ヨシの散髪
リョウは何ヶ月かに1度は駅前の美容院に行っているのだけど、ヨシは1年前に美容院に行って以来 前髪を家で切るぐらいだった。 おかげで、横と後ろは伸び放題。ちゃんと髪を結ばないとボサボサになるし、第一、髪の先が傷みかかっていてすぐにもつれてしまう。それに、シャンプーもすすぎにくいのか、近頃 頭の湿疹もなかなか良くならない。 …というわけで、髪を切ることにした。 床に新聞紙を敷いて椅子を置き、そこにヨシを座らせた。そして首にタオルを巻いてケープをかぶせる。ビデオを見せながら散髪開始! しかし、ヨシの散髪は初めてである。前髪は何度か切ったが、いつも切りすぎる。初めて切った時も生え際から1センチぐらいの長さになり、ダンナに怒られた。その次切った時は長めに切ったつもりでも生え際から2センチの長さになったのである(- -;)。なので、散髪は大の苦手だった。 で、いつもはダンナ母が切ってくれていた。遊びに行った時に「ヨシの髪が長くなってきましたねぇ」なんて話をすると、いつの間にかきれいに切ってくれていた。今まではそれに甘んじてきたが、やっぱり自分でやらなきゃならん!と挑戦する気になったのである。 まずは前髪をチョキチョキ。ちょっと目にかかるくらいの長さだったので、1センチ切ればいいかな?と思っていたのだけど……結局眉毛から1センチ上くらいの長さになってしまった。 気を取り直して、右から左へと横・後ろの髪を切る。随分伸びていたのだけど、肩のラインくらいに切ればいいかな…と思っていたら、右よりも左の方が短く、肩のラインよりも思い切り上に切り上がっている。長い髪がお好みのヨシだから、こんなに短く切ったら怒られるかなぁと思いながら、「うーん、これくらいなら結べるね」とささやいておく。 ヨシが長い髪が好きなのは「髪の毛を結べるから」らしいから、短くても大丈夫かな…? とりあえず、右と左が同じ長さになるようにチョキチョキ。 それにしても、細く少ない髪だったのに、切り口の断面を見ると、かなり増えたような気がする。毛先を整えようにも整える術を知らないので、散切り頭のできあがり。それでも頭のてっぺんで二つに結ぶことができ、欠点をカバーすることができた。 これなら、明日幼稚園に行ける…かな。 昼寝から起きてきたダンナがヨシを見て、一言…。「か~わいぃ~!座敷わらしみたい~~!!」 ざしき…わらし……ですか(- -;)。 ダンナの言葉にますます沈んでしまったが、ダンナはヨシの姿をビデオや写真に納めたりして「それなりに」好印象を持った様子。実際、ヨシは短めの髪の方がかわいいと私も思う。 そして、ヨシは髪を結べたことで不満はなく、ダンナがしきりに「かわいい」と言ってくれたおかげで嬉しそうにしている。 髪を切っている時はどうなることかと思ったけど、怒られずに済んでホッとした。 でも、2年後、3年後になると 思いっきり文句を言われるんだろうな……。