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June 29, 2023
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カテゴリ:文化

認知症の世界

筧 裕介(認知症未来共創ハブ設立メンバー)

症状は一人一人異なる

皆さんは認知症について、どれだけご存じでしょうか。

認知症のある方は、いつ・どこで・どのような状況で、生活に困難を覚えるのでしょうか。それは、どのような原因によって引き起こされているのでしょうか。

これまで、当事者の視点から認知症について書かれた情報は、ほとんどありませんでした。そこで、認知症について「本人」の視点から、実際にどう見えているのか、どう感じているのか、それはどのような理由で起きているのか、『認知症の世界の歩き方』(ライツ社)にまとめました。

認知症になると、身の回りのことができなくなる、介護施設に入ってサポートを受けないといけない。こんなイメージを持ってはいないでしょうか。

認知症は「認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態」です。何ができて、何ができないのかは、人それぞれで異なります。また、症状の進行具合によっても、変化します。

認知症は特別なことではありません。だれでも、二分足の時や、酔っている時には、認知機能が著しく低下するものです。また、85以上の50%が認知症だといわれています。認知症といっても、私たちの生活と地続きであることを知ってほしいのです。

誰にでも当然のように起きる認知症について、自分とは関係のないことだと思わず、ちゃんと理解してもらえるからと思っています。

 

 

孤立せず周囲とつながる

本の中では、認知症の方が経験する出来事を13のストーリーにまとめました。

例えば「乗るとだんだん記憶をなくす ミステリーバス」――いつも乗っている電車やバスなのに、どこにいるのかがわかりづらくなり、乗り過ごしてしまう。いわゆる物忘れとは異なり、記憶障害が原因です。

こうなると、誰かと一緒でなければ出掛けられないと思いがちです。でも、行き先が分からなくなっても、行き先の書かれたメモを用意しておけば、自分で確認できますし、周囲の人に「ここまで行きたいのですが」と尋ねることもできます。

認知症と診断されたからと云って、全てのことができなくなるわけではありません。できること、やりにくいことを知って対応していきたいものです。

自身が認知症かも知れないと思ったら、医師の診断を受け、自分の現状を確認することが大切です。薬を処方してもらえば、生々の信仰抑制にもなります。

その上で、一人で悩まず、話がしやすい人に打ち明けることです。それは家族でも友人でも、電話の相談窓口でもかまいません。とにかく周りとつながることが大切です。

一人で悩んでいると、生活も大変になるし、精神的にも追い込まれていくことになりかねません。つながるだけでも、生活の改善につながり、症状の進行が遅くなる可能性があります。

周囲の側は、認知症という先入観にとらわれず、本人の状況を正しく理解し、その上で、どのようにフォローしていけばいいのかを考えてください。

 

不可解な行動には理由が

当事者の視点を知ってほしい

 

 

生活の延長線上にある

それぞれのストーリーの中に、どのような認知症の生涯があるのかを44個にまとめています。

それを見ていくと、自分はこれに当てはまるとか、ここは大丈夫だとか分かるはずです。もちろん、強く当てはまるものと、そうでないものとが、グラデーションのようになっているはずです。

強く当てはまるものは、自分だけで継続するのは難しかったりするので、周囲にサポートしてもらえればいい。逆に、自分ひとりでもできることは、自分でやるようにしましょう。

正直言って、認知症事態に偏見を持つ医療者や行政担当者もいます。だからこそ、どうしてそんなことをするのか、行動の理由を知ってほしい。当事者が何に困り何を感じているのか、そこに目を向けてほしいのです。

書籍以外にも、認知症世界の歩き方カレッジというポータルサイト(https://issueplusdesign.jp/dementia_world/college/)があります。そこでは、学びを深める検定、困りごとなどの理解を深めるダイアログ、オンライン形式で学べるPLAYの三つのコンテンツが用意されています。

こういう場所も利用して理解を深めてもらえたらと思います。

認知症といっても、怖がったり、ネガティブに考える必要はありません。これまでの生活の延長線上にあるんだと、理解を深めてもらえたらいいと思います。

 

かけい・ゆうすけ 1975年生まれ。 Issue+design代表、慶應義塾大学特任教授。社会課題解決のためのデザインの研究・実践に取り組む。「認知症とともによりよく生きる未来」を目指して創設された「認知症未来共創ハブ」の設立メンバー。近著に『認知症世界の歩き方』がある。

 

 

 

【文化Culture】聖教新聞2022.3.10






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Last updated  June 29, 2023 05:49:22 AM
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