昨日は、惠子の11歳の誕生日だった。学校で、前日に用意したお菓子を配ったのだけど、ただ机の上に置いただけなので、惠子の誕生日ということがわからない子もいたようだ。惠子も、よくお菓子を学校から持って帰ってくるが、「誰かの誕生日だったみたい」と他人事のように言うだけのことも多い。「誰の誕生日かわからないの?」と聞くと、「だって、机の上に置いてあっただけだもん・・」と言う。休み時間にお菓子を配るので、そういうことがよく起こる。小学校だと、授業中に先生の許可をとって、一人一人に手渡して、みんながお誕生日の歌を歌ってくれる、というパターンが多い。まあ、それで、授業が1時間分つぶれてしまうこともあるので、賢浩のクラスでは誕生日にお菓子を配るのは禁止になった。(理由はそれだけではないと思うけど・・・)
それでも、たくさんの子が、「おめでとう」と言ってくれたそうだ。また、元クラスメートの女の子数名が、休み時間に惠子の教室にプレゼントとカードを届けに来てくれた。カードには、クラスみんなの署名があった。また、有志の女の子で、写真パネルを作ってくれ、「いろいろとありがとう!」という言葉も添えてあった。思いがけないプレゼントに、惠子は大感激していた。
夜は、家族だけでささやかなバースデーパーティー。惠子は、歯の矯正ワイヤーをしているので、食べられるものが限られる。だから、メニューにすごく頭を悩ませた。エビ、納豆、イチゴが惠子の3大好物。「エビ」は冷凍ものしかないが、エビ料理ははずせない。「納豆」はこの辺では入手できない。「イチゴ」はちょっと季節外れ。それでも町中の店を探し回り、ようやく見つけた。できる範囲で惠子の好物を並べた。昨日は、午後も授業があり、その後、バイオリンのレッスンと忙しかったけど、惠子にとってはとっても素敵な1日だったようだ。郵便受けの中には、東京からとハイデルベルクからバースデーカードが入っていた。いろいろな人からオメデトウといってもらえて、何より、何より・・