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影男の屋根裏部屋

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Feb 1, 2007
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カテゴリ:特撮趣味


今回ご紹介するエピソードは、奇星伝にまつわるものはありません。
しかしながら見ごたえのある佳作エピソードが多く、特に刑事モノらしい捜査のシーンが
多用されているのが特徴です。

シャリバンこと伊賀電の生身の衣装が、漫画「ウイングマン」を始め、様々にリスペクト
されるスタンダードなものに変更されたり、挿入歌が登場したりと安定感が出始めました。

ギャバンこと大葉健二氏が出張してくるエピソードは非常に完成度も高く、ゲスト含め、
非常に見どころが多いと言えるでしょう。

では以下各エピソードのご紹介です。


#11「暗黒星雲から来た 最強の悪役ファイター」

→銀河連邦警察の緊急連絡により、宇宙より飛来した謎の飛行物体を調査すべく急行する
 伊賀電こと宇宙刑事シャリバン。

 現れたのは銀河に名を馳せる宇宙海賊、ベンガルブラザーズであった。

 ベンガルブラザーズはいきなりシャリバンに戦いを挑むが、決着を付けられず、マドー
 の首領、魔王サイコによって幻夢城へと誘われた。

 魔王サイコは兄弟が地球へやってきた真意を問うたところ、マドーに帰順し、仕官する
 ことが目的だと言う。
 早速兄弟の歓迎会が催されるが、別室に戻った兄弟は何やら不穏な相談をする。

 魔王サイコの超能力の源泉となっている人工頭脳は意外に脆そうで、これを破壊すれば
 マドーの実権を奪うことができる、と。

 しかし、魔王サイコは既に兄弟の腹のうちが読めており、洗脳し、最強のファイターと
 してシャリバン討伐に差し向ける・・・。

 敵を狙う敵の存在が当時としては珍しい設定。
 デザインはイマイチだが、ベンガルブラザーズのキャラクター設定は面白いと思います。

 だからあえてビーストを登場させる必要もなかったと思うのですが、ベンガルブラザーズ
 とショウリビーストの2段攻撃で必殺の作戦は、予想以上にシャリバンの精神力が
 強かった、というわけのわからない理由で敗れてしまいます。

 ちなみに、伊賀電の時の衣装が、以後ずっと使うことになる白のジャケットに本編より
 変更されています。


#12「異星人のほほえみ マイフレンド作戦」

→小次郎が主宰する宇宙人友の会は、子供達を集めて夜な夜な宇宙人の来訪を願うが、
 千秋や伊賀電はまともに取り合わない。

 ところが各地で、深夜に失踪して翌朝帰ってくる子供らが続出。彼らは一様に友好的な
 宇宙人と会ったと言う。

 マスコミも関心を示してちょっとした社会現象となった頃、伊賀電は小次郎に子供達を
 巻き込まないでくれと釘を刺すが、宇宙人とのコンタクトで興奮する小次郎は逆に
 取り合わない。

 友好的な異星人を装い、地球人の警戒心を解いて洗脳するというマドーの作戦だが、
 ウルトラマンAなど、過去の特撮番組でも比較的よく使われている定番の作戦である。

 ドクターポルターをして労せずとも地球を支配できるぐらい浸透した、と嘯くものの、
 新宿公園に集まった人数はせいぜい20人そこそこと言うところ。
 あまりにもこじんまりし過ぎていて説得力はまったくない。

 友好的な異星人を装ったオカリナビーストは、穏やかな顔つきから豹変するギミックが
 面白い。最も容易に想像しうるデザインなのだが子供が見れば充分ビビるレベル。


#13「強さは愛だ 英雄たちの旅立ち」

→エンディングテーマ曲名を冠した本編は、シャリバンこと伊賀電のバックボーンと、
 全編通したテーマが強調された、中身の濃いエピソードとなっています。

 KOジョーの異名をとる新人ボクサー、アライは、デビュー以来実に9戦すべてが
 1ラウンドKOという驚異的な戦績であった。
 評判を聞きつけた千秋と伊賀電は、KOジョーの試合を観戦するも、何故か引っかかる
 ものを感じていた。

 彼が所属するスポーツジムは、ボクシングのみならず野球や柔道とスポーツ全般多岐に
 亘っている。
 ジャーナリストと身分を偽ってKOジョーに接近する伊賀電。巧みに素手のパンチ力を
 測るも、一撃で顎を砕く程のものでないことを確信。何者かの力による、作られた
 チャンピオンであることを見抜く。

