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カテゴリ:社説
存在認める言葉かけが自信に
子の「自己肯定感」を高める 子どもにどう育ってほしいか――。親なら誰もが、「健やかに成長してほしい」「自分らしく輝いてほしい」と願うものだ。そうした親心とは裏腹に、日本の若者は自分自身に満足していたり、長所があると感じていたりする割合が、諸外国の若者に比べ、誰も低いという(令和元年版子供・若者白書)。自信が持てない背景にはさまざまな状況があるが、その一つに、子の「自己肯定感」を育むことがいかに大切かを知る世代が少ない点が挙げられる。 「自己肯定感」という言葉自体は以前から存在するが、一般的に広く知られるようになったのは近年のこと。書店では自己肯定感の高め方を指南する本が多く並び、自己啓発について語る動画配信者らもこぞって、話題として取り上げてきた。 小児科医・医学博士の古荘純一氏によると、自己肯定感とは〝自分に自信を持っていること〟だという(『自己肯定感で子どもが伸びる』ダイヤモンド社)。子どもが自分に価値があると自分で理解し、親に認められることで、自分自身の欲求として人格を磨こうとする。その繰り返しの中で、子の自己肯定感は高まっていく。 では、そのために親ができることは何だろうか。本紙の「教育」のページに登場している親野智可等氏は「褒める」ことの重要さを強調したうえで、褒める行為には「条件褒め」「無条件褒め」の2種類があると語る。 「条件褒め」は子が何かを達成した時。「宿題よくできたね!」「一人で留守番できて偉いね!」といった言葉が当たる。一方、後者は「生まれてきてくれてありがとう」「どんなあなたでも愛しているよ」など、存在自体を褒めてあげること。「条件褒め」も大切だが、特に「無条件褒め」が子の自己満足感を高めるために非常に重要なポイントである、と。 「存在を認められた」と感じた子は強い。「失敗しても受け入れてもらえる」という絶対的な安心があるからだ。失敗を恐れずに多くのことに挑戦するようになり、成功体験を積み重ねる中で自分らしく輝くことができる。 池田先生は「すべては、子どもを『一個の人格』として尊重するところから始まる」と。〝教育は共育〟との思いで、未来の宝が伸び伸び成長できるよう、共に力を入れていきたい。
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Last updated
March 23, 2024 06:18:36 AM
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