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テーマ:特撮について喋ろう♪(4719)
カテゴリ:特撮趣味
少し間隔が開いてしまいました。 前回は”奇星伝”のプロローグで締められていましたが、本編はそれにまつわるエピソード はありません。 基本オーソドックスなエピソードなのですが、何となく社会派というか、割と当時の世相 を反映したものが多いような気がします。 ”奇星伝”やオカルティズム色が強い後半のエピソードのみならず、通常のエピソード すらやや難解なテーマを扱っていたところが、子供受けしなかった要因のひとつかも 知れませんね。 20年以上経過した時点で、もちろん子供番組の幼稚な部分は否めませんが、当時の風俗や 文化などを垣間見えるエピソードの多くは、非常に興味深く観賞できました。 それでは早速各話の紹介を。 #21「密室の牙・リリィはミステリーがお好き」 →前作『宇宙刑事ギャバン』のパートナーであった叶和貴子演じるミミーとは対照的に、 ワイルドで大人の女性の雰囲気を備えた降矢由美子演じるリリィですが、これまで今いち 存在感が薄いというか、シナリオの中心となることがなかったと思います。 定期パトロール中にマドーの襲撃を受けたシャリバンは難なくこれを斥けるが、実は真の 目的はグランドバースに魔怪獣を潜入させ、破壊することであった。 卵状態の魔怪獣をモトシャリアンに付着させたまま帰還したシャリバンは、マシンの清掃 を行ってもその事に気付かない。 リリィからの定時連絡が途絶えていることをギャバン隊長から聞かされ、異変を察知して 帰還しようとしたところ、マドーの陽動作戦に引っかかり、戻れなくなってしまう。 その頃グランドバースにひとり残されていたリリィは…。 普段はあまり描写されることのない艦内の様子が確認できる珍しいエピソード。 しかもリリィこと降矢由美子さんのシャワーシーンやレオタード姿が拝めるサービス ショット付きですw 一見してエイリアンのパクリであることが分かりますが、それなりに密室の恐怖という ものを再現できているのではないでしょうか?でも幼生体の酷似ぶりは少々やり過ぎの 気がします。 成獣となったウツボビーストは身体全体がモンスターの顔面を模したデザインで、 中々よくできていると思います。でもモヤットボールみたいな棍棒は、グロテスクな 外観とは裏腹に妙にチャチいですねw ちなみにサブタイトルのミステリーとは、文字通り艦内でリラックスしているリリィが 飲み物片手に読んでいた小説を差します。 #22「テニスプレーヤーを襲う天国への誘惑」 →有名人を暗示にかけて自殺に追い込み、一般人の後追い自殺を誘発しようという何とも まわりくどく、かつ後味の悪い作戦を展開するマドー。 最初の標的となるテニスの天才少女花井ジュンを演じるのは前年に放送された「大戦隊 ゴーグルファイブ」における”幻の”ゴーグルピンク役で特撮オタには割と有名な元B級 アイドルの早坂あきよ。前回のリリィに続き、またもシャワーシーン有りというすでに 大きいお友達を意識しているかのようなサービスショットの連発ですwテコ入れの一環 なのでしょうか? 彼女を暗示にかけるマドーの魔怪獣、シニガミビーストの人間態を演じるのはPS2の 『宇宙刑事魂』にも出演され、昨年亡くなられた曽我町子氏です。 氏の真骨頂である魔女スタイルはまったく違和感がなく、怪しげな占い師を好演されて います。 本編の最後に、いつものように政宗一成氏のナレーションが被さるのですが、妙に説教 臭く、力が入っているのが意味深です。 #23「コピー時代の恐怖 そっくり人間大集合」 →いつの間にかコピーの人間と入れ替わっている・・・というプロットならば、ディック的 SF要素満点のエピソードに思えるが、劇中ではコピー人間に悪いことをさせて人間 不振にさせるという、恒例の回りくどい作戦を展開している。 