 KOジョーの過去や身辺を洗う伊賀電。彼が中学生の頃に母親を癌で無くし、当時貧し
 かった彼は適切な治療を施せなかったことを悔やんでおり、病院を建設することが夢
 だったという。

 説得を試みるも相手にされない伊賀電。彼を救いたい一心で、ギャバン隊長に相談する。
 悩むシャリバンに対し、ギャバンは、

 「本当の強さとはやさしさであり、愛だということを彼に教えなくてはならない」と説く。

 植物学者の父、伊賀電一郎は、電を伴って山登りをしていた最中、熊に襲われた親子を
 助けるため、必死で立ち向かった。何とか熊を追い払い、親子も無事であったが、
 致命傷を負った電一郎はそのまま息を引き取ってしまう。

 この日以来、父の意思を継ぐべく、真の強さとは何かを追求し続けた伊賀電は、聞く耳
 をもたないKOジョーに、自らの拳でもって教えたのだ。

 本編のエンディングでは、「強さは愛だ」の2番が使用されています。これ以降も、
 エピソードの内容に応じて何度か2番が使用されており、シリーズの音楽に対する細かい
 拘りが窺えます。


#14「連続夢魔におびえる億万長者」

→連れ合いを亡くしてから一人きりで大豪邸に住む加賀美ギンという老女は、連日の悪夢
 と不動産屋による土地買収の脅迫に悩んでいた。

 遊園地でたまの休日を楽しむ伊賀電とリリィであったが、観覧車から見える大豪邸の
 上空に、幻夢界と似たものに覆われていることに気付く。

 庭で意識を失って倒れている老女を助けた伊賀電は、日毎悩まされる悪夢について聞く。

 ギャバン隊長より、その老女がマドーに滅ぼされた宇宙人の末裔であり、広大な屋敷の
 敷地内に莫大な財宝の在り処を記すものが存在し、マドーはそれを狙っていることが
 判明した。

 宇宙人の末裔である老女、加賀美ギンを演じたのは風見章子という女優さんです。
 この方、端役専門で決して有名ではありませんが、齢80を超えていまだに現役で活躍
 されてます。CMやドラマなど、お顔を見れば誰でも一度は何処かで観たことがある
 と思います。

 単純に財宝があるのではなく、その鍵が隠されているとしたあたり多少工夫の跡が
 見えます。
 
 ヤ○ザばりの悪徳不動産屋の風体が、まさにバブル期に突入しようとしている時期に
 相まって妙にリアルなのも笑えます。


#15「海鳴りの仕掛島」

→ホシノスペースカノンの開発者である星野博士の一人娘、月子がマドーに誘拐された。
 
 月子の命と引き換えにスペースカノンの秘密を渡すよう、月子を妹同様に可愛がっている
 ギャバンを脅迫するマドー。

 シャリバンと共同でアジトと思しきビルに潜入するも、そこは単なる中継基地であった。

 やがて本当のアジトはかつてマクーが要塞として使っていた鬼首島であることを
 突き止めるのだが・・・。

 星野月子は前作「宇宙刑事ギャバン」に続いての出演。意外なことに、ギャバンも
 シャリバンも本エピソードに登場しないシリーズ最終作「宇宙刑事シャイダー」にも
 出演を果たし、小次郎と共に息の長いキャラクターとなっている。

 マドーの呼び出しに応じたギャバンが、オープンテラスのカフェにて待ち合わせをして
 いる際、小次郎と再会するという場面が登場する。

 世界観の継承が最も自然であることが本作の特徴として以前述べたものであるが、
 ホシノスペースカノンがグランドバースに搭載されているという設定といい、極めて
 効果的にリンクしていることが窺えます。

 加えて、スペースカノンの秘密を聞き出す為、ギャバンを拷問にかけるシーンでは、
 前作で父、ボイサーが受け続けた拷問とダブらせるという素晴らしい演出も見逃せない。

 生身のアクションシーンも含めて、ややギャバンこと大葉健二氏にウエイトがかかり
 過ぎているきらいはあるが、個人的には歓迎である。

 今回もギャバンのコンバットスーツによる戦闘シーンはないが、これは終盤までの
 お楽しみということで。

 
※次回『宇宙刑事シャリバンVol.2』(DISC-4 #16~#20)に続く






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Last updated  Apr 14, 2012 01:17:15 PM
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