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開業150年 日本の鉄道 鉄道写真家 南 正時 わが国の鉄道は1872(明治5)年10月14日に「新橋停留所」が開業、岡上記と言われた貴社が新橋―横浜間を53分で走った。この鉄道創業からことし2022年10月には150年の節目を迎える。その鉄道発祥地となり起点となった場所は、玄新橋駅から徒歩5分ほどの「汐留シオサイト」伸びツ軍の一画。「旧新橋停留所」が創業時の駅である。ここには鉄道創業時の貴重な資料や遺構が保存されている。再開発に当たり発掘された当時のホーム跡や駅舎の基礎部分がガラス張りの床から見ることができるほか、当時の鉄道の起点「0哩標識」と双頭レールが復元され展示されている。現在同館では「鉄道開業150年記念 新橋停留場、開業!」と題した企画が11月6日(日)まで開催され、展示室は鉄道開業時の錦絵や資料が展示され150年前の鉄道を忍ぶことができる。普段非公開の資料ばかりなので一見の価値がある。 この旧新橋停留所(汐留貨物駅)で1972(昭和47)年10月14日には鉄道100年の記念式典が執り行われ、当時の国鉄総裁、オリンピック金メダリスト、芸能人を招き、C57型SLによる記念列車が新橋(汐留)と横浜間を走行した。
東海道新幹線で世界最速に
今年の開業150年まで大きな節目であったが、鉄道創業期から100年までの最大の鉄道の出来事といえば、1964(昭和39)年の超高速鉄道「東海道新幹線」の開業が挙げられよう。それまで狭軌鉄道に甘んじていた日本の鉄道が、世界標準機により世界最速の時速210㌔という鉄道に一躍躍り出たのである。 この鉄道100年以降、筆者の独断で挙げれば国鉄解体分割化民営化があげられる。そして、その結果が赤字ローカル線の相次ぐ廃止、第三セクター化を招き、利用者、行政の大きな負担になった。新幹線関係ではミニ新幹線と言われる「山形」「秋田」新幹線の開業、さらには300系「のぞみ」の登場により最高時速270㌔、宿願の東京―新大阪間を2時間30分で結んだことは特筆される。この公式四条会の列車には「新幹線生みの親」と言われる島秀雄元国鉄技師長が招待されていたことも筆者には感慨深いものだった。 新幹線の最高時速は現在、東北新幹線でE5系が時速320㌔走行、東海道新幹線ではN00Sが最高時速285㌔で運行中で、東京・新大阪間は最速2時間22分で結ぶ。現在では新幹線は大きく発展し、北海道から九州まで列島を結ぶ新幹線網にまで発展した。 これら鉄道の発展利便性の向上の途中で、自然災害による被災は忘れられない。1995年に発生した阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災は福島原発の被災とも併せて鉄道にも壊滅的な被害を与え、さらに台風、豪雨の被害もその後遺症が今も残る。鉄道150年に当たり日本の鉄道技術はこれらの困難を克服して200年の未来へ邁進してくれると信じている。 (みなみ・まさとき)
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Last updated
February 3, 2024 06:34:55 AM
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