PS3の発売日、価格発表
今年に入って当初今春発売予定であった次世代ゲーム機、PS3の発売延期がかなりギリギリのタイミングで発表されました。更に本日、PS3本体発売日決定のニュースが発表された↓↓↓↓↓http://news.www.infoseek.co.jp/topics/computer/playstation.html?d=09kyodo2006050901001170&cat=38&typ=t日本では11月11日(土)の発売。価格は税抜きで\59,800とのことである。先行する次世代機、XBOX360が最大の競合となるPS3を意識して現行機の初回価格並みの思い切った低価格を打ち出したものであるが、特に国内における不振は如何ともし難く、その状況も踏まえての強気の価格設定であるとも言えるだろう。勿論次世代DVD規格ブルーレイディスクを始めとするデジタルメディアの最新技術がふんだんに投入されているのであろうから、この価格でも安いと言えるのであろうが、そんな理屈はどうしてもPS3の持つポテンシャルが必要だと感じている一部の好事家のみである。それはともかく、この価格が一般的に高いか安いかの議論は別に譲るとしても所謂ゲーム機の機能のみに特化して考えた場合、とてもではないが安いとは言えないだろうと思われる。それは即ちPS3が純然たるゲーム機ではないと自ら公表しているようなものだ。ゲームが子供の玩具でなくなってから久しいが、大人でもこの価格は購入するのに躊躇すると思われる。個人的なことを言えば、私の一カ月の小遣いよりも(遥かに)高いw現行機であるPS2は、デジタル家電マニアでない一般層に浸透していないDVDメディアの普及に与ったことは厳然たる事実である。それは発売当初、一番売れたPS2用ゲームソフトよりも映画『マトリックス』のDVDソフトの方が売れたことでも容易に証明される。この時、ゲームマニアおよびデジタル家電マニア以外の一般層が着目したのは、当時単体では再生専用機でも5万円台はしたDVDプレイヤーとしての価値に他ならない。「最新のゲーム機の機能がついたDVDプレイヤーでこの値段(\39,800)ならば安い」という消費者の購買心理が働いたことが、爆発的普及の要因であった側面は否定できない。個人的な意見だが、PS3のマーケットを分析した場合、PS3を購入し得る層(関心がある層と言い換えても良い)というのは既にPS2を所有している人間に限定されると思われる。何故なら、今の今までPS2を所持してこなかった人間が、PS3ならば必要になるのか?と逆説的に考えた場合、答えは否であると言わざるを得ないからである。現在PS2は実売価格で2万円を切っており、その機能からすれば破格の値段であると言える。現在、DVDの再生機能のみであれば5千円を切っているが、発売より5年余りの期間で蓄積された膨大なソフト資産の魅力も加味しての値ごろ感である。振り返ってPS3の場合はどうか。PS2発売時期の状況と比較すると、その必要性というか、ニーズが薄いのは明確である。ブルーレイが次世代DVD規格の主流となるかどうかはいまだまったく不透明であるし、そもそも次世代DVD自体が一般的な市場で求められているのかどうかも微妙だ。加えてゲームを取り巻く事情も決して好転しているとは言えまい。世間的にはニンテンドーDSの爆発的なヒットは社会現象となっているが、それは携帯ハード故の手軽さと、何より一般層が手を出しやすいギリギリの価格設定に起因することはほぼ間違いない。PS2の\39,800がリーズナブルに思えたものが、更に2万円高くて果たして同じように思えるものであろうか?答えは11月に明らかになると思うが、ライバルとなるXBOX360は残り半年で何が何でも良質のソフトをリリースすること。そうすればハード発売当初は恐らく年末商戦においても充分なソフトを供給することは難しいであろうから、巻き返しのチャンスはある。FFシリーズの産みの親である坂口氏が手がけるRPGがPS3までに発売できるか、またそのできが期待通りであるか、が大きな鍵になると思う。一方、DSの好調で携帯ゲーム市場では主導権を握るかつての王者任天堂は、レボリューション改め「Wii」の発売時期は未定ながらも、PS3発売以降であれば一気にシェアを奪うことも可能性は否定できない。その際は当然”ゲーム機”としてのアプローチとなるだろうから、値段的にも大幅に安くなるのではなかろうか。いずれにしても、家庭用ゲーム機の現行市場においてアドバンテージがあるPS陣営の優位性は否定できないが、この内容でPS3の発売時期と価格を打ち出したことで、マイクロソフトおよび任天堂は大きなチャンスを得たと言えるのではないか。私は買いませんが、今後の動向には注目して行きたいと思います。