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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2008年05月28日
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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:学校

2週間旅行に行っていた間、我が家の庭には、鳥の新婚カップルが引っ越してきたようだ。現在巣作りに忙しいようで、仲良く庭で"建築資材"を集めている姿が目に付く。

また、玄関前の地面にたくさんの小さな穴があいているのも目に付いた。アリの仕業だと思い、殺虫剤をまいていたら、ハチが穴から出入りしているのが目に付いた。「ハチって、蟻の巣を襲うのかな?それとも、シロアリの仲間だろうか?」と不思議に思い、しばし観察してしまった。惠子に言うと、「それは、Erdhummel(Erdeは地面、Hummelはマルハナバチ)という蜂で、地面の穴にすんでいるんだよ。」と教えてくれた。そんな蜂がいるなんて、初めて知った。

今週から学校も再開され、平常通りの生活に戻ったはずなのだが、ギムナジウムに通う惠子は、今日は1時間目がないから遅く行く、とか、明日は6時間目が休講だから早く帰ってくる、とか、そんな日ばかり。

昨日は午後の授業も中止になった。なぜなら、暑いから・・・・。ふざけているよなー。確かにこのところ、30度近い気温が続いているのだが、それなのに、昨日も今日も体育の時間は、外で、12分間で何周トラックを走れるかを計測したり、75mの徒競走を何度もさせたり、炎天下の中、思いっきり走らせている。惠子は、「暑くて、死にそう・・・」と文句を言いながら帰宅。(体育も、2コマ続きの授業だから、着替えや移動の時間を考慮しても、70分ほど炎天下で過ごすことになる)

2週間の休みが始まる前の日も、1時間目が休講だった。理由は、算数の先生の結婚式のため。次の日から休みに入るのに、何故わざわざ金曜日に式をするのか理解に苦しむ。

先生が休む場合、代理の先生が授業をするのだが、ギムナジウムでは、2コマ続きの授業が多く、2コマとも引き受けられる先生が少ない。普段は、1時間目(7時半始業)から6時間目(12時35分終業)までびっちり授業が詰まっているのだが、先生が休講の場合は、時間割が変更になる。学校側も、2時間目(8時15分始業)から5時間目(11時45分終業)までは、「コアタイム」と呼んで、担当の先生が休んでも、必ずその時間は生徒は学校で授業を受けるように、時間割を調整するのだが、先生の手当てが付かない場合は、1時間目もしくは6時間目がなくなる。先生の数が少ないので、仕方がない、と学校側から説明されている。先生も、そういう事情がわかっているなら、もっといろいろなことを考えればいいのに・・・と思うことが多い。

惠子は、バイリンガルコースにいるので、現在、週に8時間も英語の授業がある。しかし、この休み明けから、なんと、その英語の担当教師が、産休に入ってしまったのだ。つまり、週8時間も穴が開くわけで、その代わりの先生をすぐに手当てすることはできず、当面は、1時間目か6時間目が休講になり、残りの1コマは替わりの授業をしている。算数だったり、地理だったり、もしくは、英語の自習用ペーパーだったり・・・。

この話を聞いた時に、「信じられれない。なんて、無責任!」と憤りを覚えたが、先生にしてみれば、法で産休を取ることが認められているのに、わざわざ夏休みとぶつける必要はない、と思うのだろう。また、産後12ヶ月間(夫婦で交互に取る場合は、14ヶ月間)は、給料の66パーセントが保証されているので、来学期は働かないで、来年の9月から職場に復帰すれば非常に理想的である。これが、学年末まで待ってから産休に入ると、夏休みと産休がダブり、もったいないし、9月以降の出産だと、その翌年の9月から復帰すると、せっかく12ヶ月もらえる手当てが短くなってしまうし、全期間手当てをもらおうとすると、新学期に間に合わない。

去年、賢浩の担任もやはり同じパターンで、出産のため、途中降板。その後、代わりの担任がみつからず、小1なのに、担任不在のまま学期末を迎えるという異例の事態になった。

昨年9月の小学校の全体保護者会で、教頭先生が、「昨年度は、妊娠出産された先生が2人もいて、先生のやりくりがとても大変でした。今年は、誰も妊娠しなければいいのですが・・・」と思わず本音を漏らしていた。ちなみに、この教頭先生は、女性。

出産の時期について、他人があれこれ言う権利はないが、やはりみんな心の中で思っていることは同じだと思う。日本なら、同僚に遠慮して、とか、保護者の批判を気にして、ということがあるかもしれないが、ドイツでは、個人の権利が何よりも優先されて考えられる。だから、この時期に産休に入るのは、当然の権利であり、誰も批判することはできない。ただ、ため息をつくしかない。






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最終更新日  2008年05月29日 06時18分51秒
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