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February 2, 2024
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カテゴリ:教育

テーマ

わが子にこそ傾聴を

傾聴カウンセラー 辰 由加さん

答えは〝相手の中にある〟と信じて

アドバイスはNG

傾聴とは、買うセリングの技法の一つで、「相手の中に答えがあると信じて、関心をもって肯定的に相手の話を聴く」コミュニケーション法です。

まず「相手の中に答えがあると信じる」とは、こちらが答えを提示したり、アドバイスをしたりしないということです。

人は、相談事をされると、どうにかしてあげたくなる感情が湧くもの。するとつい、自分の成功体験をアドバイスとして伝えたくなります。しかし、アドバイスはあくまでもこちら側の意見であり、相手にとっての答えとは限らないのです。

もし、相手がアドバイスを欲しいようなら、伝える前に必ず「私だけの思いだけどね」とか「私の答えがあなたの答えになるとは限らないけど」と一言添えて伝えるようにしましょう。

次の「肯定的に相手の話を聴く」とは、たとえ、うそっぽい話でも、納得できない話であったとしても、一度は受け入れ、決して正しいかどうかジャッジ(審判)しないということです。聞き手は、自分の経験や価値観をすっかり後ろに置いて聞きましょう。

傾聴において、「アドバイスをしないこと」と「ジャッジをしないこと」はとても重要です。〝話をしても、否定されたり、意見を押しつけられたり、説教されたりしない〟ことが、話し手にとって安心・安全をもたらしてくれます。

また、聴き手には守秘義務があります。たとえ家族の間でも、相手の話を聴こうという姿勢で臨むなら、一対一の守秘義務を守ることが大切です。

お子さんの話を聴いていて、大事な話になりそうにあった時は「ママはこの話、絶対に誰にも言わない。パパにも言わないから安心して」と非酒を守ることを一つ一つ言葉にしていくと、お子さんはお母さんを信頼してくれます。守秘義務も話し手にとって安心・安全な場所の確保につながります。

 

 

近しいから難しい

実は、近親者への県庁は、カウンセリング業界では非常に難しいとされています。その理由の第1は、近親者とは心配事や困り事、悩みを共有していることが多いため、つい問題を解決してあげたくなり、アドバイスやジャッジをしがちです。

また、理由の第2に、家庭内では、話し手と聞き手の間に〝何でも話せる〟相互の信頼関係を形成することがとても困難な場合が多いからです。ともすると、子どもの悩みの原因が親であるあなたにあるかもしれないということです。

反対の言い方をすれば、家庭において傾聴をしようとするなら、いかに普段から、〝何でも話せる〟相互信頼関係を築くことを意識し、アドバイスやジャッジをしないように我慢できるかどうかが鍵になります。

近親者への傾聴は、短い時間でも効果があります。チャンスは何度逃しても大丈夫です。長く話を聴こうとするより、気がついたときに「何かの無?」「散歩でも行く?」などと、ほんの5分や10分でも、しっかりと向き合う時間をつくる方が大切なのです。その方が、自分の気持ちに寄り添って呉れようとしていることが、近しい間柄だからこそ伝わり、お互いの信頼関係を再構築できると確信します。

創価学会に皆さんは人に寄り添う活動をされていると思いますが、傾聴も、相手が話したいことを自由に話せるよう、受動的・共感的な態度で丁寧に寄り添うことが求められます。

「傾聴」の「聴」という字は、耳と目と心という字でできています。つまり、相手の言葉や声のトーンを捉える「耳で聴く」。相手の姿勢や態度、表情、呼吸などを見逃さない「目で聴く」。耳と目から情報以外に、背後にある奥の感情に素直に共感する「心で聴く」。この耳・目・心をフル回転させて、まさに全身全霊で聴くことが傾聴です。

 

 

前を向く手助けに

傾聴で大切なことは、一生懸命聴くことはもちろんですが、一所懸命聴いていることが相手に伝わっているかどうかです。具体的には以下の点に気をつけましょう。

➀相手から目をそらさない。

②相手にわかるようにしっかりわかるようにうなずく。

③気持ちと呼吸を相手に合わせる。

④声のトーン、大きさを相手に合わせる。

⑤相手から出た感情の言葉を見逃さず、しっかり繰り返す。

⑥話が、一段落したところで、相手の話を要約する。

⑦自己決定、意志決定ができたときは、逃さず承認し、称賛する。

⑧言葉にならない感情を代弁する。「悲しいねえ」「うれしかったね」など。

どれも、〝主人公は相手〟であり、〝寄り添おう〟と思えば、自然とできることばかりだと思います。

カウンセリングで傾聴すると、多くの人は最初〝過去の事〟ばかり話します。そして、だんだん、〝今の事〟を話すようになっていくんです。なぜなら、話している本人が自分自身に対する理解を深め、自分で意思決定できるようになるからです。傾聴は、本人が前を向くための手助けとなるのです。

傾聴を学び始める方の多くは「人の話を聞けるように変わりたい」とおっしゃいます。しかし、傾聴は自分が変わるために学ぶのではありません。

「大切な人の心を聞きたい」「子どもとの関係を築きたい」という純粋な思いが大切なのです。傾聴するときは、相手が自分の子どもであっても、「聴かせてね」という相手を尊重する姿勢や思い出寄り添いましょう。

私は、傾聴は「愛」だと思っています。相手を受け入れ、徹底して信じるからです。そして、その愛は自分を愛し、大切にすることにもつながっています。大切な家族だからこそ、傾聴でより深い信頼関係を築いていければと思います。

 

 

【教育】聖教新聞2022.9.22






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Last updated  February 2, 2024 04:53:55 PM
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