|
テーマ:DVD映画鑑賞(14195)
カテゴリ:DVD雑感
以前、加藤直之の記事のところでも書いたのですが、原作であるハインラインの 「宇宙の戦士」は、ガンダムを初めとする”人間が乗り込んで操縦する”パワードスーツの ガジェットの原点と言われております。 長らく”映像化不可能”と言わしめていた原作ですが、ポール・バーホーベン監督の 手によって、1997年に映画化が実現しました。 バーホーベンというだけで一抹の不安はあったのですが、案の定と言うか、ガンダム 原理主義者の私が期待していた”パワードスーツ”の描写については鮮やかにスルー されてしまっており、その点だけで言えば非常に失望したものですが、映画自体のでき には概ね満足していたものであります。 で、2004年、何の前触れもなく続編が公開された時には、劇場公開されていたこと自体 まったく気が付きませんでした。 シリーズとしてナンバリングされた正式な続編とはいえ、誰一人知らない出演者や、 原作どころか前作とも直接繋がらない設定等、DVDの発売でその存在を初めて知った 私はその胡散臭さから即座に購入は見合わせていたものですが、先日廉価版の発売の際、 この程度の金額ならばと思って購入し、早速観賞いたしました。 結論から言うと、最初の発売時に購入を見合わせた私の判断は正しかったと思います。 前作のわずか5%という超低予算で制作された本作。 お金をかければその分面白くなるというわけでは決してないですが、そこかしこに努力の 跡は窺えるとは言え、やはりチープな感じは否めません。 上層部の無茶な命令で孤立した地球連邦軍の部隊が、敵に襲撃されて打ち捨てられた砦で 救援を待つが、実は進化した”バグ”によってその砦に追い込まれていて、人間の身体に 寄生して増殖を目論んでいた・・・というストーリー。 非常時下におけるヒューマニズムであるとか、戦場で成長していく主人公とか、ありきた りではあるが適度な風刺やテーマも盛り込んであった前作とくらべて、本作は単純なB級 サバイバルホラーに堕している観があります。 上記のストーリーを見れば直ぐに察しがつくように『エイリアン』シリーズや、 『遊星からの物体X』の設定に酷似・・・というより見せ方から何からすべて丸パクリと 言っても過言ではありません。 監督は本作が初となるフィル・ティペット。『スターウォーズ』シリーズを初めとする 特殊効果の第一人者であり、過去何度か賞も受けているほどその実力は評価されています。 全体的に薄暗い画面に、物語の8割強は閉ざされた砦内のシーンで、やはりセットの チープさが目に付きます。 それぞれのシーンの見せ方に、低予算は低予算なりの工夫を感じることはできるのですが、 最大の問題かつ疑問が、何故これに『スターシップ・トゥルーパーズ』のシリーズ ナンバーを冠したのか、という点につきるのであります。 これがまったく別のタイトルであれば、オリジナリティのないB級SFホラーという一言 で片付くのですが、安易に正式な続編の体裁を与えてしまったが故に酷評を得るのは やむをえないと言えるかも知れません。 今年、似たような制作環境で「3」のリリースが予定されているが、観たわけでもない のにこんなことを申し上げるのは何なのですけれども、多分本作のデキを大幅に上回る ものではないと推測します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 10, 2012 05:35:39 AM
コメント(0) | コメントを書く
[DVD雑感] カテゴリの最新記事
|