中で急な天候の変化に見舞われ、難を避けた 洞窟の中で不思議な剣を発見する。 それはマドーに伝わる邪剣、デビル剣(笑)であり、持つものには最強の力をもたらす という。 一方で、奥伊賀島に向かっていた伊賀電は、そこでイガクリスタルと共に消失したイガ 獅子の剣を発見。謎の人物からデビル剣の存在を聞かされる。 リュウイチはその剣を隠し、怪しい古物商と2億円で取引するつもりだとレイコの告げ たところ、猛反対され、一瞬警察へ届けることを約束するが、欲望に勝てず、次の日の 早朝、単独で交渉に向かってしまった。 兄がいないことに気付いたレイコは、友人の千秋のところへ相談に行き、伊賀電の知る こととなった。リュウイチを探す伊賀電が見たものは・・・。 番組初期(#5)のエピソードと極めて類似した内容の本編は、最後の通常エピソード にも関わらずあまり印象に残るデキではないと思われる。 イガ獅子の剣が出てくるタイミングも意味不明で整合性に欠けるので、正と邪の対比を 取って付けた観は否めない。 二刀流の殺陣は面白いが見どころはそれだけです。#48「ミミー」→コム長官の愛娘、ミミーは、ギャバンに会いに行く為に単独でバード星を出た。 その際、宇宙海賊ベムサソリの手にかかり、拉致されてしまった。 必死でミミーの行方を追うギャバン。しかしその足取りは杳として知れなかった。 やがて、幻夢城に連れてこられたことが判明。そしてマドーは、コム長官への復讐の為、 ミミーとガイラー将軍に強制的に結婚させることを計画。果たしてミミーの運命は・・・。 開始早々、コンバットスーツ姿のギャバンが拝めるのは嬉しいのですが、出てくるのは 最初だけ。共闘はもう少しお預けですw それにしても、ミミーの捜索に際し、実は本当に心配しているにしても、父親である コム長官に向かって「じゃじゃ馬」発言は穏当ではない気がするw 個人的なツボは、ガイラー将軍とミミーが今まさに結婚させられようとしている中継 映像を見て、いたたまれなくなったコム長官が席を外し、「代わってやりたい・・・」 と呟くところ。代わってやりたいってコム長官がガイラー将軍と結婚するって意味? シャリバンにミミーを救出され、未練タラタラなガイラー将軍がカワイイですw 脱出不可能って言う割には簡単に地球上にゲートがあったりと、セキュリティ面の向上 にもう少し力を注いだ方がいいと思います。 本編から最終回に至るまでのエピソードは、東映特撮史上においても屈指の名作ですが、 本編でミミーとシャリバンが接触するのは、ちゃんと次のエピソードの伏線になって います。続いて次回へ。#49「ガマゴン」→無事ミミーの救出に成功したシャリバンは、ミミーの透視能力でイガクリスタルと共に 消えたみゆきの行方を捜索していた。 やがてミミーが描き出した場所は、灯台のある海岸線。グランドバースのコンピューター から割り出した場所へ赴く伊賀電。 折りしもマドーでは、地球侵略の為にイガクリスタルの持つ力が不可欠と結論づけ、 ガイラー将軍、ドクターポルター、レイダーに、イガクリスタルを持ち帰った者に 大幹部の椅子を約束する。 レイダーは友人のガマゴン大王をイガクリスタル探索の助っ人として呼び寄せ、それぞれ の思惑を秘め、探索に向かった・・・。 ガマゴン大王はイガクリスタルのエピソード絡みで、#31にも登場していました。 それが終盤にきて、重要な位置付けになるとは想像もつきませんでした。 ビジュアルイメージは「スターウォーズ」シリーズのジャバ・ザ・ハットの影響を受け ているのは明白ですね。 レイダーとガマゴン大王にイガクリスタルを奪われたガイラー将軍は、単独でシャリバン の首級をあげるという大博打に出るもあえなく撃沈。かなり長い殺陣のシーンで存在感 を示すも、最終回を待たずに倒されてしまいました。 今までシャリバンやみゆき達を導いてきた”聖なる者”は、イガクリスタルをマドーに 奪われてもなお沈黙を続ける。 その真意を不審に思うも、イガクリスタル奪還の為、幻夢城への潜入する決意を固める シャリバンであった。#50「海坊主」→当時、本編を観た時の衝撃は忘れられない。 もっと正確に言えば、本編の予告編を観た時からである。 実に本編の為に、丸1年かけて仕込んだ大伏線。ほぼ毎回ワンカットだけ登場する不気味 なスキンヘッドの男は、魔王サイコの化身で、常にシャリバンの周囲を監視し続けていた。 イガクリスタルを手に入れたレイダーは、今こそ自らの野望を実現する好機と踏み、 ガマゴン大王にシャリバンの相手をさせ、自身はいよいよ幻夢城乗っ取りの為、魔王サイコ と対峙する。 レイダーの前に崩れ折れる魔王サイコ。 ドクターポルターも為す術もなく操られようとしたその時、海坊主ことサイコラーが 現れた。 レイダーの企みを看破していた魔王サイコは、万一の為に自らの命を二分し、サイコラー として活動させていたのだった。 予期せぬ事態に慌てるレイダー。必死の抵抗を試みるも、魔王サイコ・サイコラーの 攻撃の前にあえなくやられてしまったのであった。 一方のシャリバンもガマゴン大王を退け、来る決戦に誓いも新たにするのであった・・・。#51「赤射・蒸着」→サイコラーの出現により、いよいよ決戦の時が近づいてきたことを察知したコム長官は、 自身も地球へと赴き、ギャバン隊長にも応援を要請した。 再会を喜ぶ間もなく、幻夢城に通じるサイコゾーンを捜索するギャバンとシャリバン。 魔王サイコは、イガクリスタルによってエネルギー発生装置が完成したことを受け、 最後の邪魔者である宇宙刑事シャリバンを、ギャバン共々幻夢城へ導き、まとめて始末 することをドクターポルターに告げる。 波止場にてマドーの戦闘員に襲われるシャリバン。その時、4人のイガ戦士が、リタと キースの要請によって助太刀に現れたのだ。 やがてギャバンも現場に駆けつけ、遂にシャリバンとの共闘が実現する。 十分なタメを作っての「赤射!」「蒸着!」のW変身シーンは、シリーズのみならず、 東映特撮史上最高峰の名シーンであると思います。 モトシャリアン、サイバリアンで幻夢城に向かうシャリバンとギャバン。 魔王サイコを倒すには、命を分けるサイコラーと同時に倒さなければならない。 圧倒的な超能力に、為す術もないかと思われたところが、突如イガクリスタルが現れ、 魔王サイコの攻撃を吸収してしまった。 ”聖なる者”は、この時のために、あえてイガクリスタルをマドーに奪わせたのである。 たじろぐ魔王サイコとサイコラーに放つギャバンダイナミックとシャリバンクラッシュ! そして遂にマドーを滅ぼすことに成功したのであった。 最後の戦いが終わり、コム長官から地球担当の宇宙刑事の任を解かれ、新たにイガ星担当 宇宙刑事に任命されたシャリバン。 新たなる使命を帯び、、4人のイガ戦士とみゆきたちを乗せ、グランドバースはイガ星を 目指す。そこに現れた聖なる者とイガクリスタル。やがてシャリバンは、それらが守護神 であることに気付くのだった。 海岸線に一人残されたリリィが不憫でなりません(涙)一緒に連れて行ってあげれば いいのに・・・ってリリィって結局何人だったんだろうか?※次回『宇宙刑事シャイダーVol.1』(DISC-1 #1~#5)に続く