関数に斜めはない!
時期的に(ちょっと遅いけど)関数の導入を。と言っても、「関数が出来ない」ことの原因には、どの学年でも共通して見られる兆候があるので、それを見てみたいと思う。中1~中3まで(場合によってはそれ以上)で関数が苦手な場合、まず最初に疑うべきはグラフ上での視線の動きである。例えば、A(1,3)の点を取れの様な問題は、よく考えれば出来る。(良くある誤答パターンはxとyを逆にする場合。結構多いパターンなので、注意する。迷う子は、この先の話にも関わってきます)そして、A(1,3)からB(3,5)までの移動を考えるときに、関数が出来る出来ないの違いがはっきりする。出来ない子の場合は、これを斜めに移動する。出来る子は、右→上の順に移動する。座標平面はxとyと言う要素から成り立っており、それらはあくまで別物であることをはっきりと認識させねばならない。まず第一に、xは1→3まで2増えた。第二に、yは3→5まで2増えた。これらをそれぞれ分離させて、「xの事を考えるときはあくまで左右方向のみ」「yの事を考えるときはあくまで上下のみ」の動きに集中する。私の場合は「xだけを考えてね、xは上下の動き?右左の動き?」とわざわざ聞いたりもするくらいだ。この「右左→上下」の流れを訓練づけることが出来れば、右はxの増加、上はyの増加(もちろん逆は減少)に話をすり替えるのは簡単だ。高校数学で微分などやる場合はともかく、中学の段階では徹底的にx・yと言う2つの要素を分離して考えさせるべきだ。それぞれを一つ一つ考えることが第一。x・yの動きを連動させて考えるのは、それに慣れてからで十分なのである。教える側と教えられる側、理解の隔絶はここで起こる。教える側には本当に「当たり前」過ぎて看過される部分は、ここなのだ。子どもたちには、平面が見えていない。動き方にルールがあることが分かっていない。まずは平面を斜めに動くな!右左→上下の2段階で動け!である。座標平面についてはx軸・y軸を認識させると言う大きな山が控えている。x軸上ではy=0であると言うアレですね。が、それはまた次の機会に。