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テーマ:特撮について喋ろう♪(4719)
カテゴリ:特撮趣味
宇宙刑事シリーズの系譜に連なるメタルヒーローシリーズも本作を迎えて6作目となり、 前作、前々作の内容がいまひとつであったこともあり、正直、開始当初はまったく期待して おりませんでした。 主人公であるメタルダーのデザインが『人造人間キカイダー』のオマージュであることは 一見して判別できることから、安易な発想の企画である危惧を拭い去ることができなかった ものであります。 しかしながら、これまでのメタルヒーローシリーズが構築してきたマンネリズムを打破 しようとする気概は感じることができ、当時、微かな期待と大きな不安でもって初回を観賞 したことを覚えております。 そしてその時の衝撃も、いまだに忘れることはできません。 予告編のナレーションではないですが、観終わった瞬間「こいつはスゲェぜ!」と心の中 で快哉をおくったものでした。 まず音楽。 これまで慣れ親しんできた渡辺宙明から横山菁児に変更され、毛色の違う重厚なサウンド が、ヘビーなシナリオの雰囲気にマッチし過ぎる程マッチしておりました。 また、メタルヒーローシリーズでは初となる佐々木功が歌う主題歌 「君の青春は輝いているか」においては、その斬新なタイトルも去ることながら、歌詞に 番組名(ヒーロー名)がまったく出てこないという、当時の子供番組のセオリーからは 大きくかけ離れた異例中の異例でありました。しかも作詞は大河ドラマの脚本も手がけた ジェームス三木が担当。渋すぎるw ある意味インパクト最強の主題歌をバックに流れるオープニング映像にも度肝を抜かれます。 東映特撮ではおなじみの採石場らしきロケ地に、横一直線に並んだネロス帝国の軍団員が、 爆風と共に行進している映像の迫力には本当にびっくりしました。 オープニングを観ただけでそれまでの不安は一気に霧消し、ビデオに録画していたにも 関らず本編が始まると文字通り釘付けになったものです。 ・・・時は現代。 終戦後42年を経過し、ロボット工学の権威である古賀博士が緊急帰国した。 日本に降りかかる災いを予見し、かつて太平洋戦争の切り札として自身が開発した超人機 させるのが目的である。 一方、表向きは慈善家で知られる世界企業、桐原コンツェルンの総帥、桐原剛三は、裏で 各地の紛争を煽り、武器を売ったり、他社の原油タンカー等に破壊工作を行い、莫大な 利益を上げていた。 彼こそが世界制覇を狙うネロス帝国の総帥、ゴッドネロスの正体なのである。 桐原剛三は戦争末期、古賀博士と共に超人機の開発に携わっていたが、途中で外されて その計画の全貌を知りえなかった。 彼はその知識を、自身の帝国建設の足がかりとして、悪用したのである。 ネロス帝国は、戦闘ロボット軍団、ヨロイ軍団、モンスター軍団、機甲軍団の4つの軍団 で構成され、それぞれが階級制をしいている。 凱聖を筆頭に、豪将、暴魂、雄闘、爆闘士、激闘士、烈闘士、強闘士、中闘士、軽闘士の 称号である。 42年の歳月を経て、日本を脅かすネロス帝国に対抗する為に甦った超人機メタルダーは、 戦争で亡くなった古賀博士の一人息子の面影を元に作られている。 メタルダーに戦うことを教える為、また生と死について教える為、古賀博士はネロス帝国 の軍団員が待ち受ける中に飛び出していき、無残にも殺されてしまう。 回路に埋め込まれた戦闘本能が呼び覚まされ、超人機として戦闘形態に瞬転するが、 戦い方を知らないメタルダーはネロス帝国ヨロイ軍団凱聖、クールギンの一太刀の前に 敗北を喫してしまう。 辛くも一命を取り留めたメタルダーは沈み行く太陽を前に問う、 「風よ、雲よ、太陽よ、心あらば教えてくれ、何故この世に生れたのだ!」・・・と。 勢いで第一話のあらすじまで書いてしまいましたw 以降、心惹かれる女性との出会い等を通じて、徐々に成長するメタルダーに、それぞれ 味のあるネロス帝国の軍団員との邂逅がいちいち魅力的な本作なのですが、当然のこと ながら低年齢層にはまったく受け入れられず、視聴率は低迷を続け、放送時間の変更や 路線変更などの紆余曲折を経るも、結局打ち切りという最悪の結果で幕を閉じました。 主人公メタルダーの人間態、剣流星を演じた妹尾洸(現:青洸)の演技がヘボ過ぎて途中 から吹き替えられても、却ってロボットっぽくて味があったりだとか、ヒロインである 仰木舞を演じた青田浩子が、番組を通じて妹尾氏とイイ仲になった時に、お父様である 元プロ野球選手、故青田昇氏が激怒して、「娘はONクラスにしか嫁にやらん!」とか 当時としてもONクラスの選手なんかほとんどいなかったのにそれは無茶だろう、という 微笑ましいエピソードがあったりとか、ギャバン(大葉健二)シャリバン=スピルバン (渡洋史)マッドギャラン(春田純一)ダイアナレディ(滝川真琴)ら、かつての メタルヒーローシリーズ出演者が一同に会したエピソードもあったりとか、マニアックな 見どころも盛りだくさんであります。 バイプレイヤーである北八荒の登場から路線変更がかけられ、「命を奪わない」とした メタルダーの主義もあっさり覆され、昔の「ロボット刑事」並みの迷走っぷりを見せた 中盤のダルさは目を覆うばかりなのですが、最終回に近づくにあたり、どうせ打ち切り だからとヤケクソになったかどうかは定かでないですけれども、序盤以上にハード路線が 復活して鮮やかに幕を引いたあたり、やはり本作の非凡さは例を見ないものであると言って 過言ではありません。 当時の年齢のこともありますが、本作以降のシリーズ作品である「世界忍者戦ジライヤ」 や「機動刑事ジバン」など、同様にマンネリズムを打破しようとする作品は登場するも、 本作ほどツボにはまらず、徐々に観る機会が減っていきました。 従って本作は、私がこの手の特撮番組を熱心に観た最後の作品と言えるのです。 機会がありましたら、また全エピソードを紹介したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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