ここに登場する古田家の子供達のコピー人間が登場するのだが、これを特撮ではなく、 すべて双子の子役でまかなうという荒業を見せている。 父親役はベテラン漫才師、青空球児。息子役はスーツアクターの蜂須賀祐一、昭二が それぞれ演じています。 コピー人間の製造過程を、クローン技術などのアプローチがあればそれなりに説得力も あるのだが、実際は廃工場の一室でニメンビーストが電送みたいに作っているのが 萎えます。このペースじゃ社会全体を混乱させるのにどのくらい時間がかかるのか・・・。 冒頭のシーンで伊賀電がリリィをドライブに誘うシーンは、二人の関係性を窺うのに 非常に興味深いのですが、パトロールと称して一緒に車に乗っているのはある意味 ドライブと言えるのでは・・・と思ったりw ギャバンに窘められてムクれるリリィの仕草が女性的で可愛いです。でも降矢由美子 さんってもう50近いんですよね・・・。 #24「昆虫ハリケーンが運んだ日本なまけ者病」 →”ムシキング”などに興じる最近のガキ共を見ていると、こういう作戦もアリなのかな と思ってしまう。 子供達の大好きなカブトムシやクワガタをタダでバラまいて、その虫から発するナマケ モノガス(←劇中の呼称不明)によって人間の気力を奪ってしまうという、相変わらず 回りくどい作戦である。 それでもそれなりの社会困難を引き起こすことに成功し、車を運転していたオッサンが 「ハンドルを切るのもメンドクサイ」という名言を吐いて電柱に激突していたのが個人 的にはツボでした。 必死で昆虫を回収しようとする伊賀電とリリィに対し、マスコミを使って昆虫の安全性 を喧伝させるところは秀逸。計らずも、マスコミの情報操作の恐ろしさを暗示すること に成功している。 冒頭の教室のシーンで、終業と共に現れたビールスビースト扮するナゾの昆虫親父に対し、 毅然と「昆虫を配るなんて話は聞いていません!確認してきます!」と言った女性教師は 立派。でもできたら子供達が帰る前に言って欲しかったところw #25「鬼の目に涙・天使の涙・パパ助けに来て」 →とある豪邸に住む小学生の兄妹と母親が、マドーに誘拐された。この家の主人は郷原と 言う一流企業の社長。 ギャンブルで作った借金の金利が、何と一千億という無茶極まりない要求に際し、更に 家族まで攫って会社を譲渡せよと迫る。 昨今、法外な金利をボッタくったり、脅迫まがいの取立てを行ったりなどが社会問題化 しているが、それより遥か上を行く悪質さ。 どうもこのマドーという組織は、こと経済活動については妙にリアルで生々しく、 いい加減な侵略計画の割りにカネには非常にシビアな描写が多い。 マドーの金融詐欺は金持ちだけに限らず、小次郎のような一般人までも手を伸ばして いるのが面白い。「無担保・無金利・無制限」などと書かれたチラシを見せて伊賀電に 訴える小次郎。電曰く「こんな条件なら僕だって借りたい」ってそりゃそうだw 金融屋に乗り込む伊賀電だったが、そこにはマドーが待ち構えていた。 ホステスのアルバイトを、しかも泊り込みですると公言する千秋を笑って見送る親父 とか、郷原の記事を「謎の社長一家失踪」(それも言うなら社長一家謎の失踪だろw 意味変わってるじゃんw)と書いていたりとか、カジノ船に麻薬入りのカクテルを ふるまっていたりとか、とかく問題表現が多いエピソード。 バブル真っ盛りの放送当時の世相を反映しているが、現代にも通じるイヤなシナリオ である。 ラストで、無事子供達を取り戻した郷原だが、会社は取り戻すことができず、豪邸を 引き払うシーンで終わっているのが何だかわびしいです。 ※次回『宇宙刑事シャリバンVol.3』(DISC-6 #26~#30)に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 16, 2012 01:46:55 AM
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