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カテゴリ:芸術
たまたま街で☆t.A.T.u.☆のNOT GONNA GET USを小耳に聴いた。 さっそくTSUTAYAでベスト盤を借りてきてipodに入れてみた。 すごく印象的な歌だ。 NOT GONNA GET US(ナッ・ゴナ・ゲラース!)のヒステリックなフレーズが耳にこびりつく。 聴いているうちにt.A.T.u.のヒットの秘密がわかってきた。 普通の女性デュオのユニットは合唱する。 PUFFYの【アジアの純真】やABBAの【ダンシング・クィーン】はソプラノとハイ・テナーの合唱の典型だが。 t.A.T.u.は別々の歌詞を歌う。 シンディ・ローパーのようなキンキン声で「ナッゴナゲラ・ナッゴナゲラ・ナッゴナゲラァー」とテンポ速く歌うパートと。 セクシー・ハスキーでゆったりと歌うパートに分かれて微妙に重なっている。 歌うリズムも違っている。 こういう曲はめずらしいだろう。 それで部分部分で早くなったり遅くなったりしている。 気がついたのはショパンのノクターンだ。 ショパンのピアノ曲は高音の左手でメロディを奏でるが、右手の激しいリフレインでベースリズムをとる。 しかも右手と左手のリズムは異なっているから、和音だけではなく、微妙かつ瞬間的に不協和音が発生する。 実はこれがショパンの狙いで、瞬間的な不協和音の残響刺激がスパイスになって、耳で聴いたピアノの音域が広がるのだという最新の研究結果がある。 ショパンも曲の途中でリズムが速くなったり、ゆったりしたり、まさに「ショパン・メソッド」で変化が出てくる。 これは即興曲の特徴だが、ショパンは効果的、戦略的に楽曲に組み入れた。 それでポロネーズのリズムまでピアノの旋律に入れてしまったのだ。 だから不協和音をとりのぞいて、優雅に弾こうとする最近のブーニンのノクターンは面白くない。 ショパンの楽譜に忠実なアシュケナージの【革命】は迫力があるわけ。 t.A.T.u.の作曲家は、ショパンの楽曲を数学的に解析し、女性デュオの歌唱に改造したと考えられる。 さすが数学の王国だな。 ここからダウンロードできます。 t.A.T.u. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.12.04 16:39:45
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