あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった~カウラ捕虜収容所からの大脱走
戦時中、オーストラリアのカウラで日本人捕虜200人以上が収容所から集団脱走を図り死亡した事件をドラマ化したものでした。捕虜となれば生きることを恥じ、死をもって誇りとする時代。国のために、家族のために、死を選ぶ彼らの姿に胸が痛くなりました。心の中で生きたいと叫びながら、死への突撃は本当に残酷です。捕虜となり収容所で生きていた事実すら、『恥』という概念から家族にも知らされずにいたなんて。今だからこそ平和な時代に生かされている私たち。自分の意志を貫ける時代。自由を与えられている時代。どんなにかそれが贅沢なことか。命懸けで日本を守り、人生を生き抜いてきた方たちに敬意を表するとともに、今の日本で平和に生かされていることに感謝します。今の私たちがあるのは、そうした時代を生き抜いてきた方たちの恩恵によるものだと、改めて感じました。脱走をするかしないか=生か死か。○か×かで命の決断を書き記すものはトイレットペーパー。命を託すには、あまりにも軽すぎるものでした。