ちびくろ・さんぼ
私が保育園時代、もしくは小学校低学年くらいまでに読んだ本というのはほとんど内容を覚えています。ちょうどこの頃は、いろんな言葉に多く触れ、数や量の概念を獲得できる年齢でもあり、思考的にも独自の考えを持つ頃です。何にでも自分という人間を中心に物事を考えられるし、どんな物にも命や意識があると感じ、感覚的にも研ぎ澄まされた時期です。この頃読んだ本で、とっても記憶が鮮明なのが、ちびくろさんぼ今でも思い出す、ぐるぐる木の周りを回ったトラたちが、バターになってしまい美味しそうだったこと…当時、まだバターって今ほどポピュラーではなかったのですが、異様なまで、バターの虜になりました。バターは本当においしい…今でもバターだけ食べてしまいます(笑)そのバターのとろける感と色とおいしそうなにおい(実際はもちろんにおいはしませんが)が、当時の私には衝撃的だったのです。絶版になっていたものが数年前に復活。2や3巻まであるとは今まで知らず今回読んでみて、とっても普通なんだけど、思わず笑顔があふれてくる、子供に読み聞かせてあげたい、そんな本だな~と改めて感じました。 原作そのものの日本語版はまだ息子には1しか読んでいないのですが、トラがぐるるるるるるるるるるるるーーーってのが気に入ったようです。ホットケーキやら、はちみつやら、なんとも美味しいそうな内容です♪もう一冊はおしいれのぼうけん!おしいれがブームだったんです、この頃の私…その頃はまだ新居を建てる数年前の借家住まいで、ベッドを持っていなかったので、ドラえもんの影響か?押入れに布団を敷いてもらって、寝たりしていました。なぜか押入れはとっても愛着があって、その後の高校生位の年齢まで、母とけんかするとどうしてか?押入れにこもって泣いたり瞑想したりしていました。ちょっとした一人で居られる空間なんでしょうか…当時保育園にも通っていて、この本の舞台も保育園。悪いことをすると押入れに入れられる!ていう恐怖感と、そこにはとっても怖い「ねずみばあさん」がいることでさらに怖さが倍増!!リアルな描写が、小さい私にも、かなり心にせまるものがあったんでしょうね…結構字が小さく、物語も長いのですが、4歳の息子も飽きずに聞いてくれました。『僕が保育園の頃は、ねずみばあさん、いなかったよーーー!』って言っていましたね。幼稚園に入る前は、よく一時保育園に預けてましたから、そのとき押入れに入ったかどうかは定かではありませんが、自分の立場に置き換えて感じている点に、ちょっと感銘しました。今通っている幼稚園は図書館もあり、とっても本の読み聞かせを沢山してもらっているよう…どこの園も、もちろん力を入れていると思いますが。昔から読まれている絵本、自分が読んだ絵本を、これからも息子に読み聞かせたい、強く思った年末です…