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August 16, 2024
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カテゴリ:教育

勉強が苦手な子の進路選択

立命館大学 宮口 幸治 教授に聞く

 

子どもの能力を決め付けない

——勉強が苦手で、極端に成績が良くない子の進路選択について、伺います。

 

勉強が苦手な子でも行くことができる学校を探して進学させるのが一番です。進学できる学校は通信制も含め、たくさんあります。学歴が中学卒業となると、将来的に働く先が限られる可能性があり、高校までは卒業させてほしいと思います。大学進学も可能です。今は入試の形式が多様なので、進学先は見つかるものです。

ただ、就職活動で苦労する人が多いですね。働く上では学力以外の人間性の部分も大事ですが、試験が不得意なため、入社試験で落ち続けてしまうケースがよく聞きます。

 

 

——大学に進学しても就職活動で苦労するのであれば、大学を進学せずに専門的な技術を身に付ける道を選んだ方がいいのではないかとの考えはありませんか。

 

それは本人と保護者の希望しだいです。本人が望む道を歩めるようにサポートするのが大切です。その上で、私が怖いと思うのは、子どもの能力を大人がわが過小評価することです。本来は伸びる可能性があるのに、「頑張ってもできない子」と決め付け、可能性の芽を潰してしまうケースもあるからです。

勉強面で言えば、勉強ができない原因はさまざまです。貧困やネグレクト(育児放棄)の家庭のように、そもそも勉強ができる環境が与えられていなかった子がいます。また、大人の対応がよくないためにやる気を失って学習しない子、また学習内容の理解がしづらい境界知能(注)の子など、原因が異なります。その子に合わせた適切なサポートができれば、本来、どの子でも学力が伸びる可能性はあります。境界知能の子であれば、標準的な子と比べれば理解するのに時間はかかりますが、最初から「できない」わけではありません。

もちろん、さまざまな手を打った上でも、勉強に向いていない子どももいますし、そもそも、スポーツや芸能などの分野で力を発揮する子も多くいます。どうしても、勉強が苦手であれば、他の分野での自分の能力を生かす道を選べばよいでしょう。

進路選択をサポートする上で大切なのは、子どもの能力を決め付けず、さまざまな可能性を視野に入れて検討することです。

 

[]境界知能とは

境界知能とは、IQ(知能指数)がおよそ7084に該当する人で全体の約14%に当たる。知的生涯には該当しないものの認知機能(見たり、聞いたり、想像したりする力)の弱さなどが原因で、学校の勉強が理解しづらかったり、人間関係でつまずいたりするなど、生活に困難を抱える場合がある。宮口教授は境界知能の子の能力を伸ばすためのトレーニング(コグトレ)を考案し、普及に努める。

 

 

保護者は「心の充電」「伴走者」で

——子どもの能力を伸ばすために、保護者はどのように関わればよいのでしょうか。

 

保護者は子どもにとって「充電器」であり、「伴走者」であることが大切です。

子どもを電気自動車に、保護者を充電機に例えます。電気自動車(子ども)は、充電器(保護者)があるから安心して遠くにいけます。でも、電気が無くなって充電器の元に戻ったときにしっかりと充電できなかったり、そもそも充電器がなくなったりしていれば、不安で移動することはできません。保護者は子どもにとって適切な充電器として、心の安心を育む役割を意識したいものです。

また、伴走者とは、車の補助席に乗る際のイメージです。運転手に「ブレーキを踏んで」「ハンドルを右に回して」などと細かく指示をしていたら、運転手は混乱します。運転手が気持ちよく運転できるには、伴走者が細かく指示を出すのではなく、温かく見守り、必要なところでアドバイスをするといった関わりが必要です。

課程で「充電器」「伴走者」を意識した安定的な関わりができれば、子どもは時代に自分自身の課題の解決のために、工夫して行動をするようになるもの。子どもは自分の人生を自分で切り開く力をもっています。

ただ、難しいことを考えなくても、「余計なことをしない」という意識を持つだけでも、大きな効果があります。余計なことは、子どもがやる気を失うような一言のこと。拙著『NGから学ぶ本気の伝え方』(明石書店)に書いたものを一部紹介しますので、参考にしていただければと思います。

 

 

やる気を失う言葉がけ例  「勉強したの? 明日の用意は?」

親からすると自分が言ってあげなければとの思いかもしれませんが、これをいわれると、子どもが後でやろうと思っていた場合はやる気を失います。すぐ勉強し始めると、親の指示に従っているようでカッコ悪いと感じます。どのみち、言われることで、逆にやりたくなくなる言葉です。

 

————[こうしてみよう]————

代替案としては、学校の様子を聞いたり、「宿題でわからないことがあったら見てあげようか?」と伝えたり。子どもが自主的に行動するための手助けをしていきましょう。

 

 

 

【教育】聖教新聞2023.6.22






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Last updated  August 16, 2024 03:50:43 PM
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