カテゴリ:短編
「私達はいわば二回この世に生まれる。
一回目は存在するために、 二回目は生きるために。」 (ルソー) 「いや~ん、もう飲めなーい。ムニャムニャ」。 寝言を言ってると、誰かが私の顔を舐めた。 「うーん。なにー? 誰なのー?」。 ――アッ、猫!! 私は飛び起きた。 なんでここに黒猫がいるの!? どこから入ってきたのかしら? 「シッ、シッ! あなたのお家に帰りなさい」。 私はドアを開けて猫を追い出そうとしたけど、 黒猫は逃げるどころか、私に擦り寄ってくる。 どうなってるの? 私が飼主みたいじゃない。 ん!? そーいえば、あなた、 あのときの猫じゃないの? 私はある出来事を思い出した――。 それは半年前の寒い冬のこと。 子猫が玄関の前でしきりに鳴いていた。 捨て猫が飼主を探していたのでしょう。 消えかかる命の炎をたぎらせて 必死に鳴いていたのです。 私は猫が大好きで、できれば飼いたかったのですが、 母親が動物嫌いのために、断念しました。 胸が締め付けられる思いで・・・。 でも、猫が今ここにいるということは、 あの猫を私が飼っていることになる。 なんだか頭が混乱してきた↑→←↓。 いったい、この現実はどうなってるのよー!? つづく・・・ ブログ作家 kane お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/01/17 05:46:57 AM